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「前のパソコンと同じように」PC入れ替えで戻る設定、戻らない設定

PCの入れ替えで頼まれる「前と同じに」は、全部は叶えられません。Windowsの設定の復元でタスクバーの左寄せは戻りますが、ピン留めは対象外で、ユーザー辞書も当てにできません。サインインで戻るもの・情シスが運ぶもの・入れ直すものの分け方、2週間前の案内文、旧PCを残す期間の目安が分かります。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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「前のパソコンと同じように」PC入れ替えで戻る設定、戻らない設定

この記事のまとめ

  • 「前と同じ」は、サインインで戻るもの、情シスが運ぶもの、入れ直すものの3つに分かれます。
  • Windowsの設定の復元で、タスクバーの左寄せは戻りますが、ピン留めは戻らず、ユーザー辞書も当てにできません。
  • 月に1回しか使わないものは翌週には見つからないので、旧PCは締めを1回またぐまで残します。
こんな方に#20代#30代#40代#50代実務

「前のパソコンと同じようにしておいて」

PCの入れ替えが決まると、どこかで必ず聞く一言です。入れ替えの作業を何台も請け負ってきた元SEのブログによると、客によく言われる言葉の「トップ3に入ると思われる」そうです。

全部は戻せません。Windowsの設定を新しいPCへ戻す仕組みでも、タスクバーの左寄せは戻るのに、ピン留めは戻らないのです。その線を入れ替えの前に渡しておくと、翌週の「前と違う」はかなり減らせるはずです。

「同じ」の範囲は、頼んだ本人にも見えていない

頼む側に悪気はありません。明日の朝も同じ手順で仕事を始めたい、というくらいの気持ちでしょう。でも、受ける側は困ります。言葉どおりに受け取ると、全部を運ぶ話になってしまうからです。

この言葉のせいで可能な限りの全てのデータを移行しないといけないと思ってしまいますが、お客様も暇ではないので早く終わらせてほしいとも思っています。

出典: パソコン・ネットワーク設定屋の迷走記「パソコンの入れ替え作業ってメンドクサイ」(2019年5月12日)

このブログの解決は単純で、聞いてしまいます。過去のメールが要るかと尋ねると、ほとんどの人は直近2年くらいあればよいと答えるそうです。「前と同じ」は、何が要るかを聞かれたことのない人の言葉なのかもしれません。

2019年はメール、2025年は「移行のあと」

2本のブログを並べると、悩みの場所が動いたように見えます。Windows 7からWindows 10へ移っていた2019年、この元SEのいちばんの苦労はメールの移行でした。容量が多く古いPCが遅かったときは、3時間以上かかったこともあるといいます。

2025年に社内のPCをWindows 11へ入れ替えた社内SEの記録は、冒頭からして違います。「移行自体は無事に完了したものの、その後が大変でした」。届いたのは「起動するたびに勝手にTeamsが開く」「いつものプリンターに印刷されない」という問い合わせで、タスクバーの新しいボタンも騒ぎの種になりました。

「AIとかいう画面が勝手に開いた」(Copilot)

出典: たまの社内SE「Windows 11移行で社員が困った3つの問題と解決方法【社内SE実践記】」(2025年11月3日)

誤クリックで開いた画面に「変な画面が出た!壊れた?」と慌てる人もいたそうです。読むぶんには笑えますが、毎朝のことなので本人にはこたえます。

編集部は、ここに今の「前と同じ」の中身があるとみています。メールと文書がクラウドへ移ったぶん、データは運びやすくなりました。残ったのは、起動したときの動き、ボタンの位置、印刷の行き先といった毎日の手順です。データは全部あるのに「前と違う」と言われるのは、そのためでしょう。

ただ、データの話が消えたわけではありません。50台近くを1人で入れ替えた、らむねさんのnoteにはこうあります。

「勝手に消えた」と言われがちだが、実際は“保存し忘れ”が多い。

出典: らむね「PCを入れ替えたら現場がパニック!?IT担当ではない担当者が語る“あるあるトラブル”と対処法」(2025年5月17日)

