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Brotliの脆弱性、.NETやPowerShellにも 定例外の更新で修正

データを圧縮する部品Brotliの脆弱性CVE-2026-111497について、Microsoftは10月25日(米国時間)、.NET 8.0.33・9.0.22・10.0.14の定例外の更新を出しました。PowerShell 7とVisual Studioにも直った版があります。Envoy・Istio・Bunも修正版を出しており、Node.jsの外に広がった脆弱性の直った版と、情シスの確かめ方を整理します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
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Brotliの脆弱性、.NETやPowerShellにも 定例外の更新で修正

この記事のまとめ

  • Microsoftは10月25日(米国時間)、.NETの定例外の更新8.0.33・9.0.22・10.0.14を出し、Brotliの脆弱性CVE-2026-111497を直しました。深刻度は製品により「緊急」か「重要」で、CVSSは8.1です。PowerShell 7とVisual Studioにも直った版があります。
  • .NETで当たるのは、ASP.NET Coreの要求の展開、HttpClientの応答の自動の展開、System.IO.CompressionのBrotliの機能を使うアプリです。自動の展開は既定で無効で、.NET Frameworkは対象外です。
  • 同じ更新で、10月13日の修正が不十分だった2件(CVE-2026-70197・CVE-2026-102870)も直りました。Envoy・Istio・Bunも修正版を出しています。.NET 8・9は11月10日にサポートが終わります。
こんな方に#30代#40代#50代実務

Microsoftは2026年10月25日(米国時間)、.NET 8・9・10の定例外のセキュリティ更新を出しました。版は8.0.33・9.0.22・10.0.14です。データを圧縮する部品「Brotli」の脆弱性CVE-2026-111497を直すためで、PowerShell 7も同じ日に7.6.9・7.5.13・7.4.22が出ました。Microsoftは、Visual Studio 2019・2022・2026の直った版も挙げています。

この脆弱性は、10月21日にNode.jsの更新で直ったものと同じです。クラウドのセキュリティ会社Wizは10月25日、影響がEnvoy・Istio・BunやPythonの部品などにも及ぶとして、製品ごとの直った版を一覧にしました。

Microsoftの評価は「緊急」 公開済みで悪用は未確認

Microsoftのセキュリティ更新プログラム ガイドでは、CVE-2026-111497の深刻度は製品により「緊急」か「重要」で、CVSSの基本値は8.1です。脆弱性の中身はすでに公開済みで、悪用はまだ確認されていません。ただし、悪用される可能性は「高い」との評価です。

.NETのリリースノートは、細工した圧縮データを処理すると、サービスの停止、情報の漏えい、権限の昇格につながるおそれがあるとしています。Wizは、条件がそろえば、攻撃者が遠隔からコードを実行できるおそれがあると説明しています。Wizは、この脆弱性を「Broccoli2Shell」と呼んでいます。

.NETで当たるのは、Brotliを展開する3つの使い方

リリースノートによると、当たるのは次の3つの使い方で、Brotliのデータを展開するアプリです。

  • ASP.NET Coreで、受け取った要求の圧縮を展開する機能
  • HttpClientで、応答の圧縮を自動で展開する設定
  • System.IO.CompressionのBrotliの機能

要求と応答の自動の展開は、既定では有効になっていません。.NET Frameworkは対象外です。Microsoftは、当たる環境をできるだけ早く更新するよう勧めています。

開発の担当者がコードを探すときは、名前が目印になります(当社の見立て)。要求の展開はUseRequestDecompression、HttpClientの自動の展開はAutomaticDecompression、Brotliの機能はBrotliStreamやBrotliDecoderです。ただ、使っている部品(NuGetのパッケージ)の中で展開していることもあります。コードに名前が無くても、ランタイムの更新は済ませます。

