社内のPCとスマホ、タブレットを1つの画面で管理する道具が、MDM(モバイルデバイス管理)とUEM(統合エンドポイント管理)です。いまは多くの製品がWindows、macOS、iOS、Androidの4つを扱い、名前だけでは違いが見えません。国内でよく見かける製品と海外の製品を合わせた15製品を、対応OS、置き場所、主な機能、公式に出ている料金で地図にしました。
この地図の決まりと見方
- 確かめた日: 2026年10月18日。各社の公式のページ、ドキュメント、料金表で確かめたことだけを載せています
- 並び: 編集部が5つのまとまりに分け、その中はアルファベット順です。順位やおすすめではありません
- 公式で確認できず: 確かめた公式のページに書かれていなかったという意味で、「できない」という意味ではありません
- 料金: 公式に書かれた額だけです。額がないものは「要問い合わせ」にしました。広告やアフィリエイトの契約はありません
SaaS全体の地図は情シスのSaaSマップ 2026年秋にあり、端末管理の欄は6製品でした。この記事は、その1分野を深く見ます。主な製品の料金の計算はMDM比較 6製品の料金と対応OSにまとめています。
地図 15製品を5つのまとまりに
製品の出どころと得意な範囲で、15製品を5つに分けました。
端末管理の15製品を5つのまとまりに分けた地図(2026年10月18日確認)作成: 編集部 / もとの資料: 各社の公式のページ
1 OSや基盤の会社の製品
Microsoft、Google、Appleが、自社の契約やサービスに付けている端末管理です。新しく買う前に、今の契約に入っていないかを見ます。
- Microsoft Intune: クラウドで動き、Windows、macOS、iOS・iPadOS、Android、Linuxに対応します。基本のプラン1は、Microsoft 365 E3・E5などに含まれます
- Google エンドポイント管理: Google Workspaceに付属します。アプリの配布などの詳しい管理とWindowsの管理は、Business Plus以上の版の機能です
- Apple Business: 2026年4月に無料で始まったAppleのサービスで、MDMを内蔵しています。対象はAppleの製品だけです
2 Apple製品の専門
Jamf Proは、Appleの製品の管理に絞った製品です。Jamfのクラウドでも、自社のサーバー(オンプレミス)でも動かせます。WindowsのPCは、別の製品で管理します。Jamfは、投資会社による買収が2026年1月に完了したと発表しています。
3 海外の統合管理(UEM)
多くのOSを1つの画面で管理する、海外の会社の製品です。4製品とも、Appleの自動登録、Androidのゼロタッチ登録、Windows Autopilotの3つを案内しています。
- Ivanti Neurons for MDMはクラウドの製品で、オンプレミス向けには別の製品のEPMM(旧MobileIron Core)があります
- ManageEngine Endpoint Centralは、2023年3月にDesktop Centralから名前が変わりました。国内はゾーホージャパンが提供しています
- Workspace ONE UEMは旧VMwareの製品で、いまは独立した会社のOmnissaが提供しています
4 国産のMDM
スマホ・タブレットとPCを、1台ごとの料金で管理する製品です。3製品とも料金を公開しています。CLOMO MDMは、ISMAP(政府が使うクラウドを評価する制度)のリストに登録されていると案内しています。OPTiM Bizは2025年2月にOptimal Bizから名前が変わり、2026年4月にはWindowsの操作ログを集める機能を標準で載せました。
5 国産のIT資産管理
PCの台帳と操作ログを中心にした製品です。4製品とも、ファイルの操作やWebの閲覧の記録を案内しています。スマホは、製品の中のMDMの機能やオプション、ほかの会社のサービスとの連携で管理します。LANSCOPEは、クラウド版(旧LanScope An)とオンプレミス版(旧LanScope Cat)が別の製品で、スマホはクラウド版で管理します。
15製品の対応OS・提供の形・料金
2026年10月18日に公式のページで見た内容です。「4つ」は、Windows、macOS、iOS・iPadOS、Androidのすべてに対応するという意味です。
| 製品(会社) |
対応OS |
提供の形 |
料金(公式の記載) |
| Apple Business(Apple) |
macOS、iOS・iPadOSなどAppleの製品だけ |
クラウド |
無料 |
| Google エンドポイント管理(Google) |
4つ(Windowsは上位の版、macOSは一覧などの基本の管理) |
クラウド |
Workspaceに付属。Business Plusは1ユーザー月2,500円(年間プラン・税別) |
| Microsoft Intune(Microsoft) |
4つとLinux |
クラウド |
E3・E5などに含まれる。単体のプラン1は1ユーザー月8.00米ドル相当 |
| Jamf Pro(Jamf) |
macOS、iOS・iPadOS、tvOSなど |
クラウド、オンプレミス |
単体は記載なし。Jamf Proを含むJamf for Macは1台月12.50米ドル(年払い・25台から) |
| IBM MaaS360(IBM) |
4つ |
クラウド |
1台月676円から(税別) |
| Ivanti Neurons for MDM(Ivanti) |
4つとChromeOSなど |
クラウド |
要問い合わせ |
| ManageEngine Endpoint Central(Zoho) |
