生成AIは、部署ごとに違うサービスを使い始めると、会社として何が使われているかが見えにくくなります。会社で使う生成AIを5分野に分け、24製品を図解と表で並べました。製品名と提供する会社は、2026年10月8日時点で各社の公式サイトで確かめています。
このマップの決まりと見方
載せる製品と並べ方は、次の決まりで作りました。
- 確かめた日: 2026年10月8日時点。編集部が公式サイトを開き、製品名、提供する会社、その分野の製品であることを確かめたものだけを載せています
- 学習の記載: 法人向けの案内に「入力したデータを学習に使わない」旨の記載があるかを、確かめたページごとに「記載あり」「記載なし」で示しています。記載なしは、そのページに書かれていなかったという意味です
- 並び: 各分野の中で、アルファベット順、次に五十音順です。優劣、順位、おすすめを表すものではありません
- 料金: 載せていません。料金は生成AIの法人プラン比較 ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotにまとめています
- 広告: 広告やアフィリエイトの契約はありません
- 載せなかった製品: NECのcotomiと富士通のTakaneは、公式サイトを自動で開けず確かめられなかったため載せていません
前半 チャット・業務アプリ・国産モデルの3分野
前半は、社員が直接使う入口の3分野です。14製品あります。
生成AIの地図の前半。チャット・業務アプリ・国産モデルの14製品作成: 編集部 / もとの資料: 各社の公式サイト(記事の表)
1 汎用のチャット(法人プラン)
ブラウザやアプリで質問し、調べものや文章の下書き、要約をする道具です。選ぶときは、入力したデータが学習に使われるか(データの扱い)、SSOや利用者の追加と停止ができるか(管理者の設定)、管理者が利用の記録を見られるか(ログ)を見ます。
2 業務アプリに組み込まれたAI
メールや会議、チャット、文書など、いつものアプリの中で使うAIです。選ぶときは、元のアプリで閲覧できる範囲どおりにデータを読むか、機能ごとに管理者が入り切りできるか、操作の記録が残るかを見ます。
| 製品 |
会社 |
学習に使わない旨の記載 |
確かめたページ |
| Atlassian Rovo |
アトラシアン |
記載なし |
atlassian.com |
| Google Workspace の AI(Gemini) |
Google |
記載あり(会社のデータはGeminiモデルのトレーニングに使用されない) |
workspace.google.com |
| Microsoft Copilot(旧 Microsoft 365 Copilot) |
Microsoft |
記載あり(Microsoft Graph経由のプロンプト、応答、データは基礎LLMのトレーニングに使用されない) |
learn.microsoft.com |
| Notion AI |
Notion Labs, Inc. |
記載あり(AIサブプロセッサーに学習への利用を禁止している) |
notion.com |
| Slack の AI 機能 |
Slack Technologies, LLC |
記載あり(LLMのトレーニングに顧客データを使用しない) |
slack.com |
| ZoomMate |
Zoom Communications, Inc. |
記載なし |
zoom.com |
Microsoftの案内では、Microsoft 365 CopilotはMicrosoft Copilotに、Microsoft 365 Copilot ChatはMicrosoft Copilot Chatに名前が変わっています。一部の画面やライセンスには、移行期間中は古い名前が残る場合があるとされています。台帳や手順書の名前は、見直しのたびに公式サイトで確かめてください。
3 国産のモデルとサービス
日本語の業務に力を入れたモデルと、それを使うサービスです。自社の環境や専用の環境に置いて使える形が案内されている製品もあります。選ぶときは、どこにデータを置くか、国内で処理するか、提供の形(APIか、専用環境か、パートナー経由か)を見ます。
ELYZA Worksは、自社専用のAIアプリを現場で作る法人向けのツールとして案内されています。ほかの3つは、モデルの紹介が中心のページです。
後半 社内データとつなぐ仕組み・開発者向けAPI
後半は、自社のデータやシステムにAIをつなぐ2分野です。10製品あります。
生成AIの地図の後半。社内データとAPIの10製品と学習の記載の集計作成: 編集部 / もとの資料: 各社の公式サイト(記事の表)
4 社内データとつなぐ仕組み
社内の規程や手順書を検索し、その内容をもとにAIに答えさせる仕組み(RAG、社内検索)です。選ぶときは、元の文書の閲覧権限を守って検索するか、検索の記録が残るかを見ます。
| 製品 |
会社 |
学習に使わない旨の記載 |
確かめたページ |
| Amazon Q Business |
Amazon Web Services, Inc. |
記載なし |
aws.amazon.com |
| Azure AI Search(製品ページに「Foundry IQ です」と表記) |
Microsoft |
記載なし |
azure.microsoft.com |
| Dify |
LangGenius, Inc. |
記載なし |
dify.ai |
| Glean |
Glean Technologies, Inc. |
記載なし |
glean.com |
5 開発者向けのAPI
自社のアプリや業務の流れに、AIを組み込むための接続口です。選ぶときは、無料枠と有料枠でデータの扱いが違わないか、鍵(APIキー)をどう管理するか、利用の記録を取れるかを見ます。
学習の記載を読むときの注意
24製品のうち、確かめたページに学習に使わない旨が書かれていたのは12製品、書かれていなかったのは12製品でした。
ただし、数え方には次の注意があります。
- 記載なしは、そのページに書かれていなかったという意味です。別のページや契約書に書かれている場合があります。学習に使うという意味ではありません
- 記載ありでも、「デフォルトでは」と書かれているものがあります。設定で変えられるか、管理者が確かめます
- 同じ会社の製品でも、プランや無料枠で扱いが違う場合があります。会社で使うのは法人向けのプランかを確かめます
- 国産のモデルは、モデルの紹介のページが中心で、データの扱いは提供の形ごとの契約で決まることがあります
今日からできること
- 自社で使われている生成AIを、この記事の5分野に当てはめて書き出す。個人のアカウントで使っているものも、社員に聞いて入れる
- 会社として使ってよいサービスと、法人向けのプランかどうかを、分野ごとに決める
- 使っているサービスの公式ページで、入力したデータを学習に使わない旨の記載を探し、見つけたページのURLを台帳に残す
- 管理者の設定(SSO、機能の入り切り)と、ログを見られる範囲を確かめ、見られる人を決める
- 社員向けの利用ルールを、次のひな形で作る。何を入れてよく、何を入れてはいけないかを、サービスの分野ごとに書く
使ってよい情報と入れてはいけない情報を決める文書は、次のひな形がそのまま使えます。
ルールに何を書くかは、生成AIの社内ルールは何を書く?「禁止」の前に決める5項目とひな形にまとめています。製品の名前や提供する会社、記載の内容は変わることがあります。見直しのたびに、公式サイトで今の表記を確かめてください。