Microsoftの製品の直った版

図解。題はNode.jsの外にも広がった脆弱性、製品ごとの直った版。Microsoftの製品(10月25日の定例外の更新): .NET 10は10.0.14(SDK 10.0.403・10.0.114)、ASP.NET Coreの要求の展開・HttpClientの応答の自動の展開・System.IO.CompressionのBrotliを使うアプリが対象で、自動の展開は既定で無効。.NET 9は9.0.22(SDK 9.0.320・9.0.123)、.NET 8は8.0.33(SDK 8.0.427・8.0.133)で、どちらもサポートは11月10日に終了。.NET 11の試用版はSDK 11.0.100-rc.3.26522.148。PowerShell 7は7.6.9・7.5.13・7.4.22で中身は.NET SDKの更新。Visual Studioは2026が18.11.2、2022が17.14.43、2019が16.11.61、2026の試用版は18.12 Insiders 3。.NET Frameworkは対象外。ほかのソフト: Brotliの本体は1.2.1・1.1.1・1.0.10(1.0.3〜1.2.0が対象)、Node.jsは26.12.1・24.22.1・22.23.4、Bunは1.4.4(compileで作った実行ファイルは作り直す)、Envoyは1.40.0・1.39.3・1.38.6・1.37.8・1.36.12、Istioは1.31.2・1.30.6・1.29.9、PythonはBrotli 1.2.1・brotlicffi 1.2.1.0、Goのandybalholm/brotliはv1.2.7。.NETの同じ更新で直ったほかの3件: CVE-2026-70197(10月13日の修正が不十分)、CVE-2026-102870(Blazorの部品2つを10.0.14に)、CVE-2026-114148(Linux向けの圧縮ファイルの所有者の誤り)。まとめ: PowerShell・Visual Studio・コンテナのイメージもそれぞれ上げる
Brotliの脆弱性の直った版。Microsoftの製品とほかのソフト作成: 編集部 / 出典: Microsoft(セキュリティ更新プログラム ガイド・.NETのリリースノート)、PowerShell、Envoy、Istio、Bun、Wiz
製品 直った版
.NET 10 10.0.14(SDKは10.0.403・10.0.114)
.NET 9 9.0.22(SDKは9.0.320・9.0.123)
.NET 8 8.0.33(SDKは8.0.427・8.0.133)
.NET 11(試用版) SDK 11.0.100-rc.3.26522.148
PowerShell 7 7.6.9・7.5.13・7.4.22
Visual Studio 2026 18.11.2(試用版は18.12 Insiders 3)
Visual Studio 2022 17.14.43
Visual Studio 2019 16.11.61

PowerShellの3つの版は、中身が.NET SDKの更新だけです(7.6.9は10.0.403、7.5.13は9.0.320、7.4.22は8.0.427)。PowerShell 7は、Windowsの更新の設定によっては自動で上がりません。上げ方は、PowerShell 7の脆弱性2件の記事と同じです。

アプリの作り方で、やることが変わります。ランタイムを別に入れて動かすアプリは、ランタイムを上げて再起動します。ランタイムを同梱した自己完結のアプリや、コンテナのイメージは、修正版で作り直して配り直します。

10月13日の修正が不十分だった2件も直った

.NETのリリースノートは、10月13日の月例の更新で直したはずの2件について、修正が十分でなかったとして勧告を出し直しました。今回の8.0.33・9.0.22・10.0.14で直ります。

  • CVE-2026-70197(リモートでのコードの実行、CVSS 8.1): ソケットの処理(SocketAsyncEventArgs)でメモリーが壊れる脆弱性です。.NET 8・9・10が対象です。Microsoftは10月19日、ガイドの中で「まだ直っていない」と認め、完全な対策を準備していると書いていました。
  • CVE-2026-102870(リモートでのコードの実行、CVSS 8.8): Blazor WebAssemblyのデバッグの脆弱性で、.NET 10が対象です。デバッグの最中に、開発者が細工されたデータを確かめると、開発者の権限でコードが動くおそれがあります。直すには、使っているプロジェクトで2つの部品を10.0.14に上げます。部品の名前は、Microsoft.AspNetCore.Components.WebAssembly.Serverと、Microsoft.AspNetCore.Components.WebAssembly.DevServerです。共有のランタイムを上げるだけでは、この部品は上がりません。

同じ更新で、新しい脆弱性CVE-2026-114148(権限の昇格、重要)も直りました。Linux向けの圧縮ファイル(tarball)で、中のファイルの所有者が正しくない問題です。.NET 8・9では、Microsoftが配るASP.NET Coreのランタイムとターゲティングパックの圧縮ファイルと、ソースから作る版(source-build)のすべてが対象です。.NET 10では、ソースから作る版だけが対象です。

Microsoftは、そのサーバーにログインできる攻撃者が、最も高い権限を得るおそれがあるとしています。新しい圧縮ファイルを落とし直すだけでは、入れ済みの環境の所有者は直らないとも書いています。

Node.jsの外へ Envoy・Istio・Bun・Pythonも

Wizは、脆弱性のもとはGoogleのBrotliの展開の部分(C言語で書かれた部分)にあり、それを組み込んだ多くのソフトに及ぶと説明しています。攻撃には、アプリか、アプリが使う部品が、攻撃者の用意したBrotliのデータを展開することが要ります。受け取った要求だけでなく、外のサーバーから取ってきた応答も入口になります。

