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防犯カメラや入退室管理は誰が見る?総務と情シスで作る、ネットにつながる設備の台帳

防犯カメラの録画機や入退室管理の機械、複合機は、総務が契約して業者が設置し、社内のネットワークにつながっています。それなのに、情シスの台帳には載っていないことがあります。公開されている声と、経済産業省や宮城県警察の資料をもとに、台帳に書く9つの項目と、保守の契約を更新する前に業者と確認することを表にしました。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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防犯カメラや入退室管理は誰が見る?総務と情シスで作る、ネットにつながる設備の台帳

この記事のまとめ

  • 防犯カメラや入退室管理の機械は、契約は総務、設定は業者、つながる先は情シスと、持ち主が3つに分かれやすい設備です。
  • 宮城県警察は2024年4月、インターネットにつないだ学校などの防犯カメラが乗っ取られ、悪用されていたと注意を呼びかけました。
  • 台帳の9つの項目は、聞く相手と一緒に決めておきます。契約の更新の前には、パスワードと更新とリモート保守を業者と確認します。
こんな方に#30代#40代#50代実務

「防犯カメラの映像が、会社のパソコンで見られなくなったんですけど」

月曜の朝、総務から内線が入ります。情シスは先週末、ファイアウォールを新しい機器に入れ替えたばかりでした。受話器を持ったまま、頭の中で社内のネットワークの図をたどります。カメラは、どこにつながっていたのか。そもそも、つながっていたのか。

月曜の「カメラが見られない」は、よくある相談

この電話は、情シスだけが受けるものではありません。防犯カメラの販売と工事をしている会社は、ブログにこう書いています。

ここ5年位でしょうか、「先週まで工場のラインを映しているカメラが見れてたのに、月曜日から見れないんですが」、これと似たお問い合わせが防犯・監視カメラのお客様からあります。

出典: はてなブログ「ネットワークセキュリティの強化 UTMの導入でカメラ見れない」不審者がいやがる防犯カメラ(2024年12月9日)

同じ記事によると、原因のほとんどは、社内のネットワークにUTMを入れたことでした。UTMを納めた会社に、録画機のIPアドレスと映像が流れるポートの設定を頼めば解決する、と続きます。

業者から見れば、通り道を開ければ済む話です。ただ、情シスには、開ける前に知りたいことがあります。録画機は業務のPCと同じLANにあるのか。外からも見られる設定なのか。管理画面のパスワードは、誰が持っているのか。

総務にとってカメラは防犯の設備で、情シスにとってはネットワークの上の1台です。同じ機械を、別の地図で見ています。

だから、冒頭の電話は台帳を作るきっかけにもなります。「見られるように戻します。そのために、設置した業者さんの名前と、映像をどのパソコンで見ているかだけ教えてください」。こう返せば、総務を待たせずに、台帳の最初の1行が書けます。業者と相談して通り道を開けるときも、映像を見るPCから録画機へ、の1本に絞れます。

「電気が流れてりゃ、情シス」の先にある線

社内のどの機械を、誰が見るのか。未経験から情シスの部門長になった人は、noteにこう振り返っています。

私も含め、社員の大半が「電気が流れてりゃ、情シス」「流れていないものは総務部」みたいな感覚でいました。

出典: note「素人情シス部門長が考える「情シスの仕事」ってなんだろう?」原田篤史(2022年12月8日)

実際の分担は、ネットワークにつながっている機械は情シス、つながっていないテレビなどは総務部だった、と同じ記事は続けます。分かりやすい線です。それでも、防犯カメラや入退室管理の機械は、この線の上で止まりがちです。

持ち主が、3つに分かれるからです。契約と費用は総務が持ち、設置と設定は業者が担い、つながる先は情シスのネットワーク。3者とも自分の受け持ちは知っていますが、全体を知る人がいません。

経済産業省のビルシステムのガイドラインも、防犯・入館管理や監視カメラを、空調や照明と並ぶ「ビルシステム」に数えています。通常はそれぞれ独立したサブシステムで、インターネットを経由したリモート監視やリモートメンテナンスも増えている、という整理です。情シスがふだん見ている業務のシステムとは、生まれも育ちも違う機械といえます。

