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情シスの相棒
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VPN機器をやめても残るものは?ZTNA・SASEの10製品を比べる

VPN機器をZTNAやSASEに替えても、社内に置くものはゼロになりません。10製品の公式の文書から、社内に残る機器、サーバーから端末への通信の扱い、日本の拠点、料金、サポートの言語を比べ、見積もりの前に調べることがわかります。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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VPN機器をやめても残るものは?ZTNA・SASEの10製品を比べる

この記事のまとめ

  • 消えるのは社外に公開したポートで、コネクタの更新と監視は社内に残ります。
  • 料金の公開は10製品のうち5製品。Cloudflareはサポートを英語のみと明記。
  • 製品名より先に、サーバーから端末へ始まる通信があるかを調べると候補が絞れます。
こんな方に#30代#40代#50代実務

「クラウドのやつに替えれば、もうパッチは要らなくなるんでしょ」

たとえば、VPN機器を夜中に上げ直した翌朝、上司にこう聞かれたとします。答えは半分だけ「はい」です。

VPN機器をやめても、社内に置くものはゼロになりません。消えるのは、インターネットから接続を待ち受ける公開ポートです。ZTNAとSASEの10製品の公式の文書を読むと、公開の文書で構成を読めなかったIIJを除く9製品は、どれも社内の側に受け手を置く作りでした。

それでも検討したくなる気持ちは、よく分かります。10月に米CISAの悪用の一覧(KEV)へ加わった36件のうち、社外との境目の機器は11件で、VPNの入口そのものは5件ほどでした。Ivanti Connect Secureの3件、Cisco ASA・FTD、NetScalerです。Ivantiでは、10月13日の修正版に上げた機器も上げ直しになりました。

ただ、残りのメール中継やSD-WANの管理、リモートサポートの機器は、ZTNAを入れても消えません。PAN-OSのPHPの件も管理画面が的で、GlobalProtectは対象外でした。VPNをやめても、この更新は残ります。

図解。今のVPN機器では端末からVPN機器へ社外から接続し、機器が待ち受ける。ZTNAとSASEでは端末が事業者のクラウドへつなぎ、社内のコネクタも外向きに接続する。消えるもの: VPN機器の公開ポート、入口のファイアウォールの穴、機器の深夜の緊急更新(機器を外したときだけ)。残るもの: コネクタのサーバー、OSと製品の更新と監視、拠点間のVPNや社内のファイアウォール。増えるもの: 全端末へのエージェントの配布と更新、事業者のクラウドへの依存、IDへの攻撃の重み
VPN機器とZTNA・SASEの仕組みの前と後。消えるもの、残るもの、増えるもの作成: 編集部 / 出典: 情シスの相棒編集部(各社の公式の文書をもとに作成)

公開ポートは消えるが、コネクタの保守は残る

各社の文書を読むと、社内に置くものははっきりしています。Microsoft Entra Private Accessのコネクタは、Windows Serverに入れる軽いエージェントです。外向きに接続するので入口のポートは要りません。ただしグループごとに2台以上が推奨です。Zscaler Private AccessのApp Connectorも外向きだけで、冗長に組むのが通例です。

Palo Alto NetworksのPrisma Accessでは、ZTNA Connectorに4vCPU・8〜16GBの仮想マシンを当てる例が載っています。FortinetのFortiSASEでは、社内のサーバーへ届く構成としてFortiGateをハブにする手順が中心です。その形なら、FortiGateの保守は残ります。

日本のe-Janネットワークスが出すニンジャコネクトVPNは、手のひらサイズのコネクターを置く形で、脆弱性対策などの更新は不要という説明です。一方で、コネクターの冗長化は2026年秋ごろの実装予定とあります。止まったときの代わりをどう用意するかは、聞いておきたい所です。

編集部は、ここが見積もりの比較で抜けやすいとみています。Windows Serverを2台置くなら、毎月の更新はそのまま残ります。それでも、社外から直接たたかれる機器を夜中に上げる仕事と比べれば、段取りはずっと組みやすいはずです。

重くなる場所もあります。入口がログインに寄るので、IDaaSの選び方と多要素認証の条件が前提になりました。事業者のクラウドが止まれば、在宅の全員が入れません。10月23日には、Cloudflare AccessでEntra IDのログインに障害が約20分起きました。影響の範囲は公表されていません。