Wizのデータでは、クラウドの環境の91%に、この脆弱性に当たる資源がありました。82%の環境では、Node.jsがインターネットに公開されていました。

製品 直った版 発表
Brotliの本体 1.2.1・1.1.1・1.0.10 10月22日(日本時間)
Node.js 26.12.1・24.22.1・22.23.4 10月21日(日本時間)
Bun 1.4.4 10月23日(勧告、協定世界時)
Envoy 1.40.0・1.39.3・1.38.6・1.37.8・1.36.12 10月23日(勧告、協定世界時)
Istio 1.31.2・1.30.6・1.29.9 10月15日
PythonのBrotli・brotlicffi 1.2.1・1.2.1.0 Wizの一覧による
Goのandybalholm/brotli v1.2.7 Wizの一覧による

Envoyの勧告は、Brotliの展開を設定したEnvoyが当たるとしています。GitHubのリリースでは1.39.3は10月6日に出ており、脆弱性が公になる前の版で直っていました。IstioはEnvoyを使うため、10月15日の勧告で、EnvoyFilterなどでBrotliの展開を有効にした利用者に、上げるよう求めています。

Bunのfetchは、既定でBrotliの応答を受け取り、自動で展開します。bun build --compileで作った実行ファイルは、Bun 1.4.4で作り直すまで当たったままです。全体を止める回避策は無く、fetchにdecompress: falseを渡すと、その要求だけ展開しなくなります。

Wizは、すぐ上げられないときの暫定策として、Brotliの展開を止めるか、Brotliで圧縮された要求を手前で断ることを挙げています。ただ、更新の代わりにはならないとしています。WAFやアプリの記録で、Brotliで圧縮された不審な通信や、アプリの異常な停止を見ることも勧めています。

影響する会社・しない会社

  • 影響する: .NETで作った業務アプリ(自社開発でも委託でも)を動かしている会社です。インターネットから要求を受けるASP.NET CoreのWebアプリや、外のAPIから応答を受け取るアプリを先に見ます。
  • 影響する: 管理用のスクリプトなどでPowerShell 7を使う会社と、開発でVisual Studioを使う会社です。
  • 影響する: Envoy・Istio(Kubernetesの通信の管理など)、Bun、PythonやGoのBrotliの部品を使う会社です。委託先やクラウドの事業者が運用しているときは、先方に版を確かめます。
  • 影響しにくい: .NET Frameworkだけで動くアプリは対象外です。.NETのアプリでも、3つの使い方をしていなければ、当たる場面は限られます。ただ、部品の中での展開もあるため、更新は済ませます(当社の見立て)。

情シスが今日やること

  1. .NETで動くサーバーとアプリを一覧にし、ランタイムの版を確かめます(dotnet --list-runtimes)。8.0.33・9.0.22・10.0.14より前なら上げます。
  2. ランタイムを別に入れるアプリは、上げたあと再起動します。自己完結のアプリとコンテナのイメージは、修正版で作り直して配り直すよう、開発の担当や委託先に頼みます。動いているプロセスが新しい版を読んでいるかも確かめます。
  3. Blazor WebAssemblyを使う.NET 10のプロジェクトでは、部品2つを10.0.14に上げるよう開発の担当に頼みます。
  4. PowerShell 7の版を確かめ、7.6.9・7.5.13・7.4.22に上げます。Visual Studioは、Visual Studio Installerから上の表の版に上げます。
  5. Linuxで.NETを圧縮ファイルから入れたサーバーがあれば、CVE-2026-114148の対象かを確かめます。落とし直すだけでは、所有者は直りません。
  6. Envoy・Istio・Bun・Python・GoのBrotliの部品を使うシステムを、委託先やクラウドの担当と確かめます。すぐ上げられないときは、Brotliの展開を止めるなどの暫定策を決めます。
  7. .NET 8・9は11月10日にサポートが終わります。10への移行の予定を、.NET 8・9のサポート終了の記事とあわせて確かめます。

よくある質問

Qうちの.NETのアプリは当たりますか?

AMicrosoftによると、当たるのはBrotliのデータを展開するアプリです。使い方は、ASP.NET Coreの要求の展開、HttpClientの応答の自動の展開、System.IO.CompressionのBrotliの機能の3つです。要求と応答の自動の展開は、既定では無効です。ただ、使っている部品の中で展開していることもあるため、ランタイムは8.0.33・9.0.22・10.0.14に上げておきます。.NET Frameworkは対象外です。

QPowerShell 7やVisual Studioも上げますか?

Aはい。PowerShellは7.6.9・7.5.13・7.4.22、Visual Studioは2026が18.11.2、2022が17.14.43、2019が16.11.61です。PowerShell 7は、.NETとは別に上げます。

Q.NET 8や9のままでもよいですか?

A今回の脆弱性は8.0.33・9.0.22で直ります。ただ、.NET 8と9は2026年11月10日にサポートが終わり、その後は修正が出ません。10への移行を進めます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月26日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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