Appleは9月9日、初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」を発表しました。価格は364,800円からで、10月16日に予約が始まり、23日に発売されます。9月18日に発売されたiPhone 18 Proと合わせて、会社のスマホとして選ぶときの考え方を整理します。
iPhone DuoとiPhone 18 Proの価格と仕様
まずはApple公式の情報で、2機種の違いを並べます。価格はすべて税込です。
| 項目 |
iPhone Duo |
iPhone 18 Pro |
iPhone 18 Pro Max |
| 価格 |
364,800円から |
219,800円から |
239,800円から |
| 36回払い |
月10,133円から |
月6,105円から |
月6,661円から |
| 容量 |
256GB・512GB・1TB・2TB |
256GB・512GB・1TB・2TB |
同左 |
| 予約・発売 |
10月16日21時予約、23日発売 |
9月12日予約、18日発売 |
同左 |
| 画面 |
内側7.6インチ、外側5.4インチ |
|
|
| 重さ |
254g |
211g |
249g |
| 厚さ |
開いて5.2mm、閉じて11.3mm |
8.75mm |
8.75mm |
| 生体認証 |
Touch ID(サイドボタン) |
Face ID |
Face ID |
| SIM |
eSIMのみ |
日本はeSIMのみ |
同左 |
Appleが発表に載せたiPhone Duo。左は折りたたんだ状態、右は開いた状態出典: Apple(引用)
iPhone Duoの価格は、256GBが364,800円、512GBが399,800円です。1TBは469,800円、2TBは574,800円です(Apple Storeの10月3日時点)。純正ケースは14,800円、スタンド付きのフォリオは24,800円です。
閉じた状態の外側の画面は、iPhone 18 Proの画面の90%の広さがあるとAppleは説明しています。開くと内側の画面は、iPhone 18 Pro Maxより50%大きくなります。
バッテリーは1日の外回りに足りるか
Appleの試験では、iPhone Duoは内側の画面を使うと最大31時間、外側の画面なら最大44時間のビデオ再生ができます。両方を同じくらい使う場合は、最大24時間です。
60W以上の電源アダプタ(別売り)を使うと、約20分で50%まで充電できるといいます。iPhone 18 Proは最大36時間、iPhone 18 Pro Maxは最大45時間です。いずれもApple社内の試験条件での数字で、実際の使い方で変わります。
カメラは2つで、望遠は2倍まで
iPhone Duoの背面カメラは、48MPのメインと48MPの超広角の2つです。望遠は、メインカメラを使った光学品質の2倍までとAppleは説明しています。TrendForceは、厚みを抑えるために専用の望遠カメラを省いたと分析しています。
設備の点検など、離れた場所を撮る仕事に使うなら、実機で写りを確かめてから決めましょう。
参考にしたい「普通の社用スマホ」との差
社用でよく選ばれる価格帯と比べると、差がはっきりします。Apple Storeでは、iPhone 17eが124,800円から、iPhone 17が159,800円です(10月3日時点)。iPhone Duoの最安モデルは、iPhone 17eの約2.9倍にあたります。
社用スマホとして見たときの5つの論点
1. 価格:1台で一般的な機種の約3倍
10台そろえると、最安モデルでも364万8000円です。Appleの36回払いで月10,133円なので、3年使う前提なら1台あたり月1万円強と考えると予算の話がしやすくなります。
iPhone 17は、2025年9月の発表時の129,800円から、今は159,800円になっています。メモリなど部品の高騰が続いており、発売後に価格が変わる例もあることは頭に入れておきましょう。
2. 耐久:Appleの説明と、まだ分からないこと
Appleによると、本体はグレード5チタニウム製で、IP68等級の防水・防じん(最大水深6メートルで最大30分)です。ヒンジは100以上の部品で構成され、内側の画面は傷に強い層で守られているといいます。
一方、何年使うと折り目やヒンジがどうなるかは、発売前の今はまだ分かりません。修理の料金も、導入前にAppleや販売店で確かめておきましょう。社用で何年使うかは、発売後の情報を見てから決めるのが安全です。
3. 管理(MDM):先に確かめる4点
MDM(会社のスマホをまとめて設定・管理する仕組み)で運用している会社は、次の点を先に確かめてください。
| 確かめること |
理由 |
| MDM製品がiOS 27とiPhone Duoに対応しているか |
新しい画面構成や機能に設定が追いついているか |
| 生体認証の方針がTouch IDでも成り立つか |
Face ID前提の手順書や規程がないか |
