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「弊社、情シスが消えます」ひとり情シスがいなくなった会社で起きること

SNSで話題の「唯一の情シス担当を解雇」「ひとりで作ったシステムの刷新見積もりが予算5千万円に対し15億円」を入り口に、属人化した会社で起きること(ドメインや証明書の期限切れ、管理者パスワード不明)と、経営者が今やること、担当者を守る引き継ぎ資料をまとめました。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆
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「弊社、情シスが消えます」ひとり情シスがいなくなった会社で起きること

この記事のまとめ

  • ひとり情シスが急にいなくなると、ドメインや証明書の期限切れ、管理者権限の喪失、障害時の立ち往生が起きます。
  • 経営者は、管理者権限を2人以上に、契約と支払いを会社名義に、通知先を共有アドレスに、から始めます。
  • 担当者は、構成図・アカウントの在りか・契約・期限・手順をまとめた引き継ぎ資料で、自分も守れます。
こんな方に#30代#40代#50代#60代管理職・経営

「何かあったら○○さんに聞いて」で社内のITが回っている会社は少なくありません。その○○さんが、ある日いなくなったら何が起きるのか。

SNSで話題になった二つの話を入り口に、属人化した会社で起きることをまとめます。経営者と担当者が、それぞれ今のうちにできることも紹介します。

SNSで「ホラー」と言われた二つの話

2025年8月、「これはとても怖い話です… 弊社、情シスが消えます」という投稿がSNSで話題になりました。唯一の情シス担当者を役員が解雇することになり、後任はITの知識がない人になる、という内容です。反応には「ホラー」「ガチで怖い」という言葉が並びました。

もう一つは2019年5月の投稿です。長年1人で社内システムを作ってきた社員が辞め、刷新したいので予算5千万円で見積もってほしい、という依頼がありました。

調べた結果は15億円規模で、その社員を年収1億円で呼び戻すべきだと助言した、という話です。1人の社員が10年近く作り続けた結果、システムが想像以上に大きく複雑になっていたそうです。作った人がいなくなると、外の会社は中身を一から調べ直して見積もるしかありません。

どちらもSNSの投稿なので、細かい事情は分かりません。それでも多くの人が反応したのは、「うちも同じだ」と感じたからでしょう。

ひとり情シスがいなくなると何が起きるか

いなくなってすぐに困ることもあれば、数か月たってから爆発することもあります。よくあるものを、起きる順に並べました。

起きること なぜ起きるか 被害の例
ドメインの更新切れ 更新の通知が本人のメールにしか届かない。支払いが本人のカード ホームページとメールが止まる
サーバー証明書の期限切れ 更新の手順を本人しか知らない ブラウザーに警告が出て、サイトが見られない
管理者パスワードが分からない Microsoft 365、ルーター、NASなどの管理者が本人だけ 設定を変えられない、退職者のアカウントを止められない
契約と支払いが分からない クラウドや回線、保守の契約がばらばら 二重払い、知らないうちに解約されて止まる
障害時に誰も分からない 構成図や手順書がない 外部の業者も調査から始まり、時間と費用がかかる
自作システムが直せない 仕様もソースの場所も本人の頭の中 作り直しに大きな費用がかかる
退職者のアカウントが残る 誰が止めるか決まっていない 辞めた人が社内の情報を見られるまま
貸与品が回収できない PCやスマホの台帳がない 誰が何を持っているか分からない

ドメインが切れると、他人に使われることもある

ドメインの更新が切れて廃止されると、一定期間の後、第三者がそのドメインを登録できるようになります。

JPRSは、廃止したドメインが第三者に登録され、悪用されるおそれがあると注意を呼びかけています。同じメールアドレスを作られ、なりすましに使われることもあります。そのアドレスでSNSなどのパスワードを初期化され、乗っ取られる危険もあるとしています。

.jpのドメインなら、廃止から20日以内は登録回復の申請ができます。ただし扱いは事業者によって違い、手数料もかかります。気づくのが遅れると取り戻せないので、通知が誰に届くかがとても大事です。