4つとLinux、ChromeOS |
クラウド、オンプレミス |
50台の年間ライセンスが218,000円から(税別) |
| Workspace ONE UEM(Omnissa) |
4つとLinux、ChromeOS |
クラウド、オンプレミス |
1台月3.00米ドルから(12か月前払い) |
| CLOMO MDM(アイキューブドシステムズ) |
4つ |
クラウド |
1台月300円と基本利用料月2,100円、初期費用19,800円(税抜) |
| mobiconnect(インヴェンティット) |
4つとtvOS |
クラウド |
1台年1,980〜3,300円、初期費用33,000円(税込) |
| OPTiM Biz(オプティム) |
4つ |
クラウド、オンプレミス |
スマホ1台月300円、PC1台月500円、初期費用45,000円(税抜) |
| AssetView(ハンモック) |
4つ |
クラウド、オンプレミス |
要問い合わせ(最低50台) |
| ISM CloudOne(クオリティソフト) |
4つ |
クラウド |
要問い合わせ |
| LANSCOPE エンドポイントマネージャー(エムオーテックス) |
4つ(オンプレミス版はLinuxも) |
クラウド版、オンプレミス版 |
クラウド版はスマホ1台年3,600円、PC1台年4,800円(操作ログを取らないライトB)か6,000円(ベーシック)、初期費用30,000円(税抜) |
| SKYSEA Client View(Sky) |
4つとLinux |
クラウド、オンプレミス |
要問い合わせ |
米ドルの額は、税の扱いが書かれていません。Workspace ONE UEMの3.00米ドルはスマホなど向けの版で、PCも含む版は5.25米ドルです。MaaS360は10月31日まで値引きした額も載せています。CLOMO MDMは5台からの契約で、LANSCOPEの初期費用は「プランⅡ」の場合です。
機能の対応表 操作ログとAutopilotで差が出る
15製品の主な機能が公式のページに書かれているか(2026年10月18日確認)作成: 編集部 / もとの資料: 各社の公式のページ
紛失時のロックと消去、アプリの配布、OSの更新の管理は、ほぼすべての製品が案内しています。ただしOSで使えない操作があります。たとえばIntuneのリモートロックの対象にWindowsはなく、消去は対象です。
PCの操作ログ
誰がいつどのファイルをコピーしたか、どのWebサイトを見たかの記録です。情報の持ち出しを調べるときに使います。案内しているのは国産のIT資産管理の4製品で、OPTiM BizはWindowsのログオンや印刷などの記録です。Jamf ProやMaaS360の文書にあるのは、管理者が管理画面で何をしたかの記録(監査ログ)で、PCの操作の記録とは別のものです。
自動登録
箱から出して電源を入れた端末が、自動で会社の管理に入る仕組みです。
| 自動登録 |
公式に案内している製品 |
| Appleの自動登録 |
15製品すべて(ISM CloudOneは連携のサービス) |
| Androidのゼロタッチ登録 |
Apple Business、Jamf Pro、AssetViewを除く12製品(ISM CloudOneは連携のサービス) |
| Windows Autopilot |
Intuneと海外のUEMの4製品(Endpoint Centralはクラウド版の上位の版) |
選ぶときの観点
製品の良し悪しではなく、自社の端末、契約、人手から見ていく順番です。
選ぶときの観点 5つの順番と、会社の状況ごとに見る点作成: 編集部 / もとの資料: Apple・Google・Microsoft・Ivantiと各社の公式のページ
会社の状況ごとに、先に見る観点の例をまとめました。数字は地図のまとまりの番号です。
| 会社の状況 |
先に見る観点 |
まとまり |
| Apple製品だけ |
無料のApple Businessで足りるか |
1、2 |
| Microsoft 365 E3・E5を使っている |
含まれるIntuneで足りるか |
1 |
| Google Workspaceが中心 |
版がBusiness Plus以上か |
1 |
| Androidの社用スマホが多い |
ゼロタッチ登録への対応 |
1、3、4、5 |
| PCの操作ログが要る |
記録の種類と残す期間 |
5 |
| 新しいWindows PCを自動で設定したい |
Windows Autopilotへの対応 |
1、3 |
| 社内にサーバーを置く決まりがある |
オンプレミス版と更新の手間 |
2、3、4、5 |
| 管理する人が少ない |
夜間や休日の紛失の対応を頼めるか |
4 |
紛失時の操作を24時間365日代行するサービスは、CLOMO MDMが1台月170円、OPTiM Bizが1台月200円(どちらも税抜)で料金の表に載せています。mobiconnectも1台1,980円(税込)で載せています。
今日からできること
- 端末をWindows、macOS、iOS・iPadOS、Androidに分けて台数を書き出し、会社のものか私物かも分ける
- Microsoft 365とGoogle Workspaceの契約の版を確かめ、端末管理が含まれていないかを見る
- 操作ログ、Windows Autopilot、ゼロタッチ登録のうち要るものに印を付け、機能の表で候補を2〜3製品にしぼる
- 候補の料金を、1台か1ユーザーか、月か年か、税込か税抜か、円かドルかをそろえて並べる
- 端末を買う販売店や携帯会社に、Apple Businessとゼロタッチ登録に対応した売り方ができるかを聞く
書き出しには、次のIT資産台帳が使えます。
製品の機能と料金は変わることがあります。契約の前と更新のたびに、公式のページで確かめてください。