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AWS CLIに脆弱性、同じサーバーの他人が認証情報を読める恐れ 版の確認を

AWSは7月1日、AWS CLIの3つのコマンドが、認証情報を含むファイルを同じサーバーのほかの利用者も読める権限で書いていた脆弱性(CVE-2026-13769)を公表しました。直った版は4月10日の1.44.78と2.34.29です。Amazon Linuxのパッケージは9月29日と10月12日に直りました。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆チェック済み
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AWS CLIに脆弱性、同じサーバーの他人が認証情報を読める恐れ 版の確認を

この記事のまとめ

  • AWSは7月1日、AWS CLIの3つのコマンドが、認証情報のファイルをほかの利用者も読める権限で書いていたと公表しました。
  • 直った版はv1が1.44.78、v2が2.34.29です。Amazon Linuxのパッケージは9月29日と10月12日に直りました。
  • 狙えるのは同じサーバーにログインできる人です。KEVには載っていません。更新の前に作られたファイルの権限も確かめます。
こんな方に#20代#30代#40代#50代実務

AWSは2026年7月1日(米国時間)、AWS CLIの脆弱性CVE-2026-13769を公表しました。AWS CLIは、コマンドでAWSを操作する道具です。3つのコマンドが、認証情報を含むファイルを、同じサーバーのほかの利用者も読める権限で書いていました。

直った版は4月10日に出ています。EC2でよく使うAmazon Linuxのパッケージにも、9月29日と10月12日に修正が出ました。

AWSのセキュリティの告知のRSSでは、この告知が10月14日(協定世界時)の日付で配信されています。ただ、告知の本文の発行日は7月1日のままで、中身を改めたという記載はありません。この記事は、AWS、GitHub、Amazon Linuxの公式の告知で確かめた内容だけを書きます。

3つのコマンドが書くファイルを、ほかの利用者も読めた

LinuxなどのUnix系のOSでは、新しく作るファイルの権限を「umask」という設定が決めます。多くの環境の既定では、持ち主以外の利用者も読める権限(0644)になります。AWSも、umaskで権限を絞っていない状態が「ほとんどのシステムの既定」だと書いています。

AWS CLIの次の3つのコマンドは、この既定のまま、認証情報や設定のファイルを書いていました(GitHubの告知)。本来は、持ち主だけが読み書きできる権限(0600)にするファイルです。

コマンド 書くファイル 中に入るもの
aws codeartifact login twine用の~/.pypirc、Linuxでswiftを使うときの~/.netrc 部品の置き場所「CodeArtifact」の認証トークン
aws iam create-virtual-mfa-device --outfileで指定したファイル 仮想MFAの元になる情報(QRコードの画像かBase32の文字列)
aws deploy register(--iam-user-arnを指定しないとき) 実行したフォルダーのcodedeploy.onpremises.yml このコマンドが作ったIAMユーザーのアクセスキー

それぞれの中身について、AWSの文書は次のように説明しています。

  • CodeArtifactのトークンは、部品を取ったり公開したりするときの認証に使います。期限は既定で12時間で、15分から12時間の間で決められます。
  • 仮想MFAのシード(元になる情報)は、アクセスキーやパスワードと同じように守るよう求めています。登録が済んだら、安全な手順で消すよう書いています。
  • aws deploy registerは、IAMユーザーを作り、その長く使える鍵を設定ファイルに保存します。AWSはこの登録のやり方を勧めておらず、鍵を入れ替える計画を持つよう求めています。
AWSのセキュリティの告知のページ(日本語の表示)。題はCVE-2026-13769、AWS CLIにおける安全でないファイルアクセス許可。速報IDは2026-049-AWS、コンテンツタイプは重要(要注意)、発行日は2026年7月1日午前11時45分(PDT)。説明に、umaskで権限を絞っていない環境(ほとんどのシステムの既定)では、誰でも読める権限で認証情報や設定のファイルが書かれ、同じホストのほかの利用者が認証情報を読めると書かれている。影響を受ける版はv1が1.44.77以下、v2が2.34.28以下。解決方法はAWS CLI v1 1.44.78とv2 2.34.29。参考情報にCVE-2026-13769とGHSA-wfp6-f47h-hxc3のリンクがある
AWSのセキュリティの告知2026-049-AWS。発行日は2026年7月1日(米国時間)出典: AWS(引用)

読めたのは、同じサーバーにログインできる人

この脆弱性を突けるのは、同じサーバーにログインできるほかの利用者です。インターネットの向こうから、ファイルを直接読めるわけではありません。CVSSの評価でも、攻撃の経路は「ローカル」で、低い権限のアカウントが要るとされています。

