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「これ、まだ資産台帳に載ってるんですけど」固定資産とIT機器の差を経理に説明するには

止めたままのNASや捨てたはずのPCが固定資産台帳に残っていたら、情シスは経理に何を伝えればよいのか。2つの一覧の差の見分け方、使っていない機器の伝え方、1月1日時点で見る償却資産の申告に向けて動く日程が分かります。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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「これ、まだ資産台帳に載ってるんですけど」固定資産とIT機器の差を経理に説明するには

この記事のまとめ

  • 機器の一覧と固定資産台帳の差は、少額の処理やリースで説明できる差と、除却漏れや移設の連絡漏れで説明できない差に分かれます。
  • 使っていない機器は、情シスが税務を判断せず、電源と保守の有無、最後に動かした日、再び使う条件を事実として経理に渡します。
  • 償却資産は1月1日時点で見るので、12月の大掃除で捨てる前に、候補の一覧を経理に見せておきます。
こんな方に#30代#40代#50代実務

「そのNAS、まだ固定資産台帳に載ってて減価償却が続いてるんですけど、今って使ってるんですか?」

サーバー室の点検のあと、経理からこう聞かれたらどう答えますか。製造業の情シス、再起動史郎さんは答えに詰まったそうです。3年前にリプレースしたはずの旧型のNASが、電源だけ入ったまま、ラックの奥でほこりをかぶっていました。「まだ動くから」と、誰も撤去を決めないまま。

情シスが見ているのは「まだ動くか」で、経理が見ているのは「まだ載せてよいか」。同じ機器に、別の問いが向いています。

情シスの機器の一覧と固定資産台帳は、合わなくて普通です。困るのは、差の理由を誰も説明できないこと。そして今なら、12月の大掃除で捨てる前に差を見ておくだけで、年明けの経理の仕事が1つ軽くなります。

経理から見ると、情シスが「現場」

会計事務所のnoteに、教授とミカという2人が台帳を手に事務所を歩く、読み物仕立ての対話があります。ノートPCを総務で探し、なければ営業へ、それでもなければ大阪支店かも、という流れです。

教授「固定資産台帳が宝探しの地図になっていますね」

出典: 経営デザイン 高木会計事務所「台帳にはある。現場にはない。」(2026年9月15日)

対話の教授が「怖い言葉」に挙げるのは、「たぶん、どこかにあります」。耳が痛い話です。

経理が怠けているわけではありません。会計事務所で働くミゾノさんは、移設や入れ替え、廃棄は現場の判断で先に動くものだとして、「現場の変化が経理に伝わる仕組みがそもそもない」と指摘します。読んでいて、はっとしました。PCやサーバーについては、その「現場」は情シスです。

差は、4つの形に分かれる

2つの一覧を並べると、差はおおむね次の4つになります。数百台の差でも、処理の種類を説明できれば慌てずにすみます。

差の形 よくある理由 次にすること
機器の一覧にあるが、台帳に無い 少額で費用にしたPC、リース、まとめて1行、載せ忘れ 経理に処理の種類を聞き、一覧の列に書く。説明がつかないものは経理に渡す
台帳にあるが、機器の一覧に無い 廃棄したのに除却していない、部門が買った、まとめて1行 現物と廃棄の記録を探す
両方にあるが、場所が違う 移設を伝えていない 今の場所を経理に伝える
両方にあるが、使っていない 止めて残したまま 次の節の3つに分ける

1つ目の形は、仕組みの違いから生まれます。国税庁の説明では取得価額10万円未満なら一度に費用にでき、中小企業者等にはさらに広い特例もあります。リースが中心の会社や、1台10万円未満か20万円未満の一括償却で処理している会社なら、数百台のPCが台帳に1行も無くても、それだけで誤りとは言えません。ただ、中小企業者等の特例には年300万円の枠があり、数百台をこれだけで説明するのは難しいはずです。どれにも当たらないのに1行も無ければ、経理に処理を聞いておきたいところです。減価償却の考え方は、ベンチャー・スピリット!の減価償却の解説が入り口になります。

つなぐ方法は単純です。機器の一覧に、固定資産番号の列を1つ足します。番号が無いものには「10万円未満」「一括償却」「中小特例」「リース」と、経理から聞いた処理の名前を書いておくと、申告の話も同じ言葉でできます。高木会計事務所のnoteも、重要な資産なら、シールの番号だけで安心せず、資産番号と型式、製造番号、現物をつなぐよう勧めています。製造番号を持っているのは、たいてい情シスの側でしょう。

高木会計事務所のnoteは、台帳から現物へ、現物から台帳へと両方に歩くよう勧めています。前者で捨てたものの残りが、後者で載せ忘れが分かります。機器の一覧は、後者の向きにそのまま使えます。

数の差を軽く見ないほうがよい例もあります。バンダイナムコホールディングスの2023年1月の発表を伝えるgamebizの記事によると、子会社は2021年11月、管理システムのモバイル端末の数と実際に使う数の差に気づいて調査を始めました。その結果、元従業員が2015年ごろから約7年のあいだに、管理していた端末4,400台以上を無断で売っていたことが分かったといいます。もちろん差の多くは連絡漏れでしょう。それでも、差を「たぶん、どこかにあります」で翌年に持ち越さない理由にはなります。

使っていない機器は、判断ではなく事実を渡す

冒頭のNASの話に戻ります。再起動史郎さんは経理から「じゃあこれ、遊休資産ってことですよね」と言われ、言葉の意味を調べたそうです。

国税庁の通達には、稼働を休止している資産でも、必要な維持補修が行われ、いつでも稼働し得る状態なら減価償却資産に当たるとあります。一方、使用を廃止し、今後通常の方法で事業に使う可能性がないと認められる固定資産は、捨てていなくても除却損にできる場合があります。

