PowerDNSは2026年10月21日、キャッシュDNSサーバーのソフト「PowerDNS Recursor」の脆弱性7件を公表しました。同じ日に出た5.3.12と5.4.8で直っています。ドイツのCERT-Bundも、深刻度「中」の注意情報(WID-SEC-2026-4077)を出しました。
キャッシュDNSサーバーは、社内のパソコンやサーバーからの名前の問い合わせを受けて、外のDNSに聞きに行く仕組みです。止まると、社内からWebやメールが使えなくなります。この記事の内容は、2026年10月21日にPowerDNSの勧告で確かめたものです。
7件の中身

PowerDNSによると、7件のうち3件が深刻度「High」、残りが「Medium」か「Low」です。対象の版は、どれも5.3.11以前と5.4.7以前で、5.3.12と5.4.8で直りました。PowerDNSは、7件ともシステムを乗っ取られる恐れは無いとしています。

High の3件は、次のとおりです。
- CVE-2026-73206(CVSS 7.5): 悪意のあるサーバーが細工した応答を送ると、DNSの名前の展開に資源を使い切り、サービスが止まります。PowerDNSは、複数のDNSのソフトに共通する問題で、ほかの会社も修正版を出しているとしています。
- CVE-2026-85555(CVSS 7.5): NSのレコードが、社内向けなど別に持つゾーンを指す場合に、その後の処理でDNSSECの検証が飛ばされます。キャッシュに偽の情報が入る恐れがあります。
- CVE-2026-85556(CVSS 5.9): EDNSの情報(OPTのレコード)の持ち主の名前を確かめず、ECS(問い合わせ元の範囲を伝える仕組み)の守りをすり抜けます。
Medium と Low の4件は、TCPの接続を大量に残させて外への接続を作れなくする不具合、内蔵のWebの窓口を1つの相手に独占される不具合、範囲の外を読んで落ちる恐れのある不具合、小さなメモリーの漏れです。内蔵のWebの窓口の件は、TLSを有効にしている場合だけで、初期の設定ではTLSは無効です。範囲の外を読む件は、incoming.use_incoming_edns_subnet を有効にしている場合だけです。
勧告に悪用の記載はありません。米CISAの悪用が確認された脆弱性の一覧(KEV)にも、10月21日時点で載っていません。