当てはまりやすいのは、次のような環境です(この整理は編集部によるものです)。

  • 複数の担当者がログインする踏み台サーバーや、作業用のサーバー
  • いくつものジョブが同じ機械で動く、自社で用意したCIの実行環境
  • 部署で共有している開発用のLinuxのマシンやMac
  • Webサーバーなど、別のアカウントでプログラムが動くサーバー。そのプログラムが乗っ取られると、ファイルを読まれるおそれがあります

一人で使うパソコンや、ジョブのたびに作って捨てるコンテナでは、読む「ほかの利用者」がいません。危険は小さくなります(編集部の整理)。

対象の版と深刻度

項目 確かめた内容
CVE CVE-2026-13769(GitHubの告知はGHSA-wfp6-f47h-hxc3)
対象 v1は1.44.77まで、v2は2.34.28まで
直った版 v1は1.44.78、v2は2.34.29(どちらも4月10日、米国時間)
AWSの区分 重要(要注意)
CVSS(深刻さの指標、0から10) 3.1で5.5、4.0で6.8(どちらも中程度。AWSの採点)
悪用 AWSの告知に記載なし。CISAのKEVには載っていない(10月16日版)

CodeArtifactとMFAの修正は、先に4月8日の版に入りました。v1は1.44.76、v2は2.34.27です(GitHubの変更履歴)。告知は、CodeDeployの修正まで入った4月10日の版を「直った版」としています。

米国CISAの「悪用が確認された脆弱性の一覧(KEV)」の10月16日版に、CVE-2026-13769は載っていません。CISAの評価(SSVC)も、悪用は「none(なし)」、攻撃の自動化は「no」です。NVD(米国の脆弱性データベース)は、10月17日時点で分析の前です。

Amazon Linuxは9月29日と10月12日に修正

Amazon Linuxには、OSのパッケージとしてAWS CLIが入っています。AWSのインストールの手引きも、Amazon Linuxに最初から入っているyumの版に触れています。このパッケージの修正は、AWSの告知から3か月ほど後に出ました。

OS パッケージ Amazon Linuxの告知(日付) 直ったパッケージ
Amazon Linux 2023 awscli-2 ALAS2023-2026-3133(9月29日) awscli-2-2.36.47-4.amzn2023.0.1
Amazon Linux 2(Core) awscli ALAS2-2026-3966(10月12日) awscli-1.18.147-1.amzn2.0.4
Amazon Linux 2(Extrasのawscli1) awscli ALAS2AWSCLI1-2026-001(10月12日) awscli-1.27.51-1.amzn2.0.2
Amazon Linux 2027 Preview awscli-2 まだ出ていない 修正待ち(Pending Fix)
Amazon Linux Security CenterのCVE-2026-13769のページの上の部分。公開日は2026-07-01、更新日は2026-10-14。深刻度はMedium、CVSS v3の基本値は5.5。Affected Packagesの表に、Amazon Linux 2のCoreのawscliが2026-10-12にALAS2-2026-3966で修正済み、Amazon Linux 2のAwscli1 Extraのawscliが2026-10-12にALAS2AWSCLI1-2026-001で修正済み、Amazon Linux 2023のawscli-2が2026-09-29にALAS2023-2026-3133で修正済み、Amazon Linux 2027 Previewのawscli-2は修正待ち(Pending Fix)と並ぶ
Amazon LinuxのCVE-2026-13769のページ。OSごとの修正日が並ぶ出典: AWS(Amazon Linux Security Center)(引用)

Amazon Linux 2の直ったパッケージは、版の番号が1.18.147と1.27.51です。AWSの告知にある1.44.78より小さい数字ですが、Amazon Linuxの告知は修正済み(Fixed)としています。版の番号だけで判断せず、パッケージの名前の末尾(amzn2.0.4など)まで比べます。

Amazon Linuxの告知にある更新のコマンドは、次のとおりです。管理者の権限で動かします。

  • Amazon Linux 2023: dnf update --advisory ALAS2023-2026-3133 --releasever 2023.12.20260928
  • Amazon Linux 2(Core): yum update --advisory ALAS2-2026-3966
  • Amazon Linux 2(Extrasのawscli1): yum update --advisory ALAS2AWSCLI1-2026-001

同じ更新で、EMRにSSHでつなぐ補助のコマンドの脆弱性(CVE-2026-18654)も直ります。AWSの告知(8月3日)は、回避策はなく更新が要るとしています。

