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情シスの相棒
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「さっきまで本当におかしかったんですよ」情シスが行くと直る不具合の閉じ方

席に着くと普通に動く「行くと直る」の正体は、待ち時間と覚えていない操作、見られて丁寧になる手つきでした。再起動の前に残す1枚の画面と、再現しなかった問い合わせを3回で調べ直す目安が分かります。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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「さっきまで本当におかしかったんですよ」情シスが行くと直る不具合の閉じ方

この記事のまとめ

  • 「行くと直る」の正体として、社内SE歴23年の担当者は待ち時間、覚えていない操作、見られて丁寧になる手つきを挙げます。
  • 「再起動して」と「触らずに呼んで」はぶつかるので、1回目は撮ってから再起動、2回目は急がなければ触らずに呼ぶ、と分けて頼みます。
  • 再現しなかった問い合わせは「解決」で閉じず、時刻、人、場所、システムのどれかが3回そろったら調べ方を変えます。
こんな方に#20代#30代#40代#50代実務

「あれ? さっきまで本当におかしかったんですよ!」

内線で呼ばれて席まで行くと、画面は普通に動いています。社内SE歴23年の山口さんが、noteの最初の記事に選んだ場面です。「何かしました?」と聞けば「いえ、何もしてないです」。このやりとりを重ねるうちに、社内では魔法使い扱いになったそうです。

「山口さんは来るだけで不具合が治る」

出典: ひとり情シスはひとりじゃない「「見に行ったら治っていた」情シスは魔法使いなのか?」(2026年11月1日)

もちろん特殊能力はありません。本人いわく「あったら独立してます」。

ただ、笑って席に戻れるのはその日だけ。同じnoteは「再現しない不具合は、また起きます。しかも次は、もっと大事なタイミングで。」と続けます。行くと直る不具合で本当に困るのは、席で見られる手がかりが残らないことでしょう。

魔法の正体は、待ち時間と手つきと端末の外

山口さんが挙げる理由は3つです。裏で動く更新やスキャンが終わるまでの時間。本人が操作のうちに数えていない「×ボタンで閉じた」「一回再起動した」。そして、人に見せようとして丁寧になる手つき。説明すると自分で気づく話に重ねて、情シスを「会社のぬいぐるみ」と呼んでいるのには、思わず笑ってしまいます。

もう1つ足すなら、本人の端末の外で起きる変化です。外資の拠点で情シスをするセンナさんのnoteでは、社外へリンクを送るボタンが、ある朝グレーになりました。本社の設定が夜のうちに変わっていて、通知はありません。本社への問い合わせに返事が来ないまま、翌朝には元に戻っていました。それでも昼前には、利用者からお礼のメールが届いたそうです。

何もしていない人に、お礼が届く。

出典: センナ@外資でのんびり情シス「昨日までは、できてたんです」(2026年11月1日)

この4つは、席での聞き方を変えると見分けやすくなります。言い方の欄は、編集部が挙げた例です。

直った理由 言い方の例 席で聞き直すこと
時間がたった 「さっきまで重かったんです」 何時ごろでしたか。周りの人も重そうでしたか
覚えていない操作 「何もしていないです」 直前に閉じた画面はありますか。席やケーブルは動かしましたか
見られて丁寧になった 「やってみたら動きました」 いつもの速さと順番で、もう一度お願いできますか
端末の外が変わった 「昨日まではできてたんです」 同じ部署の人はどうですか(情シスは管理画面の変更履歴と状況ページも見る)

問いは、相手が答えられる形にしておきます。長く社内ITを担当するだいすけさんは、車の修理にたとえていました。整備士に「具体的にどの部品が故障していますか?」と聞かれても、「いや、それを知りたいんですけど……」となる、と。聞き方の例は、「何もしてないのに壊れた」の記事にもあります。

「何も変わっていません」も、疑うより言葉をほどくほうが早いようです。情シスの一日を小説仕立てで描くKさんの連載では、経費精算に入れない総務の社員がそう答えたあと、やりとりの途中で「昨日、席替えをしました」と言い出します。

「何もしていない」という言葉は、情シスにとって「何が起きたのか、これから一緒に探してください」という依頼である。

出典: K「社長は知らない情シスの世界 第2話 何もしていないのに壊れました」(2026年9月9日)

「再起動して」と「触らずに呼んで」は、同時には頼めない

山口さんは翌日のnoteで、いちばん多く言ってきた言葉は「とりあえず、再起動してみてください」だと書き、体感で5割は治るとしています。一方、1本目のnoteでは、治っていたときこそ、時刻のメモと画面の写真、そして「可能なら、触らずにそのまま呼んでもらう」をお願いしています。

どちらも窓口の実感として正しいのに、利用者から見ると逆の指示です。

目的が違うからでしょう。再起動は仕事を戻す手で、触らないのは原因を残す手。受注の処理が止まっている人に「触らずに待ってください」とは言いにくく、かといって毎回再起動では席で見られる手がかりが減っていきます。そこで、症状の回数で頼み方を分けてはどうでしょうか。