| eSIMの再発行の手順と担当 |
機種変更や故障交換のたびに回線の手続きが要る |
| 業務アプリが大きな画面で崩れないか |
2つの画面で表示が変わるため、入力画面を実機で試す |
Appleは法人向けに「Apple Business」というサービスを用意しています。デバイスの管理からITサポートまでをまとめて提供すると説明しています。導入前に、自社のMDMの販売元にもiPhone Duoへの対応時期を問い合わせておきましょう。
4. リース・保守・会計
高額な端末ほど、買い方で負担の形が変わります。リースなら初期費用は抑えられますが、途中で解約するときの扱いや、故障や紛失のときに誰がいくら負担するかを契約書で確かめる必要があります。
高額な端末なので、修理費の負担を抑えられる保守(AppleCare+や販売店の保守)を付けるかどうかも大事な判断材料です。取得価額によって会計の処理が変わるため、購入の前に経理や税理士にも相談してください。
5. 紛失・盗難のリスク
1台の損失額が大きいため、紛失したときの手順を決めておきます。MDMでの遠隔ロックと消去、回線の停止、警察への届け出、保険の請求までを、誰が何時間以内に行うかを書き出しておくと慌てません。
Appleの仕様では、iPhone Duoは衛星経由の「探す」にも対応しています。圏外での紛失に備え、配る前に「探す」が有効になっているかと、MDMから遠隔ロックできるかを試しておきましょう。
どんな人なら社用でもアリか
全社員に配る機種ではありません。用途がはっきりしている人に絞れば、選ぶ理由は十分にあります。
| 向いている人・場面 |
向いていない人・場面 |
| 外出先で資料や図面を広げて確かめる営業や現場の責任者 |
電話とチャットが中心の業務 |
| 地図とメモ、資料とWeb会議など、2つのアプリを並べて使う人 |
落下や粉じん、水しぶきが多い現場 |
| スマホとタブレットの2台持ちを1台にまとめたい人 |
同じ機種で大量にそろえたい部署 |
| 移動が多い経営者や役員 |
1台あたりの予算が限られている部署 |
市場ではまだ少数派
調査会社TrendForceは、2026年のiPhone Duoの出荷を約500万台と推計しています。折りたたみスマホ市場でのシェアは24.8%です。それでも、折りたたみスマホはスマホ市場全体の約2%にとどまる見込みです。
そのため、ケースなどの周辺機器や業務アプリ、MDMの細かな対応が、普通の機種ほど早くそろうとは限りません。
iPhone 18 Proという選択肢
大きな画面が要らないなら、iPhone 18 Proが現実的な上位機種です。価格は219,800円からで、iPhone 17 Proの発表時の179,800円より4万円高くなりました。
Appleが発表に載せたiPhone 18 Proの4色。背面のカメラは3つ出典: Apple(引用)
形は従来どおりで、Face IDも使えます。今の手順書やケース、周辺機器をそのまま使いやすい点は、台数が多い会社ほど助かります。社員の役割ごとに機種を分けると、予算と使い勝手の両方を保ちやすくなります。
| 社員の区分 |
候補の例 |
考え方 |
| 一般の社員 |
iPhone 17eなど |
電話、チャット、メールが中心なら十分 |
| 撮影や資料確認が多い社員 |
iPhone 18 Pro |
カメラと電池の持ちを重視 |
| 出先で資料を広げる管理職・営業 |
iPhone Duo |
2台持ちをやめられるかで判断 |
iOS 27では、対応する通信事業者を使っていれば、同じ電話番号の2台のiPhoneを切り替えられる機能も入りました。外出用と社内用で2台を使い分けたい人は、回線の契約がこの機能に対応しているかを確かめてください。
会社で試すならこの順番で
- 使う人と用途を書き出す(誰が、どの業務で、何が速くなるか)
- 1〜2台を買い、1〜3か月試す
- MDMの設定、業務アプリの表示、eSIMの手続きを確かめる
- 保守やリースの見積をとり、修理費と紛失時の負担を決める
- 貸与の規程を直し、本格的に導入するかを決める
個人で買うときの考え方
個人で買う場合も、考えることは似ています。新しい形の製品なので、発売後のレビューや不具合の報告を見てから決めても遅くはありません。
| 考えること |
目安 |
| 予算 |
36回払いなら月10,133円から。今のスマホの下取りも確かめる |
| 容量 |
写真や動画を本体に多く残すなら512GB以上。クラウドを使うなら256GBでも足りることが多い |
| 重さ |
254gで、iPhone 18 Pro Maxの249gとほぼ同じ |
| 保守 |
高額なので、購入時にAppleCare+を付けるかを決めておく |
| 仕事でも使うか |
私物を仕事に使うなら、会社の規程とMDMの登録範囲を確かめる |
iPhone Duoは、年内にApple Pencil(USB-C)に対応する予定だとAppleは発表しています。手書きのメモを重視する人は、対応を待ってから判断する方法もあります。
今日からできること