本文へ移動
情シスのミカタ
情シスあるある約7分で読めます

「USBメモリを挿すと情シスが飛んでくる」は本当? 検知の仕組みと理由

「USBメモリを挿すと情シスに分かる」は、仕組みを入れている会社なら本当です。Windowsの記録や管理ツールで、いつ・どのPCで・どの機器がつながれたかが残ります。会社がUSBメモリを止める3つの理由、グループポリシーやIntuneでの制御の仕組み、どうしても使いたいときの頼み方と代わりの方法をまとめました。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆
文字
「USBメモリを挿すと情シスが飛んでくる」は本当? 検知の仕組みと理由

この記事のまとめ

  • USBを管理している会社では、挿した時刻・PC・利用者・機器の名前などが記録され、設定によっては通知されます。
  • 止める理由は、情報の持ち出し、マルウェアの持ち込み、紛失の3つで、紛失は個人情報の報告義務につながることもあります。
  • どうしても使うときは、目的・データ・期間を書いて申請し、会社支給の暗号化したUSBメモリを使います。
こんな方に#20代#30代#40代#50代#60代はじめて

「USBメモリを挿すと情シスが飛んでくる」。2024年10月、こんな冗談がSNSで話題になりました。笑い話ですが、会社によっては実際に、挿した時点で情シスに分かる仕組みになっています。

なぜ分かるのか、なぜそこまで止めるのか、どうしても使いたいときはどうするのかをまとめます。

SNSで話題の「情シス召喚アイテム」

話題になったのは、Web会議の調子が悪いときの役員と社員のやり取りです。役員がUSBメモリを取り出し、「これを挿すと情シスが飛んでくる」と言います。反応には「情シス召喚アイテム」といった言葉が並びました。

情シスの担当者らしい人からは、飛んでくる代わりに文句や辞表もついてくる、という本音も寄せられました。そもそも認識しないように設定しておくべきだ、という声もありました。

本当に分かるのか。挿すと何が記録されるか

仕組みがあれば分かります。Windowsには、新しい外部の機器が認識されたときに記録を残す機能があります。

マイクロソフトの資料によると、監査を有効にすると、外部の機器が認識されるたびに記録が残ります(イベントID 6416)。記録には、機器の名前や機器を識別するIDが含まれます。

会社のPCに入っている資産管理ツールやセキュリティ製品も、同じような記録を集めて管理画面に送ります。マイクロソフトのDefender for Endpointでは、デバイス制御のレポートで記録を確かめられます。機器の名前やメーカー、製造番号、操作した利用者などです。

Microsoft 365 securityのReportsの「Device Protection」の画面。期間180日、Media class name USBで絞り込み、USBドライブのマウントとPnPのイベント数の推移を折れ線グラフで表示。下の表に日時、ポリシー(PnP audit)、種類(USB)、PCの名前、USB\VID_…&PID_…で始まる機器のIDが1行ずつ並ぶ
Microsoft Learnに載っている、Defenderのデバイス制御のレポートの画面(英語版)出典: Microsoft Learn「デバイス制御イベントとレポートを表示する」(引用)
記録されうること 例
いつ 10月3日 10時12分
どのPCで、誰が 営業部のPC、ログインしていた利用者
どの機器を USBメモリの製品名、メーカー、製造番号
どうなったか 許可された、ブロックされた
設定によっては コピーされたファイルの名前や場所

