本文へ移動
情シスのミカタ
ニュース約5分で読めます

キャッシュDNSのUnboundに脆弱性5件 DoQで停止の恐れ、1.26.2へ

オランダのNLnet Labsは2026年10月21日、キャッシュDNSサーバーUnboundの1.26.2を出し、脆弱性5件を直しました。DNS over QUICの処理で止まる恐れ(深刻度High)や、DNSSECの検証が外れる欠陥などです。Debianも10月23日、Debian 13向けの更新(DSA-6581-1)を出しました。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
文字
キャッシュDNSのUnboundに脆弱性5件 DoQで停止の恐れ、1.26.2へ

この記事のまとめ

  • NLnet Labsは10月21日、Unbound 1.26.2を出し、脆弱性5件を直しました。最も重いのは、DNS over QUIC(DoQ)の処理で解放済みのメモリーを使い、止まる恐れがある欠陥です(CVE-2026-97206、深刻度High、CVSS 3.1で7.5)。
  • ほかの4件は、独自のトラストアンカーを設定したときのDNSSECの検証外れ2件、名前の圧縮の処理でCPUを使わされる欠陥、既定でない設定でのキャッシュポイズニングの恐れです。
  • Debianは10月23日、Debian 13向けに1.26.2-0+deb13u1(DSA-6581-1)を出しました。Debianの追跡のページでは、Debian 12は9月の重大な欠陥も含めて未修正のままです(10月23日時点)。
こんな方に#30代#40代#50代実務

オランダのNLnet Labsは2026年10月21日、キャッシュDNSサーバーのソフト「Unbound」の1.26.2を出し、脆弱性5件を直しました。最も重いのは、DNS over QUIC(DoQ)の処理で止まる恐れがある欠陥で、深刻度は「High」です。ほかに、DNSSECの検証が外れる欠陥や、キャッシュに偽の情報を入れられる恐れがある欠陥もあります。

Debianも10月23日、Debian 13(trixie)向けの更新(DSA-6581-1)を出しました。社内のDNSでUnboundを使っている会社は、版を確かめてください。

直った5件

NLnet LabsのUnboundのセキュリティの告知。題は『DNS-over-QUIC path-migration can lead to use-after-free on multi-threaded deployments』。日付2026-10-21、CVE-2026-97206、報告者は清華大学のKunta ChuさんとJianjun Chenさん、対象はUnbound 1.22.0から1.26.1まで、ほかの版は対象外、深刻度High、影響はサービス不能、対策は直った版を入れるかパッチを当てる。本文は、複数のスレッドで動かしているとき、遠隔のDoQのクライアントから届く欠陥と説明している
NLnet Labsの告知。DoQの欠陥は1.22.0〜1.26.1が対象で、深刻度High出典: NLnet Labs「Unbound - Security Advisories」(引用)

NLnet Labsの告知によると、5件は次のとおりです。

CVE 内容 当たる版 深刻度
CVE-2026-97206 DoQ(QUICで暗号化したDNS)で、接続の経路が変わったあと、解放済みのメモリーを使って止まる。複数のスレッドで動かしているとき 1.22.0〜1.26.1 High(CVSS 7.5)
CVE-2026-50106 独自のトラストアンカー(検証の起点)を設定したゾーンで、偽の「存在しない」応答を1つ受け入れ、検証が外れる 1.26.1まで Medium(CVSS 6.5)
CVE-2026-96405 名前の圧縮の印(ポインター)を多く連ねた応答で、CPUを使わされ、性能が落ちる 1.26.1まで Medium(CVSS 5.3)
CVE-2026-109125 既定でない設定「unwanted-reply-threshold」を使うと、キャッシュの消え方から送信元のポートを探られ、偽の情報を入れられる恐れ 1.26.1まで Medium(CVSS 5.3)
CVE-2026-35501 独自のトラストアンカーを設定したゾーンで、偽のNSECの応答を受け入れ、検証が外れる 1.0.1〜1.26.1 Low(CVSS 3.7)

当たる条件は、件ごとに違います。

  • DNSSECの2件(CVE-2026-50106、CVE-2026-35501)は、ルートのトラストアンカーに加えて別のトラストアンカーを設定し、そのゾーンの親が署名されていない場合の話です。
  • CVE-2026-109125は、告知によると、既定の設定では成り立ちません。推奨の値(1,000万)なら、公開のDNSでは成功しにくいとしています。ただし、問い合わせを続けて保てる場合は、キャッシュポイズニングが現実の道筋になると書いています。
  • CVE-2026-96405は、問い合わせをする権利と、細工した応答を返す権威DNSを持つ攻撃者が使えます。1.26.2では、1つの応答で圧縮の印をたどる数に、合計2,048までの上限を設けました。

すぐに上げられない場合のために、NLnet Labsは、件ごとのパッチと、5件をまとめたパッチも出しています。

NLnet Labsは9月16日の1.26.1でも、9件を直していました。その中には、DNSKEYの処理でメモリーがあふれ、遠隔からのコード実行の恐れがある重大(Critical)な欠陥(CVE-2026-81642)も含まれます。1.26.0以前を使っている場合は、こちらも当たります。

