本文へ移動
情シスのミカタ
比較約8分で読めます

国内の通信4社を有価証券報告書で図解 NTT・KDDI・ソフトバンク・楽天グループ

回線・携帯・クラウドの契約先になる通信4社を、有価証券報告書の数字で読む方法をまとめます。NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天グループの売上、営業利益、従業員数、平均年間給与を表と図にし、持株会社、連結と個別、決算期の違い、楽天グループが通信だけの会社ではない点を説明します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆
文字
国内の通信4社を有価証券報告書で図解 NTT・KDDI・ソフトバンク・楽天グループ

この記事のまとめ

  • 4社の売上収益は2兆4,966億円から14兆4,091億円まで。営業利益率は0.6%から18.1%でした
  • NTTは持株会社で、提出会社の従業員は2,606人。連結344,196人の0.8%だけです
  • 楽天グループは通信だけの会社ではなく、有報の区分は3つ。決算期も2025年12月期で、ほか3社と3か月ずれます
こんな方に#30代#40代#50代#60代実務

回線・携帯・クラウドの契約先として、NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天グループの名前を目にする機会は多いはずです。その契約先がどんな会社なのかを、公開された数字で見たことはあるでしょうか。この記事では、4社の最新の有価証券報告書(有報)から、売上・営業利益・従業員数・平均年間給与を取り出し、表と図にまとめます。

先に大事な点を3つ書きます。NTTは持株会社です。楽天グループは通信だけの会社ではありません。そして、楽天グループだけ決算期が違います。この3点を知らずに数字を並べると、読み違えます。

4社の売上・営業利益・従業員数を1つの表で見る

数字は、各社が金融庁のEDINET(有報などを無料で読める開示サイト)に出した最新の有報から取り出しました。確かめた日は2026年10月9日です。4社とも、会計基準はIFRS(国際会計基準)で、売上・営業利益は連結(グループ全体)の数字です。

  • 営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上収益(丸める前の数字で計算し、小数1桁に四捨五入)
  • 売上収益と営業利益は、億円未満を四捨五入
会社 決算期 売上収益(億円) 営業利益(億円) 営業利益率 従業員数(連結) 従業員数(提出会社) 有報
NTT 2026年3月期 144,091 17,062 11.8% 344,196 2,606 有報
KDDI 2026年3月期 60,719 10,991 18.1% 73,198 9,891 有報
ソフトバンク 2026年3月期 70,387 10,426 14.8% 58,432 19,150 有報
楽天グループ 2025年12月期 24,966 144 0.6% 29,419 9,989 有報

売上収益は、楽天グループの2兆4,966億円からNTTの14兆4,091億円まで開きがあります。営業利益率は0.6%から18.1%です。会社の優劣を示す数字ではなく、事業の形の違いを見るための数字です。この数字になった理由は、有報の数字だけからは分かりません。

通信4社の連結の売上収益と営業利益の横棒の図と数字の表。売上収益はNTT 144,091億円、KDDI 60,719億円、ソフトバンク 70,387億円、楽天グループ 24,966億円。営業利益はNTT 17,062億円、KDDI 10,991億円、ソフトバンク 10,426億円、楽天グループ 144億円。営業利益率は11.8%、18.1%、14.8%、0.6%。従業員数は連結が344,196人、73,198人、58,432人、29,419人、提出会社が2,606人、9,891人、19,150人、9,989人。決算期は楽天グループだけ2025年12月期で、ほかは2026年3月期
通信4社の売上収益・営業利益(連結)と従業員数の図作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)

楽天グループは通信だけの会社ではない

4社のうち楽天グループだけは、事業の中心が通信ではありません。有報の「事業の内容」は、事業を3つの区分に分けています。

区分 有報に書かれている中身 従業員数(連結)
インターネットサービス 「楽天市場」などのECサイト、旅行予約サイト、広告、メッセージングサービスなど 9,793人
フィンテック クレジットカード、銀行、証券、保険、決済など 6,217人
モバイル 通信サービス、電力供給サービス、通信技術の提供など 4,333人
全社共通 区分に分けない部門 9,076人

通信を契約する立場で見るなら、有報の「モバイル」の区分が当てはまります。この区分の従業員は4,333人で、連結29,419人の約15%です。「楽天グループの売上」や「楽天グループの従業員数」は、通信以外の事業も含んだ数字です。