どちらに当たるかを決めるのは、経理と税理士です。情シスが「遊休です」と言う必要はありません。渡すのは、機器の今の状態です。

機器の状態 情シスが経理に渡す事実 経理と税理士が決めること
予備やBCP用に残している 電源と保守の有無、最後に動かした日、再び使う条件と担当 償却を続けるか
止めたまま、方針が無い 止めた日、故障の有無、撤去を決める人と時期 除却や減損を検討するか
もう使わない、捨てた 廃棄の日、処分業者の書類、データ消去の記録、写真 いつ、どう除却するか

捨てたときの書類は、会計事務所の実務ノートが挙げる確認の項目と重なります。同じnoteは、前の年度に捨てたものは見つけた年度にそのまま除却損にしてよいとは限らないとも書いていて、廃棄の日を残す意味はここにもあります。

金額が気になる人もいるでしょう。再起動史郎さんが聞くと、経理の担当者の答えは拍子抜けするものでした。

「サーバ1台くらいなら、正直ほぼ変わりません」

出典: 再起動史郎「そのNAS、税務調査で「アウト」判定されるかもしれません」(2026年8月1日)

ただ、同じ担当者は続けて、問題は金額の大小ではなく、実態のない資産を載せ続けることだと話しています。1台ずつは小さくても、説明できない行が積もると困る、という話だと読めます。

大掃除の前に声をかけたいのは、1月1日があるから

固定資産税の償却資産は、毎年1月1日に持っている資産を、その資産がある市区町村(東京23区は都税事務所)へ申告します。東京都主税局のページの期限は1月31日です。令和8年度は1月31日が土曜で2月2日でした。次の2027年は日曜なので2月1日になるはずで、令和9年度の手引きが出たら確認してください。パソコンも例に挙がっています。

1月1日に持っていれば、その年度の課税の対象です。12月に捨てた機器と1月に捨てた機器では入る年度が変わりますし、捨てたのに減少を出さなければ、次の年度以降も課税が続くおそれがあります。

情シスに関係するのは、手引きの次の点です。ほかの市区町村では、それぞれの手引きを確認してください。

  • 遊休や未稼働の資産も、償却の済んだ資産も、台帳に載っていない簿外資産も、申告の対象に入ります。「止めているから関係ない」とはなりません。
  • 10万円未満で一度に費用にしたものと、20万円未満で3年の一括償却にしたものは対象外です。ただし中小企業者等の特例で費用にしたものは対象です。
  • 所有権移転外リースは貸主、所有権移転リースは原則として借主が申告します。
  • 前の年に増えたものだけでなく、減ったものも申告します。

ここで効くのが、機器の場所と廃棄の日です。再起動史郎さんは、NASを隣の市の工場へ回そうとして、経理に「別の市町村に持っていくなら、それ絶対に事前に教えてください」と言われたそうです。申告先が変わるからです。経理と情シスの両方を経験したこれきよさんも、台帳をそのまま申告に使わず、所在地と除却の差を見るよう勧めています。書き方は、ベンチャー・スピリット!の償却資産の申告の記事でご覧いただけます。

逆算すると、情シスの動きはこのくらいが目安です。日付は例なので、決算の時期や会社の手順に合わせて動かしてください。

時期 情シスがすること 経理に渡すもの
11月 経理から台帳をもらい、機器の一覧と並べて4つの形に分ける 台帳に無い機器、使っていない機器、今年廃棄・移設した機器の一覧
12月の初め 大掃除の前に、捨てる候補と動かす候補を挙げる 候補の一覧
12月中 経理の確認が済んだものから、データを消して廃棄し、移設する 廃棄の日と書類、移した先の住所
1月の初め 年末の時点の場所と増減をまとめる 増えた機器、減った機器

関係するのは、機器を自社で買って持っている会社です。PCもサーバーもリースやクラウドに移した会社では、この表の多くは軽くなります。それでも、リースの返却や複合機の入れ替えは経理と購買に伝える話として残ります。分担の全体は購買と情シスの記事、PCの数え方は棚卸しの記事でご覧いただけます。

経理に声をかける前に確認すること

  1. 機器の一覧に、製造番号、場所、固定資産番号の列があるか。無ければ足します。
  2. 動いていないのに電源が入っている機器がないか。サーバー室と倉庫を見て回ります。
  3. 廃棄の記録が残っているか。処分業者の書類の置き場所も見ておきます。
  4. 拠点をまたいで動かした機器がないか。今年の分だけ挙げます。

そのうえで、経理にはこう送ってみてください。

件名:機器の一覧と固定資産台帳のすり合わせのお願い

情シスの○○です。年末の片付けの前に、PCとサーバーの一覧を
固定資産台帳と合わせたいと考えています。

お手数ですが、工具器具備品のうちIT機器の行を、
資産番号、名称、取得日、取得価額、設置場所が分かる形でいただけますか。
費用にしたPCの処理の種類も教えてください。
こちらからは、台帳に無い機器と使っていない機器、今年廃棄・移設した機器の一覧をお渡しします。

判断をお願いしたい機器は、状態を添えて別にまとめます。
30分ほど、今月中にお時間をいただけると助かります。

次に内線が鳴ったとき、「使ってません」で終わらせずにすむのが理想です。「予備として保守を続けていて、担当は私です」か「1月までに撤去します。書類は回します」と答えられれば、経理の次の質問はだいぶ減るでしょう。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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