Microsoft 365 の法人向けプランは、2026年7月1日に定価が上がりました。乗り換えを含めてGoogle Workspace と比べ直す会社もあるはずです。この記事では、両社の公式の料金ページとヘルプをもとに、2026年10月3日時点の価格、含まれるアプリ、容量、管理、AI機能を比べます。
2026年7月のMicrosoft 365の値上げで何が変わったか
Microsoftは2025年12月4日に、法人向けMicrosoft 365の定価の改定を発表しました。適用は2026年7月1日からです。発表の表は米ドル建てで、Teamsを含むプランの1人あたり月額です。
Microsoftが発表した定価(米ドル・税抜・Teams付き・1人あたり月額)
プラン
値上げ前
2026年7月1日から
Business Basic
6ドル
7ドル
Business Standard
12.50ドル
14ドル
Business Premium
22ドル
22ドル(据え置き)
Office 365 E3
23ドル
26ドル
Microsoft 365 E3
36ドル
39ドル
Microsoft 365 E5
57ドル
60ドル
Microsoftは、価格は世界共通で、地域ごとに市場の調整をすると説明しています。日本の公式ページの円の価格は次のとおりです。
日本の公式ページの価格(円・税抜・Teams付き・1人あたり月額)
プラン
値上げ前(年払い)
2026年10月3日時点(年払い)
2026年10月3日時点(月払い)
Business Basic
899円
1,049円
1,259円
Business Standard
1,874円
2,098円
2,518円
Business Premium
3,298円
3,298円
3,958円
Microsoft 365 E3
5,397円
5,847円
記載なし
Microsoft 365 E5
8,545円
8,995円
記載なし
値上げ前の円の価格は、日本の公式ページの2026年3月から6月の記録(Internet Archive)で確かめました。月払いは、1か月ごとに契約する場合の価格です。日本の公式ページでは、月払いは年払いの2割増しになっています。
Microsoftの一般法人向けMicrosoft 365の料金ページのプランの比較(2026年10月時点) 出典: Microsoft「一般法人向け Microsoft 365 のプランと価格(Teams が含まれるプラン)」 (引用)
1人あたりの年間の増加は、年払い・税抜で次のとおりです。
Business Basic: 1,800円
Business Standard: 2,688円
Microsoft 365 E3: 5,400円
50人がBusiness Standardを使う会社なら、年に13万4,400円の増加になります。
値上げで増える額を計算する
人数と、プランごとの値上げ前と後の価格(ドル)、1ドルの円を入れると、年間で増える費用を円で出せます。初期値はMicrosoftが発表した4つのプラン(Business Basic・Business Standard・Business Premium・E3)の値上げ前と後の価格で、人数はBusiness Basicの50人だけを入れています。
このシミュレーターは、米ドルの定価を円に直して計算します。日本の公式の円の価格や、販売店の割引、消費税は含みません。実際の請求額を見積もるときは、上の円の表か、販売店の見積を使ってください。
Microsoftは値上げとあわせて、機能の追加を説明しています。E3には、メールの保護機能(Defender for Office 365 Plan 1)が加わります。Business BasicとStandardには、メール内のリンクを開くときの確認機能が加わります。
Google Workspaceの料金
Googleは2025年1月16日に、Business向けとEnterprise向けのプランにGemini を含めると発表しました。米国では、Business Standardが12ドルから14ドルになっています。2026年10月3日時点の日本の価格は次のとおりです。
Google Workspaceの日本の価格(2026年10月3日時点・税抜・1人あたり月額)
プラン
年間プラン
フレキシブルプラン
Business Starter
800円
950円
Business Standard
1,600円
1,900円
Business Plus
2,500円
3,000円
Enterprise
問い合わせ
問い合わせ
年間プランは1年間使う約束の契約で、請求は月ごとです。フレキシブルプランは、いつでも人数を増減でき、解約料もかかりません。
Googleは、オンラインで申し込んだ場合、料金に加えて消費税を請求すると書いています。料金ページには新規の顧客向けの期間限定の割引が出ることがありますが、表は通常の価格です。
Google Workspaceの公式の料金ページ(2026年10月時点・期間限定の割引の表示つき) 出典: Google「Google Workspace の料金プラン」 (引用)
料金を並べて比べる
同じくらいの位置づけのプランを並べると、次のようになります。どちらも、Businessのプランは300人までです。
価格帯ごとの比較(2026年10月3日時点・税抜・年払い・1人あたり月額)
価格帯
Microsoft 365
Google Workspace
入門
Business Basic 1,049円
Business Starter 800円
標準
Business Standard 2,098円
Business Standard 1,600円
上位
Business Premium 3,298円
Business Plus 2,500円
大企業向け
Microsoft 365 E3 5,847円
Enterprise 問い合わせ
価格だけを見るとGoogle Workspaceが安く見えます。ただし、含まれるアプリや容量、AI機能の範囲が違うため、次の表とあわせて比べます。
含まれるアプリと容量
Microsoft 365 Businessの3プラン
項目
Business Basic
Business Standard
Business Premium
Word・Excel ・PowerPoint
Web版とモバイル版のみ
デスクトップ版も使える