PCの中に保存する習慣が残る職場では、2019年の悩みも現役です。

戻るもの、運ぶもの、入れ直すもの

「前と同じ」は、3つに分けると話が進みます。サインインすれば戻るもの、情シスが設定しておけば運べるもの、入れ直すものです。

もの 分け方 確認すること
Microsoft 365のメール、予定表、Teams サインインで戻る POPやIMAPで受けている人は別に移す
Edgeのお気に入りとパスワード サインインで戻る 同期がオンのとき。同期は本人の同意でオンになり、ForceSyncのポリシーで強制もできる
Outlookの署名 サインインで戻る Microsoft 365のメールボックスが条件。切り替えのときに既定でなかった署名は端末に残る
付箋アプリ サインインで戻る サインインしていないと別のPCでは見られない。中身を本人に確認してもらう
デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ 情シスが運ぶ OneDriveのバックアップを設定しておく。対象の外に置いたファイルは届かない
タスクバーの左寄せ、ウィジェット、マウスの速度 情シスが運ぶ Windowsの設定の復元を管理者が有効にしておく
壁紙 情シスが運ぶ 同じ復元で戻るが、Windows標準の壁紙は戻らない。自分で選んだ画像はOneDriveのピクチャの同期が要る
タスクバーのピン留め 入れ直す 復元の対象外。全員に共通のアプリは、XMLのポリシーで配れる
Wi-Fiとパスワード 入れ直す 復元の対象外。本人が足したWi-Fiは本人が入れ直す
IMEのユーザー辞書 入れ直す 別の一覧には日本語IMEの履歴ファイルが載るが、単語登録まで移るかは書かれていない。「一覧の出力」で書き出し、新しいPCの「テキスト ファイルからの登録」で読み込む
ソフト 入れ直す ライセンスの移し替えを製品ごとに確認する。Microsoft Storeのアプリは文書の書き方が割れるので、情シスの1台で試す

Microsoftの対象一覧は、設定の画面の項目ごとに対象と対象外が分かれます。読んで意外なのは、その細かさでした。タスクバーの配置は対象で、ピン留めは対象外。デスクトップのアイコンは大きさと並べ替えが対象で、置き場所の項目はありません。「言語の設定と辞書」の項目も対象外で、IMEのユーザー辞書が戻るとは書かれていません。単語登録に頼っている人ほど、新しいPCの朝に変換で困るでしょう。

だから、「全部戻ります」とは言い切らないほうが安全です。

この機能の名前はWindows settings backup and restoreで、以前はWindows Backup for Organizationsと呼ばれていました。使う前に確認したい条件は4つです。

  • PCはMicrosoft Entra参加かハイブリッド参加が条件です。Active Directoryだけに参加したPCは入りません。
  • 復元は既定でオフで、管理者がIntuneなどで有効にします。
  • 復元の画面が出るのは、セットアップ中か登録後の最初のサインインだけです。あとから出し直す手段は文書にありません。セットアップ中の復元はEntra参加のPCだけで、ハイブリッド参加のPCは最初のサインインのときの復元を使います(24H2は26100.7922以降、25H2は26200.7922以降)。FAQはセットアップ中だけと書いたままなので、ハイブリッド参加の会社は情シスの1台で先に試してください。
  • バックアップは8日おきです。入れ替えの直前に、本人に「Windowsバックアップ」のアプリから手動で取ってもらうと確実です。

バックアップの既定は、旧PCの版で決まります。Windows 11の26H2以降は、ポリシーが未設定の端末で既定でオンになりましたが、25H2以前はオフのままです。旧PCが25H2以前なら、管理者がポリシーを有効にしておかないと、戻す元のデータがありません。

26H2でも、EUのデジタル市場法の対象地域や、政府向けなどの制限されたクラウドの端末は対象外です。Microsoftの文書は日本を名指ししておらず、同じ概要の下の節には「既定でオフ」の記述も残っています。ポリシーを明示して有効にしておくと迷いません。復元の設定は、どの版でも管理者の仕事です。保存は進んでいるのに、新しいPCで戻す画面が出ない。そんな入れ替えにならないよう、Intuneの設定は先に見ておきましょう。

