日立製作所は2026年10月14日、コンテナ型データセンター「フレキシブルデザインコンテナ(木造型)」を発売しました。小~中規模の分散型データセンターなどを想定し、柱や梁に木材を使いながら、周辺の景観に合わせて設計できる点が特徴です。
日立製作所が発表に添えた画像出典: 日立製作所(PR TIMES)(報道用の素材)
工場や公共施設の近くに、景観に合わせて設置
想定する用途は、小~中規模の分散型データセンターや、データが発生する場所の近くで処理するエッジコンピューティングの拠点です。設置先として、工場、通信拠点、海底ケーブルの陸揚げ局、自治体・公共施設の隣接地などを挙げています。
日立製作所によると、木質外装、外装色、緑化を組み合わせ、周辺景観に合わせた設計が可能です。国産材や、建設する地域の木材も利用できます。設備の容量だけでなく、外観や使用する材料を含めて検討できる製品です。
従来型が持つ短工期や、設備を段階的に増やす対応力は維持するとしています。部材の工場製作を増やすことで、現場作業を減らす効果も期待しています。ただし、具体的な工期や価格は、今回の発表には書かれていません。
今後は、個別の要件や設置地域の特性に応じた提案・導入を進める方針です。統合運用支援の「HMAX Data Center」などと組み合わせて提供する方針も示しました。2026年10月21日から2026年10月23日まで、幕張メッセのAIインフラ・データセンターEXPOで紹介する予定です。
耐久性と環境効果は、適用条件を分けて確認
日立製作所は、従来の鉄骨造製品と同等水準の構造・セキュリティ・耐久性能を備えると説明しています。構造体の耐震安全性Ⅰ類~Ⅲ類に対応でき、強風や積雪を想定した設計も可能です。ただし、構築規模や周辺条件などによります。
ガス消火区画、侵入・穿孔対策、電気錠やカメラによる入退室管理にも対応します。防腐・防蟻対策や耐候性のある外装により、30年以上の使用を想定しています。これは使用期間の想定であり、保守や保証の条件は発表には書かれていません。
環境効果は、延床面積約120平方メートル、IT機器の電力負荷を示すITロードが500kW程度のモデルで試算しています。このモデルで、建設時のCO2排出量を約10トン削減できると見込みます。別に、木材による約10トンの炭素固定効果も見込んでいます。
いずれも構築規模や周辺条件などで変わる試算です。自社の導入計画に、そのまま同じ数値を当てはめないことが重要です。また、500kW程度という値は試算モデルの条件であり、製品全体の容量上限として示されたものではありません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 小~中規模の分散型データセンターやエッジコンピューティング拠点を検討する会社です。新設や段階的な設備拡張の候補として、木造型を比較できます。
- 影響する: 工場、通信拠点、海底ケーブルの陸揚げ局、自治体・公共施設の隣接地で設置を検討する組織です。外観や地域産材の利用を、施設担当者と一緒に確認する余地があります。
- 影響しない: 既存設備について、今回の発売を理由とする更新・移行の義務は発表には書かれていません。現在の設備に変更が必要だと受け取る内容ではありません。
- 影響しない: 想定する小~中規模以外への適用条件は発表には書かれていません。対象外と断定せず、別途確認が必要です。
情シスが今日やること
- 今日、社内の設備計画やサーバー増設計画を確認します。分散拠点の新設・増設がある場合は、必要なITロード、設置候補地、段階的に増やす設備を整理してください。発表の試算モデルを、自社の必要容量と混同しないためです。
- 候補地がある場合は、総務・施設担当者に製品の概要を共有します。外装、緑化、地域産材の利用を希望するかと、強風・積雪を含む立地条件を、販売元への相談前にまとめます。
- 見積もりを依頼する前に、販売元へ確認する項目を作ります。耐震安全性の区分、消火区画、侵入対策、入退室管理、防腐・防蟻対策について、自社条件での対応範囲を確認します。価格、工期、保守・保証条件も質問項目に加えます。
- 社内の比較資料を作る際は、環境効果を「モデル試算」と明記します。建設時のCO2削減と木材の炭素固定を分け、自社条件での試算を依頼してください。あわせて「HMAX Data Center」などとの組み合わせで、どこまで運用支援を受けられるか確認します。