10月23日を中心に国の機関が出した情報から、情シスに関係する8件をまとめました。目立つのは、JPCERT/CCが、国内で相次ぐ不正アクセスの注意喚起に、AIを使う侵入テストの道具を悪用した攻撃の試み(ケースE)を足したことです。インターネットに公開したWSUSのサーバーを狙う試みも含まれるとしています。
デジタル庁のStudioの件(10月22日)は、前日のダイジェストに載せています。
機関ごとのまとめ
JPCERT/CC
- 直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起(JPCERT-AT-2026-0030): 10月8日に出した注意喚起を、10月23日に更新しました。新しく「ケースE」として、Cairn、CyberStrikeAI、ARTEXなどのAIを使う侵入テストの道具を悪用した攻撃の試みを挙げています。主にインターネットに公開したWebのアプリの脆弱性を探して悪用を試みたり、機器の管理の不備を突いて設定やバックアップのファイルを盗もうとしたりするもので、公開したWSUSのサーバーを狙う試みもあるとしています。送り元のIPアドレス9つと観測の期間も載せ、アクセスが無かったかを調べるよう求めています。ケースBにも送り元のIPアドレスを足しました。

ARTEXを使う攻撃は、Microsoftも報告しています(Microsoft、ARTEX使う大規模攻撃を報告、許可済みアプリの確認を)。アプリを解析してAPIを狙う手口は、JPCERT/CCが攻撃元を調査 Androidアプリ解析とAPI攻撃の痕跡にまとめています。
JPCERT/CC・IPA(JVN)
- JVN#82312317 プリザンターのLDAP認証の認証不備: インプリムのプリザンターの1.1.0.0から1.5.9.0で、LDAP認証を設定した特定の構成のとき、有効なログインIDを知る人がパスワードなしでログインできるおそれがあります(CVE-2026-113438、CVSS 4.0で6.9)。LinuxやDockerで動かす場合か、Windowsで「DsProvider」に「Novell」を指定した場合で、つなぐ先がActive Directoryか、匿名の接続を許すLDAPのサーバーのときに当たります。1.5.9.1で直っています。インプリムのプリザンターに認証不備、LDAP利用企業は構成確認と更新をも参考にしてください。
- JVNVU#93251594 三菱電機の複数の製品の脆弱性(2026-006): GENESIS64、ICONICS Suite、MC Works64などの監視・制御の製品に4件です。システムのロックを外す確かめの値が全員共通で固定されている欠陥(CVE-2026-16436)などがあります。直る版が出ない製品もあり、回避策を勧めています。三菱電機の複数製品に脆弱性、製品と版ごとに更新・回避策の確認が必要にまとめています。
- JVNVU#98747108 米国CISAの制御システムの勧告(10月22日): 新しい勧告19件と更新1件です。18件がSiemensの製品(SIMATIC、RUGGEDCOM、Industrial Edge、Software Centerなど)で、医療向けはInterSystems IRIS for Healthの1件です。Siemens Software Centerの件はSiemensの配布ソフトの脆弱性をClickFixで悪用 4.0.9.8で修正で扱っています。
- JVNVU#99905564 PHPの脆弱性: 10月23日に、国内のメーカーの対応の欄を更新しました。ソリトンシステムズは「該当製品あり」としています。PHPの件の全体はPHPの重大な脆弱性「php2shell」 各国が警戒、攻撃も観測 すぐ更新をで追っています。
IPA(情報処理推進機構)
- サイバーセキュリティ相談窓口の相談状況(2026年7〜9月): 企業や組織からの相談は309件で、前の期より約2.3%増えました。サポート詐欺の相談は70件で、社長などを名乗る詐欺のメールの手口も29件ありました。事故の対応の相談では、不正アクセスが17件、ランサムウェアが5件です(IPAのグラフの値)。事例として、社員のMicrosoftのアカウントから大量のメールが送られ、そのアカウントが外部のアプリに許可(OAuthの同意)を与えていたケースを挙げ、Microsoft Entra IDの記録で同意の時期と不審な利用の始まりを照らすよう答えています。
- ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出状況(2026年7〜9月、10月22日公表): 届出は240件で、ソフトウェアの製品が179件、Webのサイトが61件でした。2004年からの累計は20,553件です。
総務省
- 選挙の公正に対する悪影響を軽減するための措置の指針案などへの意見募集: 公職選挙法と情報流通プラットフォーム対処法の改正(令和8年法律第58号)を受けた、指針案と施行規則の改正案です。意見は10月24日から11月24日まで(必着)、e-Govで募っています。大規模なSNSなどを運営する事業者の対応が中心で、多くの会社の情シスには直接の作業はありません(当社の見立て)。










