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strongSwanに脆弱性11件 6.1.0で修正、IKEv1は既定で無効に

Linuxで広く使われるIPsec VPNのソフト「strongSwan」は、6.1.0で脆弱性11件を直しました。認証の前に使える通信路ができる件、認証した相手がコードを動かせるかもしれない件、EAPで別の人になりすませる件を含みます。6.1.0ではIKEv1が既定で無効になります。各Linuxの修正の状況と、拠点間VPNで確かめることを整理します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
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strongSwanに脆弱性11件 6.1.0で修正、IKEv1は既定で無効に

この記事のまとめ

  • IPsec VPNのソフトstrongSwanは2026年9月7日、6.1.0を出し、脆弱性11件を直しました。AIを使った解析の改善で見つかったとしています。多くはクラッシュやメモリの使い尽くしによる停止ですが、認証の前に使える通信路(Child SA)ができる件、認証した相手がコードを動かせるかもしれない件、EAPで別の人になりすませる件も含みます。
  • Debian 13・Ubuntu 22.04/24.04/26.04・Fedora・SUSEは9〜10月に更新を出し、SUSEとopenSUSEは10月18〜20日にも追加しました。Debian 12(bookworm)は10月21日時点で、10件が「影響あり」のままです。
  • 6.1.0ではIKEv1が既定で無効になり、将来の版で削除されます。古いルーターなどとIKEv1で拠点間VPNを結んでいる場合は、上げる前に設定を確かめます。
こんな方に#30代#40代#50代実務

Linuxで広く使われるIPsec VPNのソフト「strongSwan」は、2026年9月7日に出した6.1.0で、脆弱性11件を直しました。拠点間のVPNや、社外からのリモートアクセスのサーバーに使われるほか、VPNの機器やルーターの中に入っていることもあります。各Linuxの更新は9月から10月にかけて出そろいつつあり、ドイツのCERT-Bundも10月20日に、SUSEの更新を加えて注意情報を直しました。6.1.0ではIKEv1が既定で無効になるため、上げる前の確認も要ります。

11件の中身

開発元によると、11件は、AIを使ったセキュリティの解析の改善によって見つかりました。報告者には、AIの解析の研究の団体の名前も並んでいます。

strongSwanの公式ブログの6.1.0のリリースノートの見出しEleven Vulnerabilities Fixed。AIを使ったセキュリティの解析の改善で11件が見つかり直したとし、CVE-2026-78123から78135までの11件を、部品(openssl、eap-aka、libcharon、libstrongswan、x509、eap-peapとeap-ttls)、起きること(クラッシュ、メモリの使い尽くし、解放後のメモリの利用とコードの実行のおそれ、IDの結びつけの誤りと認可のすり抜け、認証の前に使えるChild SAができること)、対象の版とともに並べている
strongSwan 6.1.0のリリースノート。直した11件の一覧(英語)出典: strongSwan「strongSwan 6.1.0 Released」(引用)
CVE 部品 起きること 対象の版 NVDの点数
CVE-2026-78133 libcharon(IKEv2) 鍵の更新が重なったときに解放後のメモリを使う。認証した相手がコードを動かせるかもしれない 6.0.0以降 7.5
CVE-2026-78135 libcharon(IKEv2) 確立していない接続への要求で、認証の前に使える通信路(Child SA)ができうる 5.9.7以降 5.6
CVE-2026-78134 eap-peap・eap-ttls 内側のEAPの認証の情報の受け渡しの誤りで、別の利用者になりすませる 4.5.0以降 7.1
CVE-2026-78130 x509 属性証明書の検証でクラッシュ 4.2.0以降 7.5
CVE-2026-78132 x509 属性証明書の読み取りで処理が止まらなくなる 5.1.3以降 7.5
CVE-2026-78131 x509 属性証明書の読み取りでメモリが少しずつ減る 4.2.0以降 3.7
CVE-2026-78123 openssl PKCS#7の処理でクラッシュ(IKEv1経由) 5.0.2以降 5.9
CVE-2026-78124 openssl PKCS#7の証明書の処理でメモリが減る(IKEv1経由) 5.0.2以降 3.7
CVE-2026-78129 libstrongswan 暗号化したPKCS#7の処理で処理が止まらなくなる(IKEv1経由) 4.6.2以降 5.9
CVE-2026-78126 eap-aka 想定外の応答でクラッシュ 4.1.10以降 5.9
CVE-2026-78127 libcharon 通信の記録の処理でメモリが減る 4.1.2以降 3.7

