本文へ移動
情シスのミカタ
ニュース約3分で読めます

vLLMに脆弱性7件 0.31.0で修正、認証なしの入口からコード実行も

AIのモデルを動かすサーバーの部品vLLMに、7件の脆弱性があります。開発チームは10月6日に勧告を出し、10月21日にCVEの番号が付きました。1件は条件しだいでコードを実行される恐れがあり、多くは認証なしの入口から届きます。直った版と、社内の推論サーバーの確かめ方を整理します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
文字
vLLMに脆弱性7件 0.31.0で修正、認証なしの入口からコード実行も

この記事のまとめ

  • vLLMの7件の脆弱性は、どれも0.31.0(10月5日公開)で直っています。10月21日にCVEの番号が付き、GitHubの脆弱性データベースとドイツのCERT-Bundも注意を出しました。
  • 1件(CVE-2026-114053)は、trust_remote_codeを有効にしているなどの条件で、認証なしの/tokenizeからコードを実行される恐れがあります。CVSS 4.0で9.2です。
  • ほかもサーバーを落とす、ほかの要求の内容に影響するものが中心です。研究や開発の部門が立てた推論サーバーを洗い出し、版と外への公開を確かめます。
こんな方に#20代#30代#40代#50代実務

AIのモデルを動かすサーバーの部品「vLLM」に、7件の脆弱性があります。開発チームは2026年10月6日にGitHubで勧告を出し、10月21日にCVEの番号(CVE-2026-114049〜114055)が付きました。GitHubの脆弱性データベースとドイツのCERT-Bund(WID-SEC-2026-4076)も、同じ日に注意を出しています。

7件は、どれも10月5日に出た0.31.0で直っています。この記事の内容は、10月21日に勧告とGitHubの脆弱性データベースで確かめたものです。

7件の中身と入口

図解の表。CVE-2026-114053はtrust_remote_codeを有効にし配るモデルの保管先の版を攻撃者が操れるときのコードの実行で、入口は認証なしの/tokenize、Critical 9.2。CVE-2026-114052はMOSS-Audioでメモリを使い切らせる、/tokenizeは--api-keyを通らない、High 8.7。CVE-2026-114055は処理の値でメモリを使い切らせる、High 8.7。CVE-2026-114050は偽のIDでサーバーを落とす、認証なし、High 7.1。CVE-2026-114051は1回の要求で生成を止める、認証なし、High 7.1。CVE-2026-114054はキャッシュのキーを重ねる、ログインした利用者、High 7.1。CVE-2026-114049はほかの要求の出力の範囲を狭める、認証なしの/invocationsなど、Medium 6.3。どれも0.31.0で修正
vLLMの7件の中身・入口・深刻度(編集部作成)作成: 編集部 / もとの資料: GitHub Advisory Database・vLLM(GitHub)

いちばん重いのはCVE-2026-114053で、GitHubの脆弱性データベースはCVSS 4.0で9.2(Critical)と評価しています。trust_remote_codeを有効にしている場合に、要求の中の値で、モデルの処理のコードのどの版を読み込むかを利用者が選べてしまいます。配っているモデルの保管先で、攻撃者が版を操れるときは、認証なしの/tokenizeの入口から、vLLMのAPIの処理の中でPythonのコードを実行できるとしています。

GitHub Advisory Databaseの画面。題はvLLM from 0.7.3 before 0.31.0 forwards the request、Critical severity。説明に、要求の中のmm_processor_kwargs.code_revisionをTransformersのAutoProcessor.from_pretrainedにそのまま渡し、trust_remote_codeが有効なとき利用者がモデルの処理のコードの版を選べること、配るモデルの保管先の版を操れる攻撃者が認証なしの/tokenizeに要求を送るとvLLMのAPIの処理の中で任意のPythonを実行できることが英語で書かれている。右にCVSS v4の9.2
GitHubの脆弱性データベースのCVE-2026-114053の画面出典: GitHub Advisory Database「GHSA-f623-hjm8-5wg5」(引用)

