日本証券業協会は2026年9月16日、NISA口座の最新の集計を公表しました。証券会社のNISA口座は約2,227万に増え、米国のIT株に投資する投資信託も人気を集めています。この記事では、年代別のデータと、人気の指数NASDAQ100・FANG+の中身を確かめ、年代ごとの考え方を整理します。
NISA口座は2,227万に 半年で約200万増えた
日本証券業協会の集計では、証券会社のNISA口座は次のように増えています。銀行など証券会社以外の口座は含みません。
| 時点 |
口座数 |
| 2023年12月末 |
約1,428万 |
| 2024年12月末 |
約1,803万 |
| 2025年12月末 |
約2,025万 |
| 2026年6月末 |
約2,227万 |
口座数は、1年前の2025年6月末の約1,920万と比べて約1.2倍です。2026年1〜6月の買付額は11兆5,451億円で、前年同期の約1.3倍でした。内訳は、成長投資枠が8兆7,095億円、つみたて投資枠が2兆8,355億円です。2014年からの累計の買付額は約65.0兆円になりました。
金融庁がまとめたNISAの口座数と累計の買付額の推移(NISAを扱う全金融機関)出典: 金融庁ウェブサイト「NISAの利用状況の推移(グラフ)」(令和8年6月末時点)(公共データ利用規約(第1.0版))
買い方にも特徴があります。NISAの買付額のうち75%が成長投資枠で、その6割は株式の買付けでした。成長投資枠で買った株式の9割は国内株です。NISAの買付額全体では、41%が国内株、54%が投資信託でした。
NISAの2つの枠のおさらい
2024年からのNISAには、2つの枠があります。金融庁の説明をもとに整理します。
| 項目 |
つみたて投資枠 |
成長投資枠 |
| 年間の投資枠 |
120万円 |
240万円 |
| 買えるもの |
長期の積立に向く一定の投資信託 |
上場株式や投資信託など |
| 生涯の非課税保有限度額 |
2つの枠の合計で1,800万円 |
1,800万円のうち1,200万円まで |
金融庁がNISA特設ウェブサイトで示す、つみたて投資枠と成長投資枠の比較表出典: 金融庁ウェブサイト「NISAを知る」(NISA特設ウェブサイト)(公共データ利用規約(第1.0版))
年代別に見ると 30〜50代が口座の6割
年代別の口座数(2026年6月末)と、2026年1〜6月の買付額は次のとおりです。右の2列は、協会の数字から筆者が計算しました。
| 年代 |
口座数 |
1〜6月の買付額 |
1口座あたり |
うちつみたて枠の割合 |
| 10歳代 |
46万 |
324億円 |
約7万円 |
約17% |
| 20歳代 |
323万 |
8,402億円 |
約26万円 |
約38% |
| 30歳代 |
449万 |
2兆1,284億円 |
約47万円 |
約34% |
| 40歳代 |
451万 |
2兆5,411億円 |
約56万円 |
約28% |
| 50歳代 |
412万 |
2兆6,048億円 |
約63万円 |
約24% |
| 60歳代 |
252万 |
1兆8,363億円 |
約73万円 |
約18% |
| 70歳代 |
185万 |
1兆1,519億円 |
約62万円 |
約8% |
| 80歳以上 |
109万 |
4,099億円 |
約38万円 |
約5% |
「1口座あたり」には、この半年に買付けをしなかった口座も含みます。目安として見てください。
30〜50代の口座は合わせて約1,312万で、全体の約6割です。20代はつみたて投資枠の割合が約4割と高く、毎月少しずつ積み立てる人が多いことがうかがえます。60代以上は成長投資枠が中心で、まとまった金額を入れる買い方が多くなっています。
NASDAQ100の中身 テクノロジーが約7割
NASDAQ100は、米ナスダック市場に上場する金融以外の大型株を集めた指数です。Nasdaqの公式資料(2026年6月30日時点)では、銘柄数は102です。業種別ではテクノロジーが68.51%を占めます。
| 順位 |
銘柄 |
比率 |
| 1 |
エヌビディア |
7.60% |
| 2 |
アップル |
6.67% |
| 3 |
マイクロン |
5.64% |
| 4 |
マイクロソフト |
4.35% |
| 5 |
AMD |
4.11% |
| 6 |
アマゾン |
4.03% |
| 7 |
テスラ |
3.30% |
| 8 |
アルファベット(A株) |
3.27% |
| 9 |
インテル |
3.04% |
| 10 |
アルファベット(C株) |
3.03% |
上位10銘柄で約44%になります。2026年の指数の動きは、次のように上下の幅が大きくなりました。
| 時点 |
NASDAQ100の終値 |
2025年末との比較 |
| 2025年末 |
25,249.85 |
基準 |
| 3月30日(年初来の安値) |
22,953.38 |
約9%安 |
| 6月22日 |
30,347.08 |
約20%高 |
| 7月31日 |
28,274.19 |
約12%高 |
| 10月2日(年初来の高値) |
30,807.93 |
約22%高 |
出典はNasdaqの終値です。年初から3か月で約9%下げたあと、半年で3割以上戻しています。結果だけを見ると大きな上昇でも、途中で売らずに持ち続けられたかどうかで結果は変わります。