どれも6.1.0で直り、開発元は古い版向けのパッチも出しています(一部は、とても古い版には出していません)。告知には、悪用の記載はありません。米CISAのKEVにも、10月21日時点で載っていません(当社調べ)。

注意が要る3件

CVE-2026-78133(コードの実行のおそれ)。IKEv2で、両方の側が同時に鍵の更新を始め、しかも複数の鍵交換を使う場合の処理に誤りがありました。開発元は、コードの実行は「ありうる」としつつ、攻撃者は認証を済ませている必要があり、2段階の条件をそろえる必要があるとしています。複数の鍵交換を受け付けないサーバーは対象外です。

CVE-2026-78135(認証の前の通信路)。クライアントがEAPで認証している途中に、鍵の更新の要求が届くと、認証が終わる前に通信路ができうるものでした。ただし、サーバーが仮想IPのアドレスの払い出しを使い、相手側の通信の範囲を既定(dynamic)にしている、よくあるリモートアクセスの構成では起きないとしています。できた接続は、30秒で自動的に消えます。

CVE-2026-78134(EAPのなりすまし)。EAP-PEAPやEAP-TTLSで、外側で名乗るIDと、内側で実際に認証したIDが結びつかず、自分の正しいIDとパスワードで認証しながら、別の人のIDを名乗れるものでした。設定の選び分けや、仮想IPの割り当てに、なりすましたIDが使われるおそれがあります。攻撃者は、自分の正しい認証情報を持っている必要があります。EAPの認証をRADIUSのサーバーに任せている構成は、直接は対象外としています。

IKEv1を受け付けているサーバーは、PKCS#7の3件(78123・78124・78129)の入口にもなります。設定で version = 0 にしていると、自分から接続するときはIKEv2でも、受ける側ではIKEv1も受け付ける点に注意が要ると、開発元は書いています。

6.1.0でIKEv1が既定で無効に

strongSwanの6.1.0のリリースノートの見出しIKEv1 Disabled By Default。IKEv1は既定で無効になり、今後1年ほどのうちの版で削除される見込みで時期は未定、ソースから作るときは--enable-ikev1で明示的に有効にする必要があり、削除の予告の警告が出ること、設定のversionの既定が2になり、0か1にすると設定を読み込むときに警告が出ること、が書かれている
IKEv1は既定で無効に。将来の版で削除される(英語)出典: strongSwan「strongSwan 6.1.0 Released」(引用)

6.1.0では、IKEv1が既定で無効になりました。設定の version の既定は2(IKEv2)になり、0や1にしていると、設定を読み込むときに警告が出ます。IKEv1は、今後1年ほどのうちに出る版で削除される見込みです(時期は未定)。ソースから作る場合は、--enable-ikev1 を付けないとIKEv1が入りません。

古いルーターや、取引先の機器とIKEv1で拠点間VPNを結んでいる場合は、6.1.0に上げると、作り方や設定によってはつながらなくなるおそれがあります。各Linuxの配布のパッケージは、多くが今の版のまま修正だけを当てているため、IKEv1の扱いが変わるとは限りません。どの版に上がるのかを先に確かめます(当社の見立て)。

各Linuxの対応(10月21日時点)

