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複合機メーカー8社を有報で図解 印刷への依存と製品セキュリティの書き方

キヤノン、リコー、コニカミノルタなど、複合機やプリンターをつくる国内の上場8社の最新の有価証券報告書から、売上と営業利益、印刷の機器を含む事業の割合、「事業等のリスク」での製品セキュリティの書き方を3枚の図で比べます。製品の脆弱性に対応する体制まで書いた会社は4社でした。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆編集部が確認:
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複合機メーカー8社を有報で図解 印刷への依存と製品セキュリティの書き方

この記事のまとめ

  • 複合機やプリンターをつくる国内の上場8社の有報では、連結の売上がキヤノンの4兆6,247億円からブラザー工業の8,934億円までありました。8社とも営業利益は黒字です。
  • 印刷の機器を含む事業が売上に占める割合は、京セラの23.1%からリコーの76.2%まで。セグメントの中身が会社ごとに違うため、単純には比べられません。
  • 「事業等のリスク」で、製品の脆弱性への備えを組織や規程まで書いたのは、キヤノンとリコー、コニカミノルタ、ブラザー工業でした。
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情シスのミカタの株式に関する情報は、情報の提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。株価や数値は記事の日付時点のもので、表示が遅れることがあります。投資の判断はご自身でお願いします。

複合機やプリンターをつくる国内の上場8社のうち、有価証券報告書の「事業等のリスク」に製品の脆弱性に対応する体制まで書いていたのは、キヤノン、リコー、コニカミノルタ、ブラザー工業の4社でした。残る4社のリスクの欄は、社内のシステムを狙う攻撃と、情報の扱いが中心です。

ただ、書いていないから製品が危ない、とは読めません。有報のリスクの欄は経営の目線で何を重く見ているかを示す場所で、製品ごとの対応を並べる場所ではないからです。

それでも、複合機は社内のネットワークにつながり、スキャンした書類やアドレス帳を抱えたまま何年も動く機器。どのメーカーが製品のセキュリティを経営のリスクとして扱っているかは、更新やリースの前に知っておいて損はありません。キヤノンの2025年12月期と、ほかの7社の2026年3月期の有報を、3枚の図で読んでいきます。

8社の大きさは約5倍の開き

図解。題は複合機とプリンターの国内メーカー8社、売上は最大と最小で約5倍の開き。時点はキヤノンが2025年12月期、ほかの7社が2026年3月期、単位は億円で億円未満は切り捨て。連結の売上と営業利益率: キヤノン46,247億円・9.8%(米国基準)、富士フイルムHD 33,569億円・10.4%(米国基準)、リコー26,083億円・3.5%、京セラ20,702億円・5.7%、シャープ18,928億円・2.6%(日本基準)、セイコーエプソン14,132億円・3.5%、コニカミノルタ10,877億円・4.6%、ブラザー工業8,934億円・8.7%(ほかはIFRS)。表: 営業利益と研究開発費と売上に対する割合と従業員(連結)は、キヤノン4,554・3,392・7.3%・165,547人、富士フイルムHD 3,502・1,577・4.7%・73,526人、リコー907・774・3.0%・75,635人、京セラ1,181・1,157・5.6%・73,856人、シャープ485・691・3.7%・34,549人、セイコーエプソン495・468・3.3%・74,619人、コニカミノルタ498・547・5.0%・34,363人、ブラザー工業778・508・5.7%・39,495人。まとめ: 8社とも営業利益は黒字だが、医療やカメラ、電子部品なども含む会社全体の数字
複合機とプリンターの国内メーカー8社の売上・営業利益・研究開発費・従業員作成: 編集部 / 出典: 各社の有価証券報告書(EDINET)

いちばん大きいキヤノンの売上は、いちばん小さいブラザー工業の約5.2倍あります。もっとも、8社とも複合機やプリンターだけの会社ではありません。キヤノンには医療機器や半導体の露光装置が、富士フイルムホールディングス(HD)には医療や半導体の材料が、京セラには電子部品があります。会社の売上の大きさと、複合機の事業の大きさは別物です。

会社 決算期 会計基準 売上 営業利益 研究開発費 従業員(連結)
キヤノン 2025年12月期 米国基準 46,247億円 4,554億円 3,392億円 165,547人
富士フイルムHD 2026年3月期 米国基準 33,569億円 3,502億円 1,577億円 73,526人
リコー 2026年3月期 IFRS 26,083億円 907億円 774億円 75,635人
京セラ 2026年3月期 IFRS 20,702億円 1,181億円 1,157億円 73,856人
シャープ 2026年3月期 日本基準 18,928億円 485億円 691億円 34,549人
セイコーエプソン 2026年3月期 IFRS 14,132億円 495億円 468億円 74,619人
コニカミノルタ 2026年3月期 IFRS 10,877億円 498億円 547億円 34,363人
ブラザー工業 2026年3月期 IFRS 8,934億円 778億円 508億円 39,495人

