アイ・オー・データ機器は2026年10月21日、Windows を載せた法人向けのNAS 「LAN DISK Z」シリーズが、リモートデスクトップ でのログインを守る「多要素認証 」と「ワンタッチセキュア」に対応したと発表しました。LAN DISK Zは、中身がWindows Server IoTのため、リモートデスクトップで管理できます。その入口を、パスワードだけで開けられない形にする機能です。社内のファイルサーバーにLAN DISK Zを使っている会社は、外からの接続の口を見直すきっかけになります。
何が追加されたか
アイ・オー・データ機器の10月21日の発表。Windows Server IoT 2025・2022の機種だけが対象 出典: アイ・オー・データ機器「Windows NAS「LAN DISK Zシリーズ」が「多要素認証」「ワンタッチセキュア」に対応!」 (引用)
機能
中身
多要素認証
リモートデスクトップでのログインのときに、ユーザー名・パスワードに加え、認証アプリが出すワンタイムのコードの入力を必須にする。両方で認証できなければログインできない
対応する認証アプリ
Google Authenticator(Android・iOS)、Microsoft Authenticator(Android・iOS)、WinAuth(Windows)
ワンタッチセキュア
リモートデスクトップでのログインの前に、本体の前のボタンを押す必要がある。ボタンを押さなければ接続が許されない
対象
Windows Server IoT 2025とWindows Server IoT 2022を載せたLAN DISK Zの機種だけ
多要素認証の流れとワンタッチセキュアの説明(アイ・オー・データ機器) 出典: アイ・オー・データ機器「Windows NAS「LAN DISK Zシリーズ」が「多要素認証」「ワンタッチセキュア」に対応!」 (引用)
ワンタッチセキュアは、本体に近づける人でなければ、リモートデスクトップで入れない仕組みです。アイ・オー・データ機器は、2025年2〜3月にLinuxを載せたLAN DISKの管理画面向けに、同じ名前の2つの機能をファームウェアの更新で出していました。今回は、Windowsを載せたLAN DISK Zのリモートデスクトップに広げた形です。
発表には、機能を入れる手順(更新の配り方)、初期の設定で有効かどうか、共有フォルダーへの接続にも効くかどうかは書かれていません。
リモートデスクトップは、ランサムウェアの入口
警察庁は、2025年上半期のサイバー空間の情勢の資料で、ランサムウェアの被害の侵入の経路は、VPNやリモートデスクトップの機器が全体の8割以上を占めるとしています。原因には、その機器のIDやパスワードがとても簡単だったことや、不要なアカウントが管理されずに残っていたことを挙げています。
NASは、会社の大事なファイルがまとまっている場所です。リモートデスクトップの口がインターネットに出たまま、簡単なパスワードで守られていると、そこから入られて、ファイルごと暗号化されるおそれがあります。多要素認証は、パスワードを当てられたり盗まれたりしても、それだけでは入れなくする守りです(当社の見立て)。
VPNと既知の脆弱性からの侵入については、FBIなどがSafePayランサムウェアに注意喚起 VPNと既知の脆弱性が入口 でも取り上げています。
影響する会社・しない会社
影響する: LAN DISK Zシリーズ(Windows Server IoT 2025・2022を載せた機種)を、社内のファイルサーバーとして使っている会社です。リモートデスクトップで管理しているなら、新しい機能を使えます。
影響する: 保守の会社が、リモートデスクトップでLAN DISK Zを外から保守している会社です。多要素認証やワンタッチセキュアを有効にすると、保守のときの手順が変わります。
影響しない: Windows Server IoT 2022より前のOSを載せた古いLAN DISK Zは、今回の対象外です。また、Linuxを載せたLAN DISKは、2025年に管理画面向けの同じ機能が出ています。
情シスが今日やること
LAN DISK Zの型番とOSを確かめる。 社内のNASを一覧にし、LAN DISK Zなら、Windows Server IoT 2025か2022かを確かめます。古いOSの機種は今回の機能が使えないため、置き換えの時期も見ます。
リモートデスクトップの口がどこから開いているかを見る。 ルーターやファイアウォールで、NASのリモートデスクトップ(既定は3389番)をインターネットに出していないかを確かめます。出しているなら、まず閉じ、外から管理するときはVPNの中からだけにします(当社の見立て)。
多要素認証を有効にする段取りを決める。 アイ・オー・データ機器のサポートの情報で手順を確かめ、管理者のアカウントから多要素認証を有効にします。認証アプリを入れる端末と、なくしたときの戻し方を先に決めます。
ワンタッチセキュアを使うか決める。 本体のボタンを押せる人が近くにいる会社では、ふだんはリモートデスクトップを閉じておけるため、強い守りになります。保守の会社に頼んでいる場合は、ボタンを押す役を誰がするかを、保守の会社と決めます。
アカウントを棚卸しする。 警察庁が原因に挙げた「不要なアカウント」をなくすため、NASに残っている使っていない管理者や、テスト用のアカウントを消し、簡単なパスワードを替えます。
NASの調達の予算の話は、アイ・オー・データ機器、149型番を価格改定へ NASの調達予算を確認 で取り上げています。