配布元 対応
Debian 13(trixie) DSA-6487-1(9月6日)、6.0.1-6+deb13u7 で修正
Debian 12(bookworm) 10件が「影響あり」のまま(78133は対象外)。セキュリティトラッカーで確認
Ubuntu 22.04・24.04・26.04 USN-8789-1(9月21日)。22.04は5.9.5-2ubuntu2.8、24.04は5.9.13-2ubuntu4.24.04.5、26.04は6.0.4-1ubuntu3.2
Fedora 45 6.1.0-1.fc45(9月22日)
SUSE・openSUSE 9月13〜16日に順に更新。10月18日(openSUSE)と10月20日(SUSE Linux Enterprise Server 16.0など)にも追加
RHEL 標準のIPsecはLibreswan。Red HatのCVEのデータベースに、この11件の記載は見つからなかった

公表から1か月半がたっていますが、配布元の更新は10月まで続いています。サーバーを9月の初めに一度更新しただけだと、まだ直っていない場合があります。

VPNのほかのソフトの更新は、OpenVPNの秋の更新で脆弱性を修正 公開サーバーは版の確認をでも取り上げています。

影響する会社・しない会社

  • 影響する: LinuxのサーバーでstrongSwanを使い、拠点間のVPNや、社外からのリモートアクセス(IKEv2、EAP)を受けている会社です。
  • 影響する: strongSwanを中に使うVPNの機器、ルーター、ファイアウォールを使っている会社です。機器のメーカーの更新を待つ必要があります。
  • 影響する: Debian 12のサーバーでstrongSwanを動かしている会社です。10月21日時点で、多くの件がまだ直っていません。
  • 影響しない(可能性が高い): RHELの標準のLibreswanだけを使っている会社、IPsec VPNを使っていない会社です。

情シスが今日やること

  1. strongSwanが動いている場所を洗い出す。 VPNのサーバー、クラウドの仮想マシン、拠点のルーターの中を含めて、strongSwanを使っているものと、その版、配布元を一覧にします。
  2. 配布元の修正の版まで上げる。 上の表の版以降に上げ、strongSwanを再起動します。Debian 12は、修正が出るまでの間、IKEv1を止める、使っていないEAPの方式の部品を読み込まない、といった開発元の緩和策を検討します。
  3. IKEv1の相手を確かめる。 拠点間VPNの相手の機器がIKEv1しか使えないものがないかを確かめ、IKEv2への切り替えの計画を立てます。6.1.0に上げる前に、検証の環境で接続を試します。
  4. EAPの使い方を見直す。 EAP-PEAPやEAP-TTLSを使っている場合は、修正を当てるまでの間、使わない方式の部品を外すか、認証をRADIUSのサーバーに任せる構成かを確かめます。
  5. 機器のメーカーに聞く。 strongSwanを中に使うVPNの機器は、メーカーに11件への対応の予定と、修正のファームウェアの時期を問い合わせます。

よくある質問

Qどの脆弱性がいちばん危ないですか。

A開発元の説明では、CVE-2026-78133(IKEv2の鍵の更新が重なったときの解放後のメモリの利用)は、認証した相手がコードを動かせるかもしれないとしています。ただし、攻撃者は認証を済ませている必要があり、複数の鍵交換を受け付ける設定だけが対象です。CVE-2026-78135は、認証の前に使える通信路ができうる件ですが、EAPを使い、仮想IPの割り当ての設定などの条件が重なる場合に限られます。NVDの点数の最大は7.5です。

QすでにKEV(悪用が確認された一覧)に載っていますか。

A米CISAのKEVには、10月21日時点で11件のどれも載っていません(当社調べ)。開発元の告知にも、悪用の記載はありません。

QRHEL(Red Hat Enterprise Linux)は対象ですか。

ARHELの標準のIPsecのソフトはLibreswanで、Red HatのCVEのデータベースには、この11件の記載が見つかりませんでした(10月21日に確認)。EPELなどからstrongSwanを入れている場合は、入れた元の更新を確かめます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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