社員から「自分の情報が漏れたと連絡が来た。どうすればいい?」と聞かれたら、IPAが10月26日に出した手引きをそのまま渡せます。漏れた情報の種類ごとに、やることが分けて書かれているからです。
同じ日には、首相官邸で第1回のサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議が開かれ、JPCERT/CCはBrotliの脆弱性の注意喚起を出しました。情シスに関係するのは、この3件です。
首相官邸(内閣官房)
第1回サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議(10月26日)
高市首相は、相次ぐ情報漏えいを受けて、被害企業がどこに相談しても支援を受けられる体制づくりや、お助け隊の拡充、所管業界の被害企業からの情報収集を、関係の大臣に指示しました。会社に新しく課す義務は、今回の指示にはありません。政府は来週中をめどに「緊急対策パッケージ」をまとめます。
会社の側から見た読み方は、サイバー攻撃で関係閣僚会議 会社への新しい義務はまだ、来週に緊急対策と、サイバー攻撃の被害企業へ相談体制を拡充 政府が来週中に緊急対策にまとめています。
JPCERT/CC・IPA(JVN)
Brotliの脆弱性(CVE-2026-111497)の注意喚起(10月26日)
JPCERT/CCは、Googleのデータ圧縮ライブラリBrotliのC言語実装にある、境界外書き込みの脆弱性の注意喚起(JPCERT-AT-2026-0034)を出しました。JVNも同じ日にJVNVU#97400824を公開しています。
対象はBrotliの1.2.0〜1.2.1より前、1.1.0〜1.1.1より前、1.0.3〜1.0.10より前です。「Node2Shell」の名前で知られましたが、JPCERT/CCは、原因はNode.jsではなくBrotliのC言語実装にあると書いています。Brotliを組み込んだ製品は多く、JPCERT/CCは各開発者の情報を見て、修正の適用と侵害の有無の調査を求めています。
製品ごとの修正版は、Brotliの脆弱性、.NETやPowerShellにも 定例外の更新で修正と、Python 3.15.2など5版を前倒し公開sslでeMudhraの鍵を遮断でも扱っています。
IPA
自分の個人情報等が漏えいした際の「対処」と「日頃の対策」(10月26日)
IPAの情報セキュリティ安心相談窓口には、漏えいの対象になった消費者から「どう対応すればよいか」という相談が多く寄せられているそうです。手引きは、まず連絡の内容やサービス提供者の案内で、何が漏れたかを確かめるよう勧めています。
IPAの手引き。まず、漏れた情報の種類を確認するよう勧めている出典: IPA「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」(引用)
そのうえで、情報の種類ごとに対処を分けています。
| 漏れた情報 |
IPAが挙げる対処 |
| IDとパスワード |
そのサービスのパスワードを変える。同じパスワードを使い回したサービスも変える |
| クレジットカード |
カード会社に連絡し、利用の停止や再発行を相談する。しばらくは明細を見る |
| メールアドレス、電話番号、住所、氏名 |
突然のメールやSMSは詐欺と考えて削除する。リンクは開かない。不審な着払いは受け取らない |
| 運転免許証などの本人確認書類 |
信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センター)に本人申告をして、なりすましの契約を防ぐ |
表で見落としやすいのは、最後の行です。本人確認書類が漏れたときに信用情報機関へ申告できることは、あまり知られていないでしょう。
関係する会社と、しない会社
情報漏えいの通知を受けた社員がいる会社は、IPAの手引きが役に立ちます。今月は佐川急便やタイムズカーなど、社員が個人で使うサービスの漏えいの公表が続いていて、会社の問い合わせ窓口に相談が来ることもあるはずです。
Brotliの件は、Node.js、Python、.NETなどで動く自社のアプリやツールを持つ会社が対象です。事務用のPCで使うだけの会社は、OSやブラウザの自動更新に任せられます。
閣僚会議の件は、いまの時点で会社がすぐに対応することはありません。
今日のチェックリスト