証明書の更新は、年1回の作業ではなくなる

サイトの通信を暗号化するサーバー証明書は、最長の有効期間が段階的に短くなっています。業界団体のCA/Browser Forumの決定を受けた、JPRSの案内による予定は次の通りです。

証明書の発行日 最長の有効期間
2026年3月14日まで 398日
2026年3月15日以降 200日
2027年3月15日以降 100日
2029年3月15日以降 47日

これまで年に1回、担当者が手で更新していた会社は、更新の回数が増えます。自動で更新する仕組みにしておかないと、担当者がいないだけで期限が切れる場面が増えます。準備の進め方は証明書の47日化の記事にまとめています。

管理者が1人だけだと、会社ごと締め出される

マイクロソフトは、緊急時に使う管理者アカウントを2つ以上用意するよう勧めています。締め出しが起きる例として、グローバル管理者の権限を持つ最後の人が組織を離れるケースを挙げています。

緊急用アカウントは特定の個人に結びつけず、複数の管理者が使える安全な場所に資格情報を保管します。マイクロソフトは、金庫の組み合わせ番号を、使える人が辞めた後などに変えることも勧めています。

なぜ、ひとり情シスは属人化しやすいのか

担当者の怠慢で属人化するわけではありません。仕組みとして、そうなりやすいのです。

  • 兼務や少人数で、日々の対応に追われて資料を書く時間がない
  • トラブルが起きないことが成果なので、経営者から仕事が見えにくい
  • 自分でやるほうが早く、人に教える余裕がない
  • 資料を書いても評価されにくく、後回しになる

属人化を本人の責任にすると、本人は資料を書くより、自分しか分からない状態を守る方向に動きがちです。経営者が「資料づくりも仕事」と決めて時間を渡すことが、いちばんの近道です。

経営者・上司が今のうちにやること

辞める、病気で休む、事故に遭う。担当者がいなくなる理由はさまざまで、いつ来るかは選べません。次の6つは、担当者がいるうちにしか進められません。

やること 具体的には 目安
管理者権限を2人以上に 緊急用の管理者アカウントを作り、資格情報を金庫などに保管する 今月中
通知先を共有アドレスに ドメイン、証明書、クラウドの更新・請求の通知を、本人ではなく共有のアドレスで受ける 今月中
契約と支払いを会社名義に 本人名義の契約や個人カードでの支払いをなくす 3か月以内
台帳を作る ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク機器、契約の一覧を作る 3か月以内
外の相談先を持つ 保守契約を結ぶか、困ったときに頼める業者を決めておく 半年以内
副担当を決める 月に1回、定例の作業を担当者と一緒にやる人を決める 半年以内

副担当は、ITに詳しい人でなくて構いません。担当者が休んだ日に「どこを見ればいいか」が分かる人が1人いるだけで、会社が止まる時間は短くなります。

台帳は一から作らなくて構いません。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版には、資産管理台帳のサンプルが付いています。ハードウェア台帳、ソフトウェア台帳、ネットワーク機器台帳のシートがあり、そのまま使えます。

IPAの説明資料のスライド「STEP3 本格的に取り組む (4)資産管理」。付録6「資産管理台帳(サンプル)」の「情報資産管理台帳」シートを活用して自社の業務で使う情報資産を把握する、という説明の下に記入例の表。列は業務分類、情報資産名称、備考、利用者範囲、管理部署、媒体・保存先、評価値(機密性・完全性・可用性)、重要度、保存期限、登録日。社員名簿、健康診断の結果、給与システムデータ、当社宛請求書、電子メールデータ、顧客リスト、受注契約書、製品カタログの行が並ぶ
IPAの説明資料にある、資産管理台帳(サンプル)の「情報資産管理台帳」シートの記入例出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」説明資料(引用)