挿した瞬間に通知が飛ぶか、後で記録を見るだけかは、会社の設定と運用によります。「飛んでくる」会社は、ルール違反の接続を通知する設定にしている会社です。

なぜUSBメモリを止めるのか。3つの理由

USBメモリは便利ですが、会社から見ると、小さくて目が届かない出入口です。止める理由は大きく3つあります。

白い台の上に置いた銀色のUSBメモリ(SanDiskの刻印、端子はUSB Type-C)と、その下に並べた50ユーロセント硬貨。USBメモリの長さは硬貨の直径の2倍ほどしかない
50ユーロセント硬貨と並べた容量1TBのUSBメモリ出典: Wikimedia Commons(EU+Mexico)(CC0 1.0・作者 EU+Mexico)
理由 起きること 根拠
情報の持ち出し 顧客名簿や設計図を持ち出される IPAの10大脅威2026で「内部不正による情報漏えい等」が組織向け7位
マルウェアの持ち込み 拾ったUSBメモリや私物から感染する 大学の実験で、置いたUSBメモリの45〜98%が挿されたと推定
紛失 電車や飲食店で落とし、中身ごとなくなる 個人情報が入っていると、国への報告が要る場合がある

拾ったUSBメモリは、つい挿してしまう

2016年に発表された研究では、大きな大学のキャンパスに297本のUSBメモリを置く実験をしました。挿された割合は45〜98%と推定され、最初の1本は6分もたたずにつながれました。

挿した人の多くは、持ち主を探そうという親切心からでした。見た目を工夫しても結果は変わらなかったといいます。わざとUSBメモリを置いていく攻撃の手口は、こうした親切心につけ込むものです。

なくしたら、会社として報告が要ることも

個人情報保護委員会は、報告が必要な例として、病院の患者の診療情報を記録したUSBメモリーの紛失を挙げています。病歴などの要配慮個人情報が含まれると、人数が少なくても報告の対象です。USBメモリ1本の紛失が、会社の報告や本人へのお知らせにつながることがあります。

一方で委員会のガイドラインは、高度な暗号化などで中身が守られている場合は報告を要しないとしています。会社が暗号化したUSBメモリを支給するのは、なくしたときの被害と手間を小さくするためでもあります。

IPAは「組織における内部不正防止ガイドライン」で、企業が取るべき内部不正への対策をまとめています。USBメモリの扱いを決めるときの参考になります。

どうやって止めているのか。Windowsの設定とIntune

止め方には、いくつかの段階があります。会社の規模や使っている管理ツールによって組み合わせます。

方法 できること 主な管理のしかた
グループポリシー 「すべてのリムーバブル記憶域クラス:すべてのアクセスを拒否」で、USBメモリなどの読み書きをまとめて禁止 Active Directory
デバイスのインストール制限 USBメモリやカメラをブロックし、キーボードやマウスは許可する グループポリシー、Intune
Defender for Endpoint のデバイス制御 機器、種類、読み取り・書き込み・実行、利用者のグループで細かく決める。BitLockerで暗号化した機器だけ許可することもできる Intune、Defenderポータル
エンドポイントDLP 機密情報を含むファイルの持ち出しを監視し、止める Microsoft Purview

グループポリシーの場合、設定は「コンピューターの構成」の管理用テンプレートにあります。「システム」の下の「リムーバブル記憶域アクセス」に並んでいます。マイクロソフトによると、この「すべてのアクセスを拒否」は、個別のクラスの設定より優先されます。

USBの全部を止めているわけではない

「キーボードやマウスはUSBなのに使える」と不思議に思う人もいるでしょう。マイクロソフトのIntuneの手順でも、USBメモリやカメラはブロックし、キーボードやマウスは許可する例を挙げています。

一方で、マイクロソフトは、許可したつもりの機器がブロックされることがあるとも説明しています。1つの機器が複数の種類として認識され、その一部を許可し忘れることがあるためです。Web会議のヘッドセットが急に使えなくなったら、自分で抜き挿しを繰り返さず、情シスに伝えてください。

反対に、USBメモリ以外にも止められる機器があります。マイクロソフトのデバイス制御は、プリンターやBluetoothの機器も対象にしています。Intuneの手順には、許可の一覧にないiPadがブロックされる例も載っています。

どうしても使いたいときの正しい頼み方

取引先からUSBメモリでデータを渡される、展示会の機材にUSBメモリが要る、といった場面はあります。そのときは、こっそり挿さずに申請します。情シスが知りたいのは、次の5つです。