ほかの6件は、サーバーを止めたり、ほかの要求の内容に影響したりするものです。

  • CVE-2026-114052: MOSS-Audioのモデルを配るとき、/tokenizeに値を送り続けると、メモリを使い切って処理が落ちる。この入口は--api-keyを通らない
  • CVE-2026-114055: 画像や動画の処理の値(大きさやコマの数など)を大きくして、メモリを使い切らせる
  • CVE-2026-114050: 偽のIDでキャッシュの中身をずらし、サーバー全体を落とす。認証なしで届く
  • CVE-2026-114051: 1回の要求で、その後の生成がすべて止まる。/healthは正常を返し続けるため、気づきにくい
  • CVE-2026-114054: キャッシュのキーを重ねて、ほかの要求の処理済みの画像を受け取る。ログインした利用者が対象
  • CVE-2026-114049: ほかの利用者の要求の出力の範囲を狭める。認証なしの/invocationsなどから届く

評価は、出したところで違います。開発チームの勧告は、低い(1件)、中くらい(3件)、高い(3件)に分けています。GitHubの脆弱性データベースは、CVEを付けたVulnCheckの評価で、Critical 1件、High 5件、Medium 1件としています。悪用の記載はなく、CISAのKEVにも載っていません。

vLLMでは、10月19日に公表された別の9件もあり、こちらは0.32.0で直っています(vLLMに脆弱性 0.32.0で9件を修正、Ghostscript経由のコード実行も)。0.32.0に上げれば、今回の7件も含めて直ります。

影響する会社・しない会社

  • 影響する: vLLMの0.31.0より前の版で、AIのモデルを配るサーバーを動かしている会社です。認証なしの入口から届くものが多いため、社内のネットワークの中でも、届く範囲が広いと危うくなります。
  • 影響する: trust_remote_codeを有効にしてモデルを配っている会社です。CVE-2026-114053の条件に当たる可能性があります。
  • 影響する: 研究や開発の部門が、情シスの知らないところで推論のサーバーを立てている会社です。版と公開の範囲を確かめる必要があります。
  • 影響しない: vLLMを使っていない会社です。ほかのAIのサービスやクラウドの推論のサービスだけを使っている場合は、今回の7件の対象ではありません。

情シスが今日やること

  1. 社内でvLLMを使っているサーバーを洗い出します。研究・開発・データ分析の部門に、AIのモデルを動かすサーバーを立てていないかを聞きます。
  2. 見つかったサーバーの版を確かめ、0.31.0以上(できれば0.32.0以上)に上げる日を決めます。
  3. 推論のサーバーが、インターネットや社内の広い範囲から届く状態になっていないかを確かめます。APIキーだけに頼らず、ネットワークで届く相手を絞ります。
  4. trust_remote_codeを有効にしているかを確かめます。有効なら、配っているモデルの保管先を誰が書き換えられるかも確かめます。
  5. サーバーが止まったり、応答が止まったりしたときに気づけるよう、/healthだけでなく、実際の生成の応答も見張る形にします。

よくある質問

Qすでに悪用されていますか。

AGitHubの脆弱性データベースと開発チームの勧告に、悪用の記載はありません。米CISAの悪用が確認された脆弱性の一覧(KEV)にも、10月21日時点で7件とも載っていません。

Q0.32.0に上げていれば大丈夫ですか。

A7件の修正版は0.31.0です。10月18日に出た0.32.0は、それより新しい版です。0.32.0では、別の9件の脆弱性も直っています。

Q--api-keyを設定していれば守られますか。

AGitHubの脆弱性データベースの説明では、CVE-2026-114052に使われる/tokenizeの入口は--api-keyを通らないとしています。CVE-2026-114053も、認証なしの/tokenizeから届くとしています。APIキーだけに頼らず、版を上げ、届く範囲を絞ります。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、いいねと共有をお願いします