同じガイドラインには、中小企業がセキュリティ人材を確保・育成するための手引きも付録として入っています。

担当者が自分を守るための引き継ぎ資料

引き継ぎ資料は、会社のためだけのものではありません。資料があれば、安心して休めます。トラブルが起きたときに「何をどこまで任されていたか」も示せます。

まずは完璧を目指さず、次の7つを1枚ずつ作るところから始めます。

資料 書くこと
全体の地図(構成図) 回線、ルーター、Wi-Fi、サーバーやNAS、使っているクラウドのつながり
アカウントの在りか サービス名、管理画面のURL、管理者のID、パスワードの保管場所
契約の一覧 契約先、名義、支払い方法、更新日、通知先、解約の条件
期限のカレンダー ドメイン、証明書、ライセンス、保守、リースの期限
定例の作業 毎月・毎年の作業と手順(バックアップの確認、更新の適用など)
障害時の手順 よくある障害の直し方と、連絡する業者の連絡先
自作のシステム どこで動いているか、ソースの場所、使っている部署、止まったときの影響

自作のシステムは、全部を書こうとすると終わりません。「止まったら誰が困るか」「どこで動いているか」の2点だけでも書いておきます。後任や外部の業者には、それが大きな手がかりになります。

契約の一覧は、次のような表にしておくと更新漏れに気づけます。

サービス 契約先 名義 支払い 更新日 通知先
会社のドメイン ドメインの登録事業者 会社 会社のカード 毎年3月末 共有アドレス
サーバー証明書 証明書の発行会社 会社 請求書払い 有効期限の1か月前 共有アドレス
メールとOffice クラウドの販売会社 会社 請求書払い 毎年4月 共有アドレス

後任が決まらないまま辞めることになったら

退職の日が決まっているのに後任がいない、という場面もあります。残りが2週間しかなくても、順番を守れば最悪の事態は避けられます。

時期 やること
1日目 管理者権限をもう1人に追加し、通知先を共有アドレスに変える
2〜3日目 契約と支払いの一覧を作り、本人名義のものを会社名義に移す手続きを始める
1週目 期限のカレンダーと全体の地図を作る
2週目 保守を頼む業者に引き継ぎの場に入ってもらい、障害時の手順を一緒に確かめる

資料が足りない分は、業者に一度説明しておくだけでも違います。担当者が辞めた後に、業者が一から調べる費用と時間を減らせます。

今日からできること

経営者・上司向け

  • 社内のITを「1人しか分からない」状態になっていないか、担当者に聞く
  • 管理者権限を持つ人を2人以上にする
  • ドメイン、証明書、クラウドの通知先を共有アドレスに変える
  • 引き継ぎ資料づくりの時間を、業務として担当者に渡す

担当者向け

  • 期限のカレンダーを作り、ドメインと証明書の期限を書き込む
  • アカウントの在りかの一覧を作る(パスワードは書かない)
  • 契約の一覧を作り、本人名義や個人カードの支払いを洗い出す

後任として引き継ぐ側になった人は、ひとり情シスが最初の1か月でやることも参考にしてください。

「情シスが消える」は、怖い話で終わらせることもできますし、今日のうちに備えることもできます。最初の一歩は、通知先を共有アドレスに変える10分の作業です。

この記事で使える無料テンプレ

よくある質問

Qドメインの更新を忘れて切れてしまいました。もう取り戻せませんか?

AJPRSによると、.jpのドメイン名は、更新期限を過ぎて廃止になっても、廃止から20日以内なら登録回復の申請ができます。取り扱いや受付期間は事業者によって違い、手数料もかかるので、すぐに契約している事業者へ連絡してください。

Qひとり情シスの退職が決まりました。最初に何をすればいいですか?

A管理者権限をもう1人に持たせること、更新や請求の通知先を本人のアドレスから共有のアドレスへ変えること、契約と支払いの名義を確かめることの3つを先に済ませます。資料づくりはその後でも間に合います。

Q外部の会社に任せれば、属人化は防げますか?

A委託先の担当者が1人なら、属人化の場所が社外に移るだけです。台帳と管理者権限は自社でも持ち、委託先が替わっても困らないようにしておきます。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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