工場のネットワークを任された人の体験も、Zennに載っています。既存の回線を調べると「業者が入り乱れていて情報が失われていた」うえ、作業の途中で知らないネットワークまで見つかったそうです。電話については「アナログですよね?」と言って逃げた、という一文には、思わず笑ってしまいました。

つながったまま忘れられた機械が狙われる

台帳に無い機械は、なぜ困るのでしょうか。いちばんの理由は、誰も更新しないことです。

宮城県警察は2024年4月、市町村のデジタル担当者に向けて、学校などの防犯カメラが狙われていると呼びかけました。

宮城県警察本部サイバー犯罪対策課のCyberNews(令和6年4月)。題は「学校等の防犯カメラが狙われています!」。NICTの調査で、学校などに設置された、インターネットに接続して映像を送信するタイプの防犯カメラがウイルスに感染し、犯罪に悪用されていることが分かったと書かれている。被害の例として、乗っ取られた防犯カメラがサイバー攻撃や不正アクセスに悪用されたこと、狙われやすい機器としてルーター、センサー、防犯カメラの絵がある。下の「IoT機器のセキュリティ対策をチェック」には、初期パスワードの変更、ファームウェアの最新化、サポートの終了、使わなくなった機器の接続の4つのチェック欄が並ぶ
宮城県警察の注意喚起。IoT機器のチェックの項目は4つ出典: 宮城県警察本部 サイバー犯罪対策課「CyberNews 学校等の防犯カメラが狙われています!」(令和6年4月)(引用)

NICT(情報通信研究機構)の調査で、インターネットにつないで映像を送るタイプの防犯カメラがウイルスに感染し、犯罪に悪用されていたと分かった、という内容です。チェックの項目は4つ。初期パスワードを変えたか、ファームウェアは最新か、サポートは終わっていないか、使わなくなった機器をつないだままにしていないか、です。

オフィスの機械も、他人事ではありません。経済産業省のガイドラインは、2018年4月に国内各地でインターネットカメラが乗っ取られ、画面を書き換えられた件を挙げています。10月27日には、米国のセキュリティ会社Huntressが、防犯カメラの管理ソフトから企業の中に入られた件を報告しました。10月20日には、アツミ電氣の録画機に脆弱性があり、3機種には修正版が出ないことも分かっています。

とはいえ、総務を怖がらせても、話は進みません。「カメラが危ない」と伝えるより、「業者さんに聞くことが4つあります」と伝えるほうが、相手も動きやすいはずです。

正体不明の鍵と、正体不明の管理画面

情シスから総務を兼ねることになった人がnoteに書いた最初の依頼は、意外なものでした。

キーボックスの中に正体不明の鍵が不特定多数あるので、これを整理してほしいという依頼でした。

出典: note「情シスが総務兼務になった日」情シスK(2024年3月21日)

ネットにつながる設備にも、同じ「正体不明の鍵」があります。管理画面のアドレスと、管理者のパスワードです。設置した業者だけが知っている。初期のまま変えていない。担当者が辞めて、誰も分からない。どれも、キーボックスの鍵と同じ形の困りごとです。

業者の出入りの跡も残ります。セキュリティの会社のnoteは、来客や業者に社内のWi-Fiのパスワードを伝える習慣にふれ、半年前に来た業者のスマホが今もつながっている、ということも普通に起こると指摘しています。

