八王子学園八王子中学校・高等学校が、学校を標的にしたランサムウェア攻撃について第2報を公表しました。侵入の経路はリモートデスクトップ接続(RDP)だったと考えられ、学校は今後これを遮断するとしています。
何が起きたのか(経緯)
学校の第2報によると、経緯は次のとおりです。
- 2026年4月26日: 攻撃者が不正な手段でファイアウォールを突破し、サーバにリモートデスクトップ接続(RDP)でログインして内部に侵入
- 2026年7月8日: 別の不正アクセスがあったが、侵入には失敗
- 2026年7月10日未明: 校内のサーバへ侵入し、同日早朝にランサムウェアを実行
初報は7月13日、第2報は9月30日に公表されています。学校は、RDPが攻撃者の侵入経路と考えられるとして、安全性を優先してネットワークを再構築し、今後RDPを遮断するとしています。
八王子学園八王子中学校・高等学校が公表した「本校を標的にしたサイバー攻撃について(第2報)」出典: 八王子学園八王子中学校・高等学校(引用)
影響を受けるのは誰か
攻撃により、サーバに保存されていたすべてのファイルと、一部の教職員端末のファイルが暗号化されました。暗号化されたファイルには、在校生・卒業生とその保護者、受験生とその保護者、教職員、退職者の個人情報を含むものが含まれます。生徒が「情報」の授業で作成したファイルも暗号化されたとしています。
個人情報を含むファイルの外部への流出は確認されておらず、ファイルの圧縮やクラウドへのアップロードも確認されていないとしています。ただし、攻撃者により一部のログが消去されているため、流出を完全には否定できないとしています。暗号化されたファイルを元に戻す見込みは立っておらず、技術的にも極めて困難だとしています。学校は対策本部を設け、警察、外部の専門家、顧問弁護士の助言を受けながら、原因究明と復旧を進めているとしています。
情シスが今日やること
- RDPの使い方を見直す: インターネットから直接つながるRDPは、ランサムウェアの代表的な入り口です。外部に開いたRDPがないかを確認し、必要な場合はVPNと多要素認証の内側に置く、使わないものは遮断する、といった形に見直します
- 入り口の守りを固める: ファイアウォールの設定、管理者やリモート接続のアカウントの棚卸し、多要素認証、機器のパッチを確認します。推測されやすいパスワードや、使い回しがないかも見直します
- バックアップと復旧を確かめる: 今回のように、暗号化されたファイルは戻せないことがあります。切り離した(オフラインの)バックアップがあるか、実際に戻せるかの復旧試験をしているかを確認します
- ログを守る: 今回は一部のログが消されたことで、流出を完全に否定できない状態になりました。重要なログは、攻撃者が消しにくい別の場所にも残す(集約・保全する)ことを検討します
- 教育・小規模な組織ほど備えを: 学校のように、個人情報を多く持ちながら専任の担当が限られる組織は狙われやすいといえます。入り口の遮断とバックアップという基本を、優先して固めます
ランサムウェアは、入られてしまうと復旧が極めて難しくなります。だからこそ、RDPなどの入り口を塞ぎ、戻せるバックアップを用意し、ログを守るという平時の備えが、被害の大きさを分けることになります。