億円未満は切り捨てています。米国基準のキヤノンと富士フイルムHDは、有報の主要な経営指標に営業利益の欄がありません。そこで2社は、経営成績の分析の欄に書かれた営業利益を使いました。

8社とも、営業利益は黒字です。ただし前の期に大きな損失を出した会社もあります。コニカミノルタは、前の期の640億円の営業損失から498億円の黒字に戻りました。1期分の数字だけで会社の勢いを言い切るのは、まだ早いでしょう。

印刷に頼る度合いは会社で違う

図解。題は印刷の機器を含む事業は、売上の23%から76%。複合機やプリンターを含むセグメントの外部の顧客への売上が連結の売上に占める割合(編集部の計算): リコーのデジタルサービス76.2%・19,885億円(オフィスのITサービスなども含む)、セイコーエプソンのプリンティングソリューションズ72.8%・10,294億円、ブラザー工業のプリンティング・アンド・ソリューションズ63.9%・5,705億円、コニカミノルタのデジタルワークプレイス56.1%・6,105億円、キヤノンのプリンティングビジネスユニット53.8%・24,879億円、シャープのスマートワークプレイス44.0%・8,322億円(PCと通信も含む)、富士フイルムHDのビジネスイノベーション35.0%・11,748億円、京セラのドキュメントソリューション23.1%・4,784億円(ソリューションのセグメントの一部)。有報が書く印刷の需要の見方: 富士フイルムHDはオフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向を主なリスクに挙げる、リコーはプリンティング需要は減少傾向とし、2025年10月に沖電気が加わりエトリアが3社の合弁に。まとめ: 印刷の割合が大きい会社ほど、複合機とプリンターの事業の動きが会社全体の数字に表れやすい
印刷の機器を含む事業のセグメントが、連結の売上に占める割合作成: 編集部 / 出典: 各社の有価証券報告書(EDINET)

複合機やプリンターを含む事業が連結の売上に占める割合は、大きく分かれました。

会社 印刷の機器を含むセグメント 外部の顧客への売上 連結の売上に占める割合
リコー デジタルサービス 19,885億円 76.2%
セイコーエプソン プリンティングソリューションズ 10,294億円 72.8%
ブラザー工業 プリンティング・アンド・ソリューションズ 5,705億円 63.9%
コニカミノルタ デジタルワークプレイス 6,105億円 56.1%
キヤノン プリンティングビジネスユニット 24,879億円 53.8%
シャープ スマートワークプレイス 8,322億円 44.0%
富士フイルムHD ビジネスイノベーション 11,748億円 35.0%
京セラ ドキュメントソリューション 4,784億円 23.1%

割合は編集部の計算です。京セラは「ソリューション」のセグメントの中の内訳なので、有報の表の値(セグメント間の取引を含む)を使いました。

この表を横に並べて比べるには、注意が要ります。リコーのデジタルサービスは、複合機やプリンターの販売のほかに、パソコンやサーバーの販売、ITサービスなどのオフィスサービスも含む区分。シャープのスマートワークプレイスにも、PCと通信の事業が入っています。「印刷の売上」そのものではなく、印刷の機器を含む事業の重さと読むのが近いでしょう。

2社は、印刷の需要の先行きも有報に書いています。富士フイルムHDはビジネスイノベーションの主なリスクとして、「オフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向」を挙げました。リコーも「プリンティング需要は減少傾向」としています。そのリコーと東芝テックの合弁会社エトリアには、2025年10月に沖電気工業が加わり、3社の合弁になりました。エトリアでは、共通のエンジンの開発や生産の見直しを進めているといいます。