料金が見える製品は10のうち5つ

図解の表。料金を公開している5製品: Entra Private AccessはWindows Serverのコネクタで1人月749円、Entra ID P1が前提。Cloudflare Oneはcloudflaredと双方向のMesh(ベータ)で、50人未満は無料、超えると1人月7ドルで用途の狭いSSE向け、サポートは英語のみと明記。TailscaleはBusiness VPNでStandardは1人月8ドル、独自ドメインは14日間の試用、6人まで無料は個人の非商用向け。IIJフレックスモビリティサービス/ZTNAは300台・100Mbpsの例で月361,120円。ニンジャコネクトVPNは基本年12万円と10人ごとの年3.6万円、同時10人ごとの年9.6万円。公開の定価を確認できなかった5製品: Zscaler Private AccessはApp Connectorで、サーバーから端末は限定提供。Netskope One Private AccessはPublisherで、別機能で対応。Prisma AccessはZTNA Connectorで、グループの設定で対応。Cisco Secure AccessはResource Connector。FortiSASEはFortiGateをハブにし、ポリシーで対応。日本の拠点は東京と大阪が多い
ZTNA・SASEの10製品を、社内に置くもの、サーバーから端末への通信、日本の拠点、料金、サポートの言語で比べた地図作成: 編集部 / 出典: 情シスの相棒編集部(各社の公式の文書をもとに作成)

料金を公開している5製品は、300人が使う場合の月額を試算できます。スマートフォンでは図の字が小さいので、社内に置くものとサーバーから端末への通信は表でも確認できます。

製品 社内に置くもの サーバーから端末への通信 300人の月額の試算
Entra Private Access Windows Serverのコネクタ 確認できず 224,700円(1人月749円・税別・年払い。Entra ID P1は別)
Cloudflare One cloudflared、双方向はMesh Mesh(ベータ) 2,100ドル(用途の狭いSSE向けの従量プラン)
Tailscale 各サーバーかサブネットルーター サーバーにも入れれば双方向 2,400ドル(Standard)
IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA 拠点との接続(機器の記載なし) 確認できず 361,120円(例: 300台・100Mbps・税抜)
ニンジャコネクトVPN コネクター 確認できず 同時100人で18万円、全員同時で34万円(参考価格から計算・税別)
Zscaler Private Access App Connector 限定提供 問い合わせ
Netskope One Private Access Publisher 別の機能で対応 問い合わせ
Prisma Access ZTNA Connector コネクタのグループで対応 問い合わせ
Cisco Secure Access Resource Connector 確認できず 問い合わせ
FortiSASE FortiGateをハブにする構成など ポリシーで対応(エージェントの端末だけ) 問い合わせ

Cloudflare Oneの2,100ドルは、用途の狭いSSE向けの従量プランの額で、SASE全体は個別の見積もりです。IIJは初期費用が別に422,620円かかります。ニンジャコネクトVPNの基本料金にはコネクター1台分が入り、別の拠点の分は追加です。ほかはコネクタのサーバー代も別です。

導入の作業や回線の費用も入れていないので、桁をつかむ目安と考えてください。ドルの額は11月4日の料金ページの表示で、為替で動くため円には換えていません。

日本の拠点は、東京と大阪を挙げる製品が多く、差はつきにくい欄です。

もう1つ、地図で目を引いたのがサポートの言語です。Cloudflareは、技術サポートのケースもチャットも電話も英語で行うと明記。1人月7ドルのプランも、エンタープライズのサポートが要らないチーム向けと書かれていました。安さの裏には、障害の夜に英語で状況を書く仕事が付いてくるわけです。

Ciscoは公式の連絡先に、日本語の電話とメールを載せています。TAC全体の案内で、Secure Access専用ではありません。ほかの海外製品は、読めた公式の文書で言語を確認できませんでした。日本語の製品ページがあっても、夜間の窓口が日本語とは限りません。販売店を通す場合は、その範囲も契約ごとに違うので、見積もりのときに聞いたほうが早いでしょう。