場面 利用者に頼むこと ねらい
初めて起きた。自分だけ 画面を撮り、保存できるものを保存してから再起動 仕事を止めずに、画面だけ残す
同じ症状の2回目 急がないなら触らずに呼ぶ。急ぐなら撮って時刻をメモし、再起動 次は席で原因を見る
周りの人も同時に困っている 再起動せず、すぐ情シスへ 端末より、回線やサービスを先に疑う

脅迫文や身に覚えのない警告が出たら、回数に関係なく再起動しません。LANケーブルを抜くかWi-Fiを切り、電源は入れたまま情シスへ。警察庁も、調査に必要なログが消えることがあるとして、電源を落とさないよう求めています。そのときの動き方はランサムウェアの最初の1時間の記事で確認できます。「電源を切らないでください」と出ている更新中の画面も、再起動せずに待ってもらいます。

再起動しても、手がかりが全部消えるわけではありません。イベントビューアーや信頼性モニター(perfmon /relで開く)を見れば、アプリの停止や予期しないシャットダウンは、その時刻の記録を後からたどれます。ただ、メモリや動いていたプロセスの様子は消えますし、「重かった」だけでは記録に残らないこともあります。だから利用者には、時刻と画面の2つを頼みます。

毎回同じ操作で起きるなら、動画も使えます。Windows 11のSnipping ToolならWindowsキー+Shift+Rで画面を録画できます。Windows 10の説明には録画の項目がありません。手順の記録に使われてきたSteps Recorderは、Microsoftが更新をやめ、将来の版で外すとしていて、画面の録画にはSnipping Toolなどを勧めています。スクショとスマートフォンの写真の使い分けは、スクリーンショットの記事でご覧いただけます。

待つほうが早い症状もあります。製造業の情シス、再起動史郎さんが受けたのは、パスワードを変えたあとにロックされた人の相談でした。15分待ってくださいと伝えたのに、相手は試し続け、終わるまでに約45分。何分おきに試したのかを聞くと「5分くらい? 早く直ると思って」。そう言いたくなる気持ちは、よく分かります。

「解決」で閉じると、次の手がかりが消える

行くと直った問い合わせを「解決」で閉じると、次に同じことが起きても別の1件になります。これがいちばんもったいないところです。

問い合わせの区分に「再現せず」を1つ足し、起きた時刻、人と場所、使っていたシステム、席に着いたときの状態の4つだけ残してはどうでしょう。Excelの1枚で足ります。同じものが3回そろったら、調べ方を変えます。3回に根拠はないので、窓口の件数に合わせて変えてかまいません。

3回そろったもの 疑う先
同じ時刻(毎朝9時台など) 起動直後の更新やスキャン、バックアップ、始業時のログインの集中
同じ人、同じ端末 端末の故障、ドック、常駐ソフト。代わりの機器に替えて様子を見る
同じ場所 無線のアクセスポイント、ハブ、席のLANケーブル
同じシステム サービス側の変更。提供元の状況ページと管理画面の変更履歴

閉じるときの返事にも、そのまま残す内容を入れておきます。「原因はまだ分かっていません」と正直に書いて大丈夫です。センナさんが書くとおり、人は「何が起きたか」「いま誰が何をしているか」「次にいつ連絡するか」が分かれば、けっこう待ってくれます。文面の30分は例なので、窓口の実情に合わせてください。

先ほどの画面の件、こちらで見たときは正常に動いていました。
原因はまだ分かっていないので、記録に残しました。

次に同じことが起きたら、再起動の前に2つだけお願いします。
1. 画面を撮る(動くならスクショ、固まっていたらスマートフォンで)
2. 画像と、起きた時刻、直前にしていた作業をこのチャットで送る

急ぎの作業中なら、保存できるものを保存してから再起動してかまいません。
急ぎでなければ、そのままにして呼んでください。30分以内に返事します。
見覚えのない警告や脅迫の文面が出たときは、再起動せず、すぐ連絡してください。

少人数で全員の顔が見える会社なら、表は無くても回るでしょう。逆に在宅の社員が多い会社では、画面共有をつないだとたんに直る、という形で同じことが起きるはずです。席まで行けないぶん、こちらのほうが文面の効き目は大きいと思います。

「再現せず」を窓口に足す進め方

  1. 文面の置き場所を決めます。チャットの固定メッセージか、問い合わせの受付の自動返信に入れると、探さずにすみます。
  2. 見る日を決めます。月末の最終営業日に15分だけ、時刻、人、場所、システムで並べ替えます。
  3. 3回そろったときに調べる担当と期限を決めます。ひとり情シスなら、翌週の保守の時間に入れます。
  4. 月の報告に「再現せず」の件数を入れます。行くと直った対応は解決の数に見えにくいので、窓口の負担を説明する材料にもなります。

山口さんのところでは最近、席まで行くと、口を開く前に「あ、再起動は試してみました」と言われることが増えたそうです。嬉しいような、少しさみしいような、とのこと。これが「あ、画面は撮ってあります」に変われば、魔法使いの引退も近いかもしれません。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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