ほかの3社は、通信が事業の中心にあります。ただし、金融、電力、メディア、ECなど通信以外の事業も有報に載っています。ソフトバンクは「メディア・EC」だけで従業員25,261人(連結)です。通信の会社として見るときも、数字は事業全体のものだと覚えておいてください。

持株会社とは何か 提出会社の数字の読み方

持株会社は、自分では事業をせず、子会社の株を持って経営を管理する会社です。NTTは、有報に「純粋持株会社」と書かれています。携帯はNTTドコモ、地域の固定回線はNTT東日本・NTT西日本といった子会社が提供し、契約の相手もその子会社です。

有報を出した会社そのものを「提出会社」と呼びます。NTTの提出会社の従業員は2,606人で、連結の344,196人の0.8%です。ほかの3社は、提出会社の人数が連結の13.5%から34.0%でした。

会社 提出会社の人数 ÷ 連結の人数 提出会社の売上(億円) 連結の売上収益(億円)
NTT 0.8% 11,557 144,091
KDDI 13.5% 39,085 60,719
ソフトバンク 32.8% 36,862 70,387
楽天グループ 34.0% 9,674 24,966

提出会社の売上は、NTT・KDDI・ソフトバンクは有報の「営業収益」、楽天グループは「売上高」の数字です(経営指標等より。億円未満は四捨五入)。連結と提出会社では、数字の範囲が違います。混ぜて比べないでください。

平均年間給与・平均年齢・勤続年数は提出会社だけの数字

有報の「従業員の状況」には、提出会社の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数が載っています。子会社の社員は入っていません。

会社 平均年間給与 平均年齢 平均勤続年数
NTT 1,056万円 41.4歳 15.6年
KDDI 1,051万円 42.3歳 16.4年
ソフトバンク 871万円 42.0歳 14.8年
楽天グループ 851万円 36.0歳 6.3年

平均年間給与は万円未満を四捨五入しています。これは、有報を出した会社に勤める人の平均です。NTTでは、持株会社の2,606人の平均で、携帯や回線の現場にいる社員の数字ではありません。会社の優劣や待遇の良し悪しを示すものでもありません。この差の理由は、数字からは分かりません。

4社の連結と提出会社の従業員数の横棒の図と、提出会社の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数の表。給与はNTT 1,056万円、KDDI 1,051万円、ソフトバンク 871万円、楽天グループ 851万円。年齢は41.4歳、42.3歳、42.0歳、36.0歳。勤続は15.6年、16.4年、14.8年、6.3年。提出会社の人数は連結の0.8%、13.5%、32.8%、34.0%。NTTは純粋持株会社であること、給与などは提出会社だけの数字であることの注意が並ぶ
従業員数(連結と提出会社)と平均年間給与・年齢・勤続年数の図作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)

有報は事業をどう区切って書いているか

法人向けの回線・ネットワーク・クラウド・セキュリティは、各社の有報で書かれ方が違います。区分ごとの人数と利益を図にしました。

4社の有報の事業の区分を並べた図。NTTは総合ICT、グローバル・ソリューション、地域通信、その他の4つ。KDDIはパーソナル、ビジネス、その他。ソフトバンクはコンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンス、その他。楽天グループはインターネットサービス、フィンテック、モバイルの3つ。区分ごとの従業員数と利益、法人向けの書かれ方の違いが並ぶ
有報が事業を区切る方法と、区分ごとの人数・利益の図作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)
会社 区分の数 法人向けの書かれ方(有報の「事業の内容」)
NTT 4つ 総合ICT事業の中に「法人向け通信サービス、ソリューション事業、システム開発事業等」。地域通信事業の中にも「法人事業」。グローバル・ソリューション事業にデータセンターなど
KDDI 2つ 「ビジネス事業」が独立。デバイス、ネットワーク、クラウド、データセンターサービス(Telehouse)、IoT・DX・生成AIなど
ソフトバンク 5つ+その他 「エンタープライズ事業」が独立。モバイル、固定サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoTなど
楽天グループ 3つ 法人向けの名前の区分は、有報の事業の内容にありません。通信はモバイルの区分