申請に書くこと 例
目的 取引先A社から図面データを受け取るため
データの中身 図面ファイル10件、個人情報は含まない
使う媒体 会社支給の暗号化USBメモリ(資産番号)
期間 10月6日から10月10日まで
使い終わったら データを社内の共有フォルダに移し、USBメモリは消去して返却

許可が出たら、使い終わった後の報告までが一連の流れです。データを移したことと、USBメモリを消去して返したことを一言伝えると、次の申請も通りやすくなります。

取引先から渡されたUSBメモリは、自分のPCに挿さずに情シスに渡すのが安全です。社内のネットワークにつながない確認用のPCを用意している会社もあります。

USBメモリの代わりになる方法

USBメモリを使いたい場面の多くは、ほかの方法で置き換えられます。クラウドの共有リンクには、期限を過ぎたら見られなくする設定ができるものもあり、渡した後の管理がしやすくなります。

場面 代わりの方法 気をつけること
社内の人とファイルを共有する 共有フォルダ、Teams、SharePoint、OneDrive、Googleドライブ 見られる人の範囲を確かめる
取引先にファイルを渡す 会社が契約したクラウドの共有リンクやファイル転送サービス 期限とパスワードを付け、送り先を確かめる
会議室で資料を映す 画面共有、HDMIケーブル 不要なウィンドウを閉じてから映す
大きなデータを運ぶ 会社が管理する暗号化した外付けディスク 台帳で貸し出しと返却を記録する
スマホを充電する コンセント用の充電器 PCのUSBにつなぐと機器として検知されることがある

情シス向け 止めるだけでなく、代わりと例外の道を用意する

いきなり全部を止めると、仕事が回らなくなる部署が出ます。ルールを決める前に、まず記録だけを取ってみます。どの部署がどんな目的で使っているかをつかんでから決めると、反発が少なくなります。

進め方 すること
1. 現状を知る 接続の記録を見て、使っている部署と目的を聞く
2. 代わりを用意する 共有フォルダやクラウドの共有リンクの使い方を案内する
3. 例外の道を作る 申請のひな形と、会社支給の暗号化USBメモリを用意する
4. 周知してから止める 止める日を前もって知らせ、問い合わせ先を書いておく

今日からできること

社員の方へ

  • USBメモリを使う前に、会社のルールを確かめる
  • 拾ったUSBメモリやもらったUSBメモリは、挿さずに情シスへ渡す
  • 使う必要があるときは、目的・データ・期間を書いて申請する

情シスの方へ

  • USBメモリの扱いを、社員に分かる言葉でルールにする
  • 申請のひな形と、代わりの方法の一覧を社内に置く
  • 許可する機器の一覧を作り、ヘッドセットなどがブロックされていないか確かめる

「飛んでくる」情シスは、怒りに来ているわけではありません。何が起きたかを確かめ、困っていることを一緒に解決するためです。挿す前にひと声かけてもらえるのが、情シスにとってもいちばんありがたい形です。

よくある質問

Q挿しただけで、中身は開いていません。それでも分かりますか?

A記録の仕組みを入れている会社なら分かります。Windowsや管理ツールは、機器がつながれた時点で記録を残せます。中身を見たかどうかではなく、ルールに沿った使い方かを確かめるために連絡が来ると考えてください。

QスマホをPCのUSBで充電してもいいですか?

A会社のルールしだいです。USBの制限を設定している会社では、スマホやタブレットも機器としてブロックされたり、記録されたりすることがあります。充電はコンセント用の充電器を使うのが無難です。

Q落ちていたUSBメモリの持ち主を探したいときは?

A自分のPCに挿さず、情シスか総務に届けてください。大学のキャンパスで行われた実験では、置かれたUSBメモリの多くが拾われて挿され、その動機は持ち主を探す親切心でした。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、同僚にも共有してください