そこで、総務と情シスで1枚の台帳を作ります。項目は9つで、項目ごとに聞く相手を先に決めておくと、聞き漏らしが減ります。

図。題は「ネットにつながる設備の台帳 9つの項目と聞く相手」。左の列は台帳に書く9つの項目のチェックリストで、機器の種類と型番と台数、置き場所、契約と費用を持つ部署、設置と保守の業者と連絡先は総務に、管理画面の場所と管理者のアカウントを持つ人、外からの接続、更新の連絡の届き先と当てる人、サポートと保守の期限は業者に、つながっているネットワークは情シスに聞く。右の列は持ち主の線引きの表で、自社で付けたカメラと録画機、自社の扉のカードの読み取り機は9項目をすべて書く、複合機はリースなら契約は総務で管理画面と更新を中心に、ビルの入口のゲートや空調はビル側の持ち物で連絡先を控える、SDカードで録画する単体のカメラはLANにつないでいなければ後回し。まず見るのは、業務のPCと同じLANにある機器、外から見られる設定の機器、サポートが終わった機器の3つ
ネットにつながる設備の台帳に書く9つの項目と、聞く相手作成: 編集部 / 出典: 経済産業省のビルシステムのガイドライン、宮城県警察のCyberNews、公開されている体験談
台帳の項目 主に聞く相手 書き方の例
機器の種類と型番、台数 総務 録画機1台、カメラ8台
置き場所 総務 受付の棚の下、2階の倉庫
契約と費用を持つ部署 総務 総務の保守契約、リース、買い取り
設置と保守の業者、連絡先 総務 会社名、担当の方、電話番号
管理画面の場所と、管理者のアカウントを持つ人 業者 管理画面のIPアドレス、パスワードの保管先
つながっているネットワーク 情シス 業務のLAN、分けたLAN、どこにもつながらない
外からの接続 業者 リモート保守の経路、スマホのアプリで見る設定
更新の連絡の届き先と、当てる人 業者 ファームウェアの更新を誰がいつ当てるか
サポートと保守の期限 業者 サポートの終了の時期、保守契約の満了日

抜けやすいのは、管理画面のアカウントと、更新の連絡の2つです。パスワードそのものは台帳に書かず、パスワードの管理ツールなど、保管している場所だけを書きます。更新の連絡は契約している総務に届くので、情シスに回ってこないまま止まることがあります。

総務に最初に聞くときは、相手の手間を少なくすると、返事が早く来ます。

台帳に入れる機械、後回しでよい機械

全部を一度に台帳へ入れようとすると、手が止まります。先に、持ち主で線を引きます。

テナントとして入っているビルなら、入口のゲートやエレベーター、空調は、ビルのオーナーや管理会社の設備です。自社では設定を変えられないので、台帳には「ビル側」と書き、管理会社の連絡先を控えるだけにします。一方で、自社の扉に付けたカードの読み取り機や、自社で頼んだ防犯カメラは自社の持ち物。こちらは9項目をすべて書きます。

カメラでも、本体のSDカードに録画する単体の型で、社内のネットワークにつないでいないものは、後回しでかまいません。急ぐのは、業務のPCと同じLANにある機器、外から見られる設定の機器、そしてサポートが終わった機器の3つです。

保守の契約を更新する前に、業者と確認すること

台帳ができたら、次の契約の更新が見直しの機会です。総務の手元に更新の案内が届いたら、情シスも打ち合わせに入り、業者に次のことを聞きます。

確認すること 聞く理由
管理者のパスワードを初期値から変えたか。誰が保管するか 初期のままのカメラが乗っ取られている
ファームウェアの更新は契約に入っているか。誰がいつ当てるか 更新の連絡が、総務で止まりやすい
サポートはいつ終わるか 終わった機種には、修正版が出ない
リモート保守は常につながっているか、必要なときだけか。どの回線を通るか 外からの入口になる
映像や入退室の記録は、どこに何日残り、誰が見られるか 異動や退職のあとも、見られるままになりやすい
撤去や入れ替えのとき、録画機の中のデータを誰が消すか 映像と記録が、残ったまま運び出される

機械を入れ替えるときは、IPAのJC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)も手がかりになります。インターネットにつながる製品が、最低限のセキュリティの要件を満たすかを、星の数のラベルで示す制度です。IPAは2026年6月、ネットワークカメラの★3の適合要件を公開しました。ラベルを取った製品はIPAの一覧で探せるので、業者から型番を聞いたら、照らし合わせておくと安心です。

冒頭の月曜の電話に戻ります。台帳が1枚あれば、次に「カメラが見られない」と言われたとき、情シスは受話器を持ったまま答えられます。「録画機は受付の棚の下ですね。業者さんには、こちらから連絡します」。キーボックスの鍵と同じで、正体が分かれば、怖い機械ではありません。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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