デスクトップ版も使える
使える台数
Webとモバイルのみ
PCかMac 5台、タブレット5台、スマホ 5台
同左
クラウドの保存容量
1人1TB
1人1TB
1人1TB
メールボックス
100GB(アーカイブ50GB)
100GB(アーカイブ50GB)
100GB(アーカイブ1.5TB)
端末の管理
なし
なし
Intune Plan 1
端末のウイルス対策
なし
なし
Defender for Business
Google Workspace Businessの3プラン
項目
Business Starter
Business Standard
Business Plus
ドキュメント・スプレッドシート・スライド
使える
使える
使える
保存容量(組織で共有)
1人あたり30GB
1人あたり2TB
1人あたり5TB
Meetの参加人数
100人
150人(録画あり)
500人
予約ページ・電子署名
なし
あり
あり
データの保持と検索(Vault)
なし
なし
あり
端末の管理
基本
基本
高度
Google Workspaceの保存容量は、組織の全員で分け合う「プール」です。Office形式のファイルの読み書きにも、全プランが対応しています。
AI機能の違い
AIの使い方も、両社で料金のかかり方が違います。
Microsoft 365: 対象プランの利用者は、Copilot Chatを追加料金なしで使えます。WordやExcel、Teamsの中で社内の資料をもとに作業させるには、Copilot Businessを足します。単体は3,148円(年払い)で、2026年12月31日までの割引では初年度2,698円です
Microsoft 365のセット: Business StandardとCopilot Businessのセットは3,523円、Business PremiumとのセットはCopilotを含めて4,797円です(年払い・税抜)
Google Workspace: Business StarterはGmailの中のGeminiと、Geminiアプリの基本的な機能です。Business Standard以上で、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Meet、ドライブの中でもGeminiを使えます
20人が「アプリの中でAIを使う」前提で比べます。年払い・税抜の1人あたり月額は、次のとおりです。
Microsoft 365 Business StandardとCopilot Businessのセット: 3,523円
Google Workspace Business Standard: 1,600円
差は1人あたり月1,923円で、20人なら年46万1,520円です。ただし、AIが使える社内のデータの範囲が違うため、価格だけでは決められません。
生成AIの法人プランを単体で比べたい場合は、生成AIの法人プラン比較 にまとめています。
管理とセキュリティの違い
項目
Microsoft 365
Google Workspace
アカウントの管理
Microsoft Entra ID。Premiumで高度な機能
Googleの管理コンソール
端末の管理
PremiumでIntune Plan 1
Starter・Standardは基本、Plusで高度
メールの脅威対策
全プランに迷惑メール対策。PremiumでDefender for Office 365 Plan 1
全プランにフィッシングと迷惑メールの対策
操作の記録
Purviewの監査(Standard)が全プランに含まれる
管理コンソールの監査ログ
情報漏えいの防止
PremiumでPurviewのデータ損失防止
Enterpriseでデータ損失防止
ひとり情シスの会社で効いてくるのは、端末の管理まで同じ契約でまとめられるかどうかです。Business Premiumは今回据え置きで、Standardとの差は1,424円から1,200円に縮まりました。PCの紛失対策や更新の管理を別のサービスで払っているなら、Premiumにまとめた場合の総額も試算する価値があります。
中小企業の選び方
どちらが正解かは、仕事で使うファイルと、社員の使い方で決まります。次の条件に多く当てはまる方から検討すると、比べる手間が減ります。
会社の状況
合いやすいもの
取引先とExcelやWordでやり取りし、マクロや細かい書式を使う
Microsoft 365 Business Standard以上
PCの管理とウイルス対策を1つの契約にまとめたい
Microsoft 365 Business Premium
ブラウザで同時に編集する使い方が中心
Google Workspace Business Standard
AIをアプリの中で使いたいが、追加の費用は抑えたい
Google Workspace Business Standard以上
メールと予定表、ちょっとした会議が中心
Business BasicかBusiness Starter
人数が300人を超える、または超えそう
Microsoft 365 E3などか、Google Workspace Enterprise
保存容量を重く見るなら、Business StarterとBusiness Basicの差に注意します。Starterは1人あたり30GBを組織で分け合う形で、Basicは1人1TBのクラウド保存容量があります。
乗り換えには、メールやファイルの移行の手間がかかります。Google WorkspaceのBusiness Standard以上では、データ移行のツール(Google Workspace Migrate)を使えます。
今日からできること
管理センターで、契約中のプランと人数、次の更新日を確かめる
販売店に、新しい価格がいつから適用されるかを書面で聞く
使われていないアカウントを外し、人数を正しくしてから試算する
上のシミュレーターで、値上げで増える年額を出す
Premiumへの切り替えや、Google Workspaceとの比較を、年額で並べる
契約の更新日を忘れないために、次の台帳が使えます。金額と更新日を書くと、解約の申し出期限までの日数が自動で出ます。
Microsoftの値上げと売上の関係は、Microsoft決算で読むCopilotとM365値上げ で詳しく扱っています。価格は改定されることがあるため、契約の前に両社の料金ページで最新の価格を確かめてください。