いちばん差が出るのは、サーバーから始まる通信

ZTNAの基本は、端末からアプリへ向かう通信です。逆向きの、社内のサーバーから端末へ話しかける通信は、製品ごとに扱いが大きく違いました。

ZscalerはこれをServer-to-Clientと呼び、限定提供の機能という扱いです。Cloud ConnectorかBranch Connectorが要り、用途の例は遠隔の障害対応とソフトの配布でした。Netskopeは、別の機能のPrivate Optimized Accessで対応し、Microsoft Remote AssistanceやTeamViewer、社内に置いた内線の例を出しました。

Prisma Accessは、ZTNA Connectorのグループで有効にする形です。端末発の通信とは、グループを分けるのが推奨とあります。FortiSASEはハブから端末へのポリシーを用意していますが、今はエージェントを入れた端末だけです。Cloudflareは使い分けがはっきりしていて、アプリを公開するTunnelは外向きだけ、双方向はMeshを使います。Meshには文書の目次でBetaの札が付いています。

Entra Private Access、Cisco Secure Access、IIJ、ニンジャコネクトVPNは、読めた公開の文書では確認できませんでした。対応していないという意味ではありません。

ここを先に調べるのは、VPNの上で当たり前に届いていた通信が、切り替えた翌日に届かなくなりかねないからです。在宅のPCへの資産管理ツールの配布、ヘルプデスクの遠隔操作、ソフトフォンの着信。止まってから気づくと、問い合わせが一度に来ます。

うちの会社はどこから見るか

VPN機器を社外に公開していない会社や、リモートアクセスを閉域の回線だけで済ませている会社は、対象外と考えてかまいません。公開している会社は、条件で見る順番が変わります。

  • **Microsoft 365でEntra ID P1を持っている。**Entra Private Accessが試しやすいでしょう。Windows Serverを2台置けるかが条件です。
  • **FortiGateやPAN-OSを使っている。**FortiSASEとPrisma Accessは、管理の経験を生かしやすいはずです。ただ機器そのものが消えるとは限りません。
  • **数十人で、英語の窓口でも困らない。**Cloudflare Oneは50人未満が無料です。Tailscaleは独自ドメインで始めると14日間試せます。6人まで無料のプランは、個人の非商用向けです。
  • **契約から運用まで日本語で進めたい。**IIJとe-Janネットワークスが候補です。IIJはISMAPの登録を掲げていて、最低利用期間は1か月です。
  • **全社のネットの出口もまとめたい。**SASEと呼ぶ製品が候補ですが、拠点の回線まで含むかは製品と契約で変わります。

地図に載せたのは、公式の文書で主な欄を読めた製品です。Cato NetworksなどSASEの専業も候補になりますが、今回は公式ページを確認できなかったので入れていません。

切り替えの前に、通信とコネクタで確認すること

  1. 今のVPNのログから、接続先とポートを1か月分書き出します。サーバーから端末へ始まる通信は別の列にします。資産管理、遠隔操作、内線、ドメインのログオンは必ず見ます。
  2. VPNの用途のうち、リモートアクセス以外を分けます。拠点間、取引先、保守の業者の接続は、製品の対象外かもしれません。
  3. 見積もりのときに5つ聞きます。サーバーから端末への通信の扱い、日本語の窓口と時間、コネクタの更新の責任、止まったときの予備の入り方、課金の単位(人、台、同時接続)です。
  4. 1つの部署で2週間試します。月末や配布の日を含めると、抜けが見つかりやすくなります。
  5. 切り替えたら、VPNの機能を止めます。CiscoのCVE-2026-76418は、SSL VPNが少なくとも1つのインターフェースで有効なことが条件の1つです。ZTNAを入れても、この設定を消さなければ条件は満たしたままです。社外からポートが閉じたことを確認し、機器の保守契約の更新日に合わせて外します。

冒頭の上司には、こう返せます。「パッチはコネクタに残ります。ただ、外から直接たたかれる機器は減らせます」。この1文から話を始めると、見積もりの比べ方が変わるはずです。

よくある質問

QZTNAに替えれば、多要素認証は要らなくなりますか。

A要らなくなりません。入口がログインに寄るので、IDが奪われたときの影響はむしろ大きくなります。多要素認証と端末の条件を前提に設計します。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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