注目したいのは、メモリメーカーのマイクロンが3位に入っている点です。マイクロンの株価は6月25日から7月31日までに約32%下がりました。指数に投資していても、こうした一部の銘柄の急な値動きの影響を受けます。
FANG+の中身 10銘柄を同じ比率で
NYSE FANG+指数は、米国の大型テック株10銘柄で作る指数です。運営するICEの公式ページ(2026年10月3日時点)では、構成銘柄は次の10社です。
- メタ、アップル、アマゾン、ネットフリックス、マイクロソフト
- アルファベット、マイクロン、エヌビディア、パランティア、ブロードコム
10社とも、NASDAQ100にも含まれています(2026年10月2日時点)。ICEは、構成銘柄を同じ比率で組み入れ、四半期ごとに見直す仕組みだと説明しています。
| 項目 |
NASDAQ100 |
FANG+ |
| 銘柄数 |
102(2026年6月末) |
10 |
| 組み入れ方 |
時価総額に応じた比率 |
同じ比率(1社あたり約10%) |
| 上位の集中 |
上位10銘柄で約44% |
10銘柄で100% |
| 1社の急落の影響 |
比率に応じて受ける |
受けやすい |
使う側から見たIT株 情シスが知っている「値上げの力」
NASDAQ100やFANG+の上位には、情シスが日々お金を払っている会社が並びます。マイクロソフトは2026年7月1日に法人向けMicrosoft 365の定価を上げました。マイクロンが作るメモリは、PCやサーバーの値上げの原因になっています。
値上げをしても顧客が離れにくい会社は、利益を伸ばしやすくなります。情シスは、その「値上げの力」を請求書で毎月見ている立場です。一方で、よく知っている会社だからといって、株価が上がり続けるとは限りません。2026年7月のメモリ株の急落のように、業績が良くても株価が大きく下がることがあります。
逆に、投資のために決算を読む習慣は、仕事にも役立ちます。取引先のIT企業がどこで稼ぎ、どこに投資しているかが分かれば、値上げや製品の方針転換を早めに予想しやすくなります。
年代別の考え方 リスクと集中に注意する
ここでは、特定の商品を勧めるのではなく、年代ごとに確かめておきたい点を並べます。
| 年代 |
時間の余裕 |
確かめておきたいこと |
| 20代 |
長い。つみたて枠の割合が高い |
急な出費に備える預金を先に確保しているか。1つの指数に偏っていないか |
| 30〜40代 |
長め。教育や住宅の出費が重なる |
数年以内に使う予定のお金を、値動きの大きい資産に入れていないか |
| 50代 |
退職までの期間を意識する |
取り崩す時期から逆算して、下落したときの金額の幅を把握しているか |
| 60代以上 |
取り崩しの時期に入る |
下落した年に売らずに済む配分か。成長投資枠の集中が大きすぎないか |
どの年代でも、米国株の投資信託は為替の影響を受けます。円高になると、株価が変わらなくても円での評価額は下がります。
表の4つの年代に共通するのは、「いつ使うお金か」で置き場所を分けるという考え方です。値動きの大きいIT株の指数は、すぐに使わないお金で持つほど、途中の下落に耐えやすくなります。
こどもNISA 2027年1月から0〜17歳も対象に
財務省は2025年12月26日、「令和8年度税制改正の大綱」を公表しました。この中で、NISAのつみたて投資枠を0〜17歳に広げることが示されています。一般に「こどもNISA」と呼ばれる仕組みです。
| 項目 |
内容 |
| 始まる時期 |
2027年から(各年1月1日に18歳未満である年などが対象) |
| 年間の投資枠 |
60万円 |
| 非課税で持てる上限 |
600万円 |
| 買える商品 |
つみたて投資枠の対象となる公募株式投資信託 |
| 引き出し |
原則として18歳になる年の前年末まで不可。12歳以降は教育費や生活費に限り、親権者の手続きで可能 |
三菱UFJフィナンシャル・グループは8月14日に、こどもNISAの取り扱いを発表しました。手続きの受付は2026年10月から始めるとしています(こどもとIT)。同じ記事は、18歳になった後に大人のNISAへ非課税保有限度額を引き継ぐ仕組みも予定されていると伝えています。
使う時期が決まっている教育費を、値動きのある投資信託だけで準備するかどうかは家庭ごとの判断です。いつ、いくら必要かを先に書き出しておくと、枠を埋めること自体が目的になるのを防げます。
今日からできること
- 自分のNISA口座で、つみたて投資枠と成長投資枠の今年の使用額を確かめる
- 持っている投資信託の上位10銘柄と比率を、運用会社の月次レポートで確かめる
- 勤め先の業種と、持っている資産の業種や国が重なっていないかを確かめる
- 子どもがいる人は、こどもNISAの受付時期と取扱商品を、利用する予定の金融機関で確認する
- 預金や企業型の確定拠出年金も含めて、資産全体の中でIT株がどれくらいの割合かを書き出す
NISAは非課税で長く持てる制度ですが、値下がりのリスクがなくなるわけではありません。この記事は売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。