NTT西日本は2026年10月7日、生成AIを使って自治体の脱炭素計画づくりを支援する、新たなコンサルティング手法を確立したと発表しました。約1,000自治体の公開された計画情報などを活用し、地域の特性に合った施策の検討を支援します。自治体職員が直接使うAIツールの発表ではなく、同社のコンサルタントが生成AIを活用する仕組みです。
約1,000自治体の情報を計画づくりに活用
支援対象は「地方公共団体実行計画(区域施策編)」です。地域全体の温室効果ガス削減などを進める、法定の総合計画を指します。今回の発表は、自治体のこの計画を策定する業務に焦点を当てています。
NTT西日本は、独自の生成AIプログラムに、公開された約1,000自治体の区域施策計画情報などを取り込みます。同社によると、似た課題を抱える他自治体の優良事例を、施策の検討に活用できます。地域特性に応じた温室効果ガス削減施策の立案に加え、国の法令や自治体の既存計画との整合性を踏まえた策定を支援できるとしています。
計画担当者にとっての検討点は、AIを導入するかどうかだけではありません。自分の自治体の課題に合う事例をどう選び、既存計画とどう照合するかが重要です。相談時には、事例の提示だけでなく、施策を採用する根拠まで確認する観点を持つとよいでしょう。
参照元を明確にし、クローズド環境でデータを扱う
NTT西日本は、情報の参照元を明確にすることで、生成AIが事実と異なる内容を作る「ハルシネーション」の抑制を図ります。また、クローズド環境でデータを扱い、情報漏えいリスクを抑えられると説明しています。誤りや漏えいが起きないと保証したものではありません。
NTT西日本グループのGXコンサルティングの受注実績は、2021年4月から2026年3月までに38自治体、累計90件です。この数字はコンサルティングの実績であり、今回の生成AI手法の導入件数として示されたものではありません。
今後は、計画策定から再生可能エネルギー・省エネルギー施策の実行まで、一体的に支援する方針です。脱炭素・再エネソリューションの導入や補助金活用も含みます。今回の発表には、料金、具体的な利用開始時期、対象自治体の地域条件、管理画面の詳細は書かれていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 区域施策編の策定に取り組む自治体です。今回の手法を使うコンサルティングを検討する場合は、計画担当と情シスが、渡す資料と情報管理条件を確認する必要があります。
- 影響する: 自治体の脱炭素計画づくりに関わる企業です。支援範囲を確認する際の情報になります。ただし、企業がこの生成AIプログラムを直接利用できるかは、発表には書かれていません。
- 影響しない: 自治体の区域施策編の策定に関わらない一般企業は、今回示された計画策定支援の対象ではありません。一般企業向けAIサービスの提供や、既存の社内システムの変更を告知する発表ではありません。
情シスが今日やること
- 計画担当に対象業務を確認する。 今日、自治体の脱炭素計画担当に、区域施策編の策定で外部支援を検討しているか確認します。今回の発表はコンサルタントがAIを使う手法であり、職員向けツールの配布ではないことも伝えます。
- 既存の資料保管先で、渡す候補を整理する。 相談前に、既存計画や関連資料が置かれた文書管理システムなどで、公開済みの資料と非公開資料を分けます。発表にある公開情報の活用と、自治体から新たに資料を渡す判断は、分けて扱ってください。
- 相談時にデータ管理条件を問い合わせる。 NTT西日本の相談先に、持ち込む資料の保管場所、閲覧できる人、保存期間、削除方法、AIへの学習利用の有無を確認します。これらの詳細は今回の発表には書かれていないため、非公開資料を渡す前の確認事項にします。
- 成果物の確認方法を計画担当と決める。 委託内容を決める前に、提案された施策の参照元、法令との整合性、既存計画との関係を誰が確認するか整理します。料金、利用開始時期、対応地域も同じ相談で確認し、未確認事項を残したまま導入を決めないようにします。