区分ごとの利益は、会社によって名前が違います。NTT・KDDIは区分の営業利益、ソフトバンクはセグメント利益、楽天グループは別の利益の指標を載せています。同じ名前の区分でも、中身は同じではありません。契約したい商品が有報のどの区分に入るかは、会社ごとに確かめます。

区分ごとの数字は、次のとおりです(億円未満は四捨五入)。

会社 区分 従業員(連結) 利益
NTT 総合ICT 53,780人 営業利益 9,421億円
NTT グローバル・ソリューション 201,140人 4,882億円
NTT 地域通信 61,567人 3,074億円
KDDI パーソナル 29,753人 営業利益 8,283億円
KDDI ビジネス 39,707人 2,639億円
ソフトバンク コンシューマ 7,037人 セグメント利益 5,508億円
ソフトバンク エンタープライズ 9,094人 1,924億円

決算期の違い 楽天グループだけ12月期

NTT・KDDI・ソフトバンクは2026年3月期(2025年4月から2026年3月まで)、楽天グループは2025年12月期(2025年1月から12月まで)です。期間が3か月ずれています。同じ時点の数字ではないので、1年を比べる表としては目安です。

楽天グループの2025年12月期は、営業利益が144億円(営業利益率0.6%)、親会社の所有者に帰属する当期損失が1,779億円でした。有報の数字を書いただけで、理由は有報の数字だけからは分かりません。

契約先の確かめ方 情シスの読みどころ

契約書や見積書に書かれた会社は、有報を出している会社とは限りません。たとえばNTTのグループなら、契約の相手がNTTドコモビジネスやNTT東日本でも、有報を出しているのはNTT株式会社です。有報には、連結子会社の名前と、その会社が入っている区分が載っています。

契約書の社名を見る、その会社が有報を出しているか調べる、親会社の有報の事業の内容を開く、区分ごとの人数と利益を見る、の4つの手順の図。注意として、持株会社(NTTの提出会社は連結の0.8%)、連結と個別(ソフトバンクの提出会社の営業収益3兆6,862億円と連結の売上収益7兆387億円)、決算期と会社の形(楽天グループだけ2025年12月期)が並ぶ
契約先を有報で確かめる4つの手順と、4社を読む3つの注意作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)

この読み方は、投資のためではなく、取引先を知るためのものです。株の売買を勧めるものではありません。

有報の見方の基本は、同じシリーズのSIer・ITサービス16社を有価証券報告書で図解でも書いています。取引先がサービスをやめるかもしれないときの確かめ方は、使っているSaaSが撤退したら?決算短信と有報で「続くか」を読む方法にまとめています。

今日からできること

  1. 契約書・請求書から、回線・携帯・クラウドの契約先の会社名を書き出す
  2. EDINETで、その会社か親会社の有報を探し、「事業の内容」を開く
  3. 契約している商品が、有報のどの区分に入るかを確かめる
  4. 「従業員の状況」で、連結と提出会社の人数を見て、契約先が持株会社かどうかを確かめる
  5. 更新のたびに、売上と従業員数を前の年と比べ、変化を営業担当への質問にする

有報の数字は、契約先を決めつけるためではなく、質問を作るために使ってください。

よくある質問

Q売上や営業利益が大きい会社のほうが、契約先として安心ですか?

A数字の大きさだけでは決まりません。この記事の数字は1年分で、会社ごとに事業の区切り方も違います。契約する商品が有報のどの区分に入るかと、前の年との変化をあわせて確かめてください。

Q平均年間給与や平均年齢は、携帯や回線の担当者の数字ですか?

A違います。有報の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は、有報を出した会社(提出会社)だけの数字です。子会社の社員は含まれません。NTTは持株会社のため、とくに現場の数字とは別のものです。

Q有価証券報告書はどこで読めますか?

A金融庁のEDINETで、社名や証券コードを入れて検索すると無料で読めます。この記事では、4社それぞれの書類へのリンクを表に付けています。

Qこの記事は投資の参考になりますか?

Aなりません。回線・携帯・クラウドの契約先を知るために、公開された数字を並べたものです。売買を勧めるものではなく、投資の判断はご自身で行ってください。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、いいねと共有をお願いします