Debian 13は直り、Debian 12は未修正

Debianのセキュリティの告知DSA-6581-1(2026年10月23日)。パッケージはunbound、CVEはCVE-2026-35501、CVE-2026-50106、CVE-2026-96405、CVE-2026-97206、CVE-2026-109125。検証をするキャッシュDNSのUnboundで複数の脆弱性が見つかったとあり、5件それぞれの短い説明が並ぶ。最後に、安定版(trixie)では1.26.2-0+deb13u1で直ったと書かれている
DebianのDSA-6581-1。Debian 13のunboundを1.26.2-0+deb13u1で直した出典: Debian「[SECURITY] [DSA 6581-1] unbound security update」(引用)

DebianのDSA-6581-1は、Debian 13のunboundを1.26.2-0+deb13u1にする更新です。Debian 13は、Unboundを1.26.2そのものに上げる形で直しています。前回のDSA-6507-1でも、1.26.1に上げていました。

Debian unboundの版 状況(10月23日時点)
Debian 13(trixie) 1.26.2-0+deb13u1 DSA-6581-1で直った
Debian 12(bookworm、LTS) 1.17.1-2+deb12u4 追跡のページでは未修正(vulnerable)
開発版(sid) 1.26.2-1 直った

Debianの追跡のページでは、Debian 12のunboundは、今回の5件だけでなく、9月のCritical(CVE-2026-81642)も未修正です。Debian 12は、長期の支援(LTS)の期間にあり、2028年6月30日まで続きます。

Ubuntuが10月21日に出したUnboundの修正(USN-8946-1)は、それより前の欠陥についてで、今回の5件は入っていません(CVEの一覧で確認)。USN-8946-1は権威DNSのKnot DNSに修正 3.6.2と3.5.10へ、DoSの恐れにまとめています。

DNSのソフトの修正は、この週に相次いでいます。BIND 9に脆弱性3件 GSS-TSIGで遠隔実行の恐れ、9.20.30へとPowerDNS Recursorに脆弱性7件 5.3.12と5.4.8へ更新をも、あわせて確かめてください。

影響する会社・しない会社

  • 影響する: Unbound 1.26.1以前を、社内やデータセンターのキャッシュDNSサーバーとして使っている会社です。
  • 影響する(とくに急ぐ): DoQで問い合わせを受け付け、複数のスレッドで動かしている会社です。CVE-2026-97206は1.22.0以降が当たります。
  • 影響する: ルートのほかに独自のトラストアンカーを設定している会社や、unwanted-reply-thresholdを0より大きくしている会社です。
  • 影響する: Debian 12でUnboundを動かしている会社です。10月23日時点で、Debianから直ったパッケージは出ていません。
  • 影響しない: Unboundを使っていない会社です。DNSをクラウドやレンタルのサービスに任せている場合は、提供元が対応します。

情シスが今日やること

  1. 版を確かめます。 unbound -V で版を見ます。1.26.1以前なら当たります。
  2. 上げます。 Debian 13は、aptでunboundを1.26.2-0+deb13u1に上げ、サービスを再起動します。ソースから入れている場合は、1.26.2にするか、NLnet Labsのパッチを当てます。
  3. Debian 12は手当てを決めます。 LTSの更新を待つあいだ、access-control で社外からの問い合わせを受けない設定になっているかを確かめます。Debian 13への移行の予定も立てます(当社の見立て)。
  4. 設定を見直します。 unbound.confで、quic-port(DoQ)、ルート以外の trust-anchor や trust-anchor-file、unwanted-reply-threshold を使っているかを見ます。使っていれば、上げるのを急ぎます(当社の見立て)。
  5. 製品の中のUnboundを確かめます。 ファイアウォールやルーターなどの製品にも、DNSの機能にUnboundを使うものがあります。メーカーの告知を確かめます(当社の見立て)。

よくある質問

QDoQを使っていなくても当たりますか。

ANLnet Labsの告知では、CVE-2026-97206は、DoQのクライアントから届き、複数のスレッドで動かしているときに起きるとされています。DoQで問い合わせを受けていなければ、この1件には当たらないと考えられます(当社の見立て)。ほかの4件のうち、CVE-2026-96405には設定の条件が書かれていないため、1.26.2に上げるのが基本です。

QDebian 12(bookworm)はどうすればよいですか。

ADebianの案内では、Debian 12は今、長期の支援(LTS)の期間にあり、2028年6月30日まで続きます。10月23日時点で、Debianの追跡のページは、Debian 12のunbound(1.17.1-2+deb12u4)を、今回の5件と9月の欠陥のどちらも「vulnerable(未修正)」としています。LTSの更新(DLA)を待つあいだの守りと、Debian 13への移行の予定を決めます(当社の見立て)。

Qルーターやファイアウォールの中のUnboundはどうですか。

A今回の告知は、Unbound本体についてです。製品に組み込まれたUnboundの対応は、それぞれのメーカーの告知を確かめます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月23日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、いいねと共有をお願いします