NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)は、2026年10月15日に「RelAi 窓口アシスタント」を提供開始する予定です。自治体の窓口職員を支援する生成AIサービスで、住民との会話の記録・要約と、庁内文書に基づく回答の作成を支援します。情シスにとっては、利用端末だけでなく、参照する文書や会話記録の運用を整理することが導入検討のポイントになります。
会話を記録し、回答の根拠まで確認
「RelAi 窓口アシスタント」は、安心AIブランド「RelAi」の第2弾です。葛飾区との窓口AI実証実験で得た知見を基に商品化しました。
NTT-ATによると、住民と職員の会話をリアルタイムで文字起こしし、要約できます。会話を記録し、応対記録を作成する機能も備えます。作成した記録は、よくある質問と回答をまとめたFAQの拡充や、業務知識の蓄積に使えます。
回答の作成には、庁内の業務マニュアル、FAQ、条例を使います。根拠となる文書を示し、該当箇所をハイライト表示するため、職員が回答と参照元を照らし合わせられます。ただし、根拠が表示されることと、回答を確認せず住民に案内できることは別です。導入時には、職員が根拠を確認する手順も決めておきたいところです。
パソコン、スマートフォン、タブレットから利用できます。マイク「FR-1200」を使うと、住民と職員の発話を分離できます。会話の翻訳にも対応し、これは製品化に際して追加した機能です。
個人情報の表示と管理者への通知を支援
文字起こし中の氏名や住所などは、自動でマスキング表示します。顧客ごとに専用環境を構築し、入力データはAIの学習に使わないとしています。
ここで分けて考えたいのは、画面上の表示と、会話記録そのものの管理です。マスキング表示や学習への不使用だけを理由に、保存する情報や閲覧権限の確認を省かないようにします。実際に残る記録の内容や扱いは、導入前の確認事項として整理できます。
カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラへの対応も支援します。職員がスマートフォンのボタンを押すと、カスハラの可能性を管理者へ通知します。通知時には管理者が会話記録を確認できます。AIが自動で判定して通知する機能としてではなく、職員の操作で管理者に知らせる機能として捉える必要があります。
自治体向けの行政ネットワークであるLGWANなど、閉域網への接続にも対応します。言語処理・AIの専門家が導入検討から構築、データ整備、運用まで支援し、運用開始後も文書の追加・更新や回答品質の改善に対応します。提供価格は問い合わせが必要です。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 自治体の窓口業務で、会話記録や庁内文書に基づく回答支援の導入を検討する組織です。窓口担当と情シスが、参照文書と記録の管理方法を一緒に検討する対象になります。
- 影響する: LGWANなどの閉域網での利用を検討する自治体です。接続には対応しますが、自庁の接続構成に合うかは導入相談で確認する必要があります。
- 影響しない: 今回の自治体窓口向けサービスを導入しない会社です。一般企業の社内窓口で利用する場合の提供条件は、発表には書かれていません。
情シスが今日やること
- 窓口責任者と対象業務を整理する。 今日の検討開始時点で、記録・要約を使いたい応対と、回答の参照元にしたいマニュアル、FAQ、条例を一覧にします。翻訳が必要な場合は、必要な言語をまとめてNTT-ATへ確認します。
- 文書の保管場所と更新担当を確認する。 庁内で現在使っている文書管理先を窓口担当と確認し、導入相談前に最新版と更新責任者を整理します。古い文書を参照させない運用も相談します。
- 個人情報保護の担当者と記録の扱いを確認する。 利用開始前に、保存される情報、保存期間、閲覧できる職員、削除方法をNTT-ATへ問い合わせます。マスキング表示と保存データの扱いを分けて確認します。
- 接続・端末・費用をまとめて問い合わせる。 導入判断前に、利用予定のパソコンやスマートフォン、LGWANなどの接続構成を伝え、価格と構築条件を確認します。発話を分離したい場合は「FR-1200」の利用も相談します。
- 通知を受ける管理者と対応手順を決める。 運用開始前に、誰が通知を受け、会話記録を確認した後にどう職員を支援するかを窓口責任者と決めます。ボタンを押す判断も職員に共有します。