印刷が減るなかで、メーカーどうしが開発や生産を持ち寄る動きは続くとみています。使う側から見れば、ブランドが違っても中身の近い機器が増えていくのでしょう。

製品の脆弱性を書いた4社、書かなかった4社

図解。題は事業等のリスクに製品の脆弱性まで書いたのは4社。範囲は2025年12月期と2026年3月期の有価証券報告書の事業等のリスクの欄だけ。表(社内のシステムを狙う攻撃・製品やサービスの脆弱性・製品の脆弱性に対応する組織や規程): キヤノンは書いている(CSIRTで対処)・書いている(情報・製品セキュリティのリスク)・書いている(PSIRTを設置)。リコーは書いている(ランサムウェアなど)・書いている(脆弱性を起因とした事故)・書いている(窓口と指針を整備中)。コニカミノルタは書いている(管理者権限の奪取など)・書いている(製品の脆弱性の情報を一元管理)・書いている(KONICA MINOLTA PSIRT)。ブラザー工業は書いている(ランサムウェアなど)・書いている(IoT製品を狙う攻撃)・書いている(報告の経路と体制を社内規程に)。セイコーエプソンは書いている・方針を一言(製品セキュリティーの強化が方針)・書いていない。富士フイルムHD、京セラ、シャープは社内のシステムへの攻撃だけ書いている。有報の言葉から: キヤノンは情報・製品セキュリティのリスクを影響度中・発生可能性高と評価し、8社で唯一サイバーセキュリティの専用の欄を設けた。コニカミノルタは情報セキュリティのリスクを発生可能性高・影響度大と評価。ブラザー工業は製品から個人情報や機密情報が漏れた場合のブランド価値の毀損を挙げる。シャープは取引先のセキュリティの要件や第三者の評価と認証に適合できないと取引の機会を失うおそれがあると書く。まとめ: 製品の脆弱性を経営のリスクとして書く会社と、社内のシステムの守りを中心に書く会社に分かれた。リスクの欄に無いことは、製品の脆弱性に対応していないという意味ではない
8社の有報の「事業等のリスク」が書く情報セキュリティの範囲作成: 編集部 / 出典: 各社の有価証券報告書(EDINET)

社内のシステムを狙うサイバー攻撃は、8社ともリスクとして挙げていました。分かれたのは、自社の製品やサービスの脆弱性に触れているかどうかです。

キヤノンは「情報・製品セキュリティに関連するリスク」という項目を立て、影響度を「中」、発生可能性を「高」と評価しています。社内のCSIRTに加え、製品のセキュリティの問題に対応するPSIRTを置いたとも書いています。8社で唯一、サイバーセキュリティの体制を説明する専用の欄もありました。そこには、情報セキュリティの意思決定の責任者と、国家資格の情報処理安全確保支援士を置いていることまで書かれています。

コニカミノルタは「KONICA MINOLTA PSIRT」の名前を挙げ、製品の脆弱性の情報を全社で一元管理し、公的機関とも連携するとしました。リコーは、製品やサービスの対策が不十分だと「ソフトウェアやシステムの脆弱性を起因とした不正アクセスや情報漏洩」が起きる恐れがあると書き、発売済みの製品も続けて脆弱性を確認するとしています。ブラザー工業の見方はこうです。「IoT製品をターゲットとしたサイバー攻撃の脅威が増大」しているとして、脆弱性が見つかったときの報告の経路と対応の体制を、社内規程で定めました。

セイコーエプソンは、取り組みの方針の中で「製品セキュリティーの強化」に一言触れています。富士フイルムHD、京セラ、シャープのリスクの欄は、社内の情報システムと情報の扱いが中心でした。

目を引いたのは、シャープの書き方です。取引先から求められるセキュリティの要件や、第三者の評価と認証に適合できなければ、「取引機会の喪失」につながるとしています。発注する側の求めが、メーカーにとって経営のリスクになっているのです。セキュリティチェックシートを送る側の情シスとして、覚えておきたい一文でしょう。

念のため書いておくと、リスクの欄に無いことは、その会社が製品の脆弱性に対応していないという意味ではありません。製品ごとの脆弱性と修正版の情報は、各社のサポートのページや、JPCERT/CCとIPAが運営するJVNで公表されます。

複合機の更新とリースの前に確認すること

  1. 社内の複合機とプリンターを、メーカー、型番、ファームウェアの版、置き場所、つないでいるネットワークの区分で一覧にします。リースや保守の契約先も同じ表に並べると、次の作業が早くなります。
  2. 保守やリースの契約書を開き、ファームウェアの更新を誰がいつするのかを見ます。脆弱性が公表されたあとの更新の時期の取り決めがあるかも見ておくと、公表のあとで慌てずに済みます。
  3. JVNでメーカーの名前を検索し、自社の機種が載った公表が過去にあるかを調べます。修正版を当てた記録が社内に残っているかも、あわせて見ておきたいところです。
  4. 次の更新でメーカーを選び直すなら、候補の会社の有報の「事業等のリスク」を開き、製品のセキュリティをどう書いているかを読みます。数字は1期分ではなく、セグメントの売上と利益を2〜3期分並べると、事業の続け方が見えてきます。

紙の量が減っても、複合機は社内のネットワークの中に残ります。メーカー選びは、紙の機械選びというより、ネットワークにつなぐ機器選びになってきました。

よくある質問

Q有報のどこを読めば、同じことを自分で調べられますか。

AEDINETで社名を検索し、最新の有価証券報告書を開きます。会社の大きさは「企業の概況」の主要な経営指標等、事業ごとの売上は「経理の状況」のセグメント情報、セキュリティは「事業の状況」の「事業等のリスク」にあります。

Q複合機の保守やリースの会社も、この8社に入りますか。

A入りません。保守やリースの契約先は、メーカーの子会社のこともあれば、独立した販売会社のこともあります。契約書で相手の正式な社名を見ておくと、問い合わせ先に迷いません。

出典・参考

編集部が確認:。確認した監修者は、この下に載せています。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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