2週間前に確認することと、送る文面

次の入れ替えが決まったら、次の順で進めます。

  1. 自社のPCで、OneDriveのバックアップ、Edgeの同期、Windowsの設定の復元のどれが使えるかを確認します。
  2. 情シスの1台を実際に入れ替えて、戻らなかったものを書き出します。上の表は出発点で、自社の答えはこの1台で決まります。
  3. 部署ごとの専用のソフトと、月に1回しか使わないものを聞きます。
  4. 1の結果に合わせて直し、下の文面を送ります。Windowsの設定の復元を使う会社は、手動のバックアップのお願いも足します。
  5. 5〜10台ずつ進めます。らむねさんのやり方で、問い合わせが一度に重なるのを避けられるはずです。
件名:【○月○日まで】PC入れ替えの前に、3つだけお願いします

○月○日の週に、お使いのPCを新しいものに入れ替えます。
メール、Teams、OneDriveの中身はそのまま使えます。
入れ替えの前に、次の3つをお願いします。

1. OneDriveのバックアップの対象外に置いたファイルを、OneDriveへ移してください。
   ダウンロードのフォルダーとCドライブの直下にあるものは、新しいPCに届きません。
2. 今の画面を1枚撮ってください。スマートフォンの写真でかまいません。
   タスクバーのアイコンの並びが写っていれば十分です。
3. 月に1回しか使わないソフト、単語登録、紙の手順書に書いてある設定があれば、
   このメールへの返信で教えてください。

前のPCは○月○日まで保管します。足りないものが見つかっても、その間は取り出せます。

2番の写真は、ふだんならスクリーンショットで送ってほしいところです。今回だけは、新しいPCの横に置いて見比べるので、スマートフォンの写真のほうが便利です。

届いた日に終わらせておく3つの設定

戻す話とは別に、Windowsの既定のままだと「前と違う」と言われる設定があります。先ほどの社内SEが問い合わせを受けて直した3つは、キッティングの手順に入れておくと、翌週の電話が減るでしょう。

  • 起動時に開くアプリは、業務で使わないものを切ります。セキュリティソフトとVPNは残します。この社内SEはOneDriveの自動起動も切っていましたが、OneDriveのバックアップに頼る会社では残してください。
  • タスクバーのウィジェット、検索ボックス、Copilotのボタンは、要らなければ隠します。「知らない画面が出た」の入口がなくなります。
  • Windowsに既定のプリンターを任せる設定は、オフにして既定を固定します。Windowsの設定の復元を使う会社は、復元のあとで切ります。同じnoteには「間違えて機密書類を共用プリンターに出力してしまった」という声もありました。

旧PCは、月の締めを1回またぐまで残す

月に1回しか開かないものは、翌週には見つかりません。経理の締めの日にしか動かさないマクロ、四半期の報告でだけ使う集計表。入れ替えから1週間で旧PCを初期化すると、こうしたものが消えたあとで気づくことになります。

目安は、部署ごとの締めを1回またぐまでと編集部は考えます。多くの部署は1か月、四半期の仕事を抱える部署はもう少し長めです。

残す間は、置き場所と返却の期限を台帳に書いておきます。期限のない「とりあえず保管」は、次の棚卸しで行方不明の1台になりかねません。

「前に戻して」と言われたら

入れ替えのあとも、言われるときは言われます。そこで「できません」から始めると、話がこじれます。返し方は、相手の言うものが表のどこにあるかで変わります。

  • 戻るものなら、その場で戻します。「お気に入りは同期をオンにすれば戻ります。いま一緒にやりましょう」
  • 戻らないものなら、代わりの手を言います。「ピン留めは引き継げない仕組みなので、前の画面の写真を見ながら並べ直しましょう。5分で終わります」
  • 「前の方が使いやすかった」なら、止まった操作を聞きます。「どの作業で手が止まりましたか」

3つ目がいちばん効くはずです。この声はらむねさんのnoteにも出てきますが、設定の話に見えて、たいていは特定の操作の話だからです。

次に「前のパソコンと同じように」と言われたら、こう聞き返してみてください。「毎朝、最初に何をしますか」。その答えが、戻す一覧の1行目になります。

本文の体験談は公開されている3件から取り、Microsoftの文書は2026年11月2日に確認しました。対象の一覧は更新で変わるので、入れ替えの前に見直してください。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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