なお、Amazon Linux 2は2026年6月30日にサポートが終わりました。AWSは、Amazon Linux 2023への移行を勧めています。

更新の前に作られたファイルは、そのまま残る

GitHubの修正は、3つのコマンドがファイルを書くときに、権限を持ち主だけ(0600)にするものです。すでにあるファイルを書き直すときも、権限を直します。

ただ、前の版で作ったまま書き直していないファイルは、元の権限のままです。MFAのシードを書き出したファイルや、別の場所へコピーした設定ファイルが当たります(修正の中身からの編集部の整理)。権限は、次のように確かめて直せます。

aws --version
ls -l ~/.pypirc ~/.netrc
chmod 600 ~/.pypirc ~/.netrc

ls -lの結果が「-rw-r--r--」なら、ほかの利用者も読めます。「-rw-------」なら、持ち主だけです。

CodeArtifactのトークンは、既定で12時間で切れます。期限の前に止めたいときは、IAMのポリシーで拒否するよう、AWSの文書は案内しています。

AWS CLIのv1は、2026年8月5日から、重大な不具合とセキュリティの問題だけを直す期間に入りました。サポートは2027年7月15日に終わります(GitHubのREADME)。v1を使い続けている環境は、v2へ移す計画も立てます。

影響する会社・しない会社

  • 影響する: 複数の人がログインするサーバーやCIの実行環境で、AWS CLIを使う会社。OSがLinuxやmacOSなどUnix系で、版がv1の1.44.77以前、v2の2.34.28以前なら当てはまります
  • 影響する: その環境でaws codeartifact login(twineかswift)、aws iam create-virtual-mfa-device、aws deploy registerを使ったことがある会社。前の版で作ったファイルが残っていれば、更新の後も確かめが要ります
  • 影響する: Amazon Linux 2・2023のEC2で、OSのパッケージのAWS CLIを使い、上の表の更新をまだ当てていない会社
  • 影響しない: 一人だけが使うパソコンや、ジョブのたびに捨てるコンテナで使う場合。読むほかの利用者がいません(編集部の整理)
  • 影響しない: 3つのコマンドを使っていない会社。ただし、AWSは最新の版に上げるよう勧めています
  • 確認が要る: Windowsで使う会社。告知はUnix系のOSの話で、Windowsには触れていません

情シスが今日やること

  1. AWS CLIが入っている場所を洗い出します。 踏み台や作業用のサーバー、CIの実行環境、ビルドに使うコンテナのイメージを、開発の担当者に聞きます。複数の人がログインする機械から先に見ます。
  2. 版を確かめます。 aws --versionで、v1は1.44.78以降、v2は2.34.29以降なら、この脆弱性は直っています。Amazon Linuxのパッケージは、rpm -q awscliかrpm -q awscli-2で、上の表の版以降かを見ます。
  3. 今週中に最新の版へ上げます。 AWSの告知は、最新の版を勧めています。10月17日時点の最新は、v1が1.46.1、v2が2.38.1です(GitHubの変更履歴)。CIのイメージで版を固定しているなら、固定の版も改めます。
  4. 残っているファイルの権限を見ます。 ~/.pypirc、~/.netrc、MFAのシードのファイル、codedeploy.onpremises.ymlが対象です。ほかの利用者が読める権限ならchmod 600で直し、登録が済んだMFAのシードは消します。
  5. 読まれたおそれがあれば、鍵を替えます。 CodeDeployのアクセスキーを入れ替え、仮想MFAを登録し直します。AWSは、オンプレミスのサーバーの登録に、IAMユーザーより一時的な認証情報(IAMセッションのARN)を使うよう勧めています。

盗まれたAWSの認証情報が実際に使われた例は、1PasswordがAWS認証情報盗難を解説、侵入後に残る権限も確認で扱っています。

よくある質問

Qaws configureで作った認証情報のファイル(~/.aws/credentials)も対象ですか?

AAWSの告知とCVEが挙げるのは、aws codeartifact login、aws iam create-virtual-mfa-device、aws deploy registerの3つのコマンドです。aws configureは挙がっていません。なお、5月22日のv1の1.45.14とv2の2.34.53からは、aws configureが認証情報のファイルを書き換えるとき、権限が0600より広いと警告を出します。

Qすでに悪用されていますか?

AAWSの告知に、悪用の記載はありません。米国CISAの「悪用が確認された脆弱性の一覧(KEV)」には載っていません(10月16日版で確認)。CISAの評価(SSVC)も、悪用は「none」です。

QnpmやpipでCodeArtifactにloginしています。対象ですか?

AAWSの修正で権限を直したファイルは、twine用の~/.pypircと、Linuxでswiftを使うときの~/.netrcです。npmやpipの設定ファイルについては、告知に記載がありません。気になる場合は、~/.npmrcなどの権限も同じ手順で確かめると安心です(編集部の補足)。

QWindowsのパソコンで使っています。対象ですか?

AAWSの告知は、Unix系のOSで、umaskという設定で権限が決まる場合の話です。Windowsには触れていません。ただし、AWSはどの環境でも最新の版に上げるよう勧めています。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月17日)

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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