JCOM(J:COM)は2026年9月24日、前日の9月23日に起きたインターネット接続サービス等の障害について、お知らせを出しました。発生は8時55分頃で、18時頃にサービスの復旧作業が完了し、20時に全サービスの正常提供を確認したとしています。原因は、外部からの大量のアクセスでDNSサーバに高負荷が発生したことです。
会社の回線や、在宅勤務の社員の自宅の回線がJ:COMの会社は、ほぼ丸一日の業務への影響が出た可能性があります。この記事では、お知らせに書かれていることだけを整理し、情シスが確かめることをまとめます。
J:COMのお知らせに書かれていること
| 項目 |
お知らせの内容 |
| お知らせの日付 |
2026年9月24日(「9月24日16時00分時点」) |
| 発生日時 |
2026年9月23日(水)8時55分頃から18時頃まで |
| 影響エリア |
J:COM NET提供エリア(北海道・九州を除く)、J:COMがインターネットサービスを提供する一部のケーブルテレビ事業者エリア |
| 主な対象サービス |
J:COM NET インターネット接続、J:COM TV(テレビ双方向サービス、ネット動画配信サービスの利用)、J:COM MOBILE インターネット接続、マイページ、MY J:COMアプリ、パーソナルIDでのログインが必要な各種サービス |
| 復旧状況 |
9月23日18時頃にサービス復旧作業が完了し、20時に全サービスが正常に提供できていることを確認 |
| 原因 |
現時点での調査では、外部から大量のアクセスがあり、DNSサーバに高負荷が発生したことにより障害に至った |
| 再発防止策 |
アクセス集中対策の強化、障害発生時の情報提供の改善 |
| ほかの影響 |
カスタマーセンターへの電話がつながりにくい状況が発生 |
JCOMが9月24日に出した、NET障害の復旧のお知らせ(本文の全体)出典: JCOM株式会社「【復旧】NET障害ならびにカスタマーセンターにお電話が繋がらない症状について(9月24日16時00分時点)」(引用)
公式が書いている原因の説明
お知らせは、DNSサーバに高負荷が発生した結果、インターネット接続時に必要な処理が正常に行えなかったと説明しています。DNSは、サイトの名前(例: example.co.jp)を、通信先の番号(IPアドレス)に直す仕組みです。ここが止まると、回線自体は生きていても、名前でつなぐ多くのサービスが開けなくなります。
お知らせの言葉では、影響は「一部のお客さま」で、「利用できない状況、または利用しづらい状況」が発生した、となっています。どの契約・どの地域で、どの程度の差があったのかは、書かれていません。
書かれていないこと
次の点は、10月9日に確認したお知らせには書かれていません。この記事でも推し量りません。
- DNSの設定(お客さまの側で使うDNSサーバの指定)の違いによって、影響に差があったか
- 攻撃かどうか、外部からの大量のアクセスの出どころ
- 影響を受けた件数
- 返金・補償の有無
- 法人向けの回線(法人のお客さま向けサービス)が対象に含まれるか
復旧後の10月9日時点で、同社のお知らせ一覧にこの件の続報は載っていません。続報が出たら、この記事を直します。
影響する人・会社、しない人・会社
- 影響する: 事務所や店舗のインターネット回線がJ:COM NET(北海道・九州を除く提供エリア)の会社。業務のクラウドサービス、Web会議、メールの送受信などが使いづらかった可能性があります。
- 影響する: 在宅勤務の社員の自宅の回線がJ:COM NETの会社。社内のVPNやクラウドの利用ができない社員が出た可能性があります。
- 影響する: J:COM MOBILEのモバイル回線を業務の端末に使っている会社(インターネット接続が対象サービスに含まれています)。
- 影響する: 「パーソナルID」でログインする、J:COMのサービスを使っている会社。マイページやMY J:COMアプリが対象に含まれています。
- 影響する(確認が要る): J:COMがインターネットサービスを提供する、一部のケーブルテレビ事業者エリアの会社。どの事業者かは、お知らせに書かれていません。契約先に確かめます。
- 影響しない: 回線がほかの事業者のみで、J:COMの回線と無関係の拠点。お知らせの対象サービスにも当たりません。
- 影響しない(お知らせに範囲外と書かれている): 北海道と九州のJ:COM NET提供エリア。
「うちの回線は本当にJ:COMか」が分からない会社は、請求書か、ルーターの機器の表示で確かめます。マンションの一括契約の回線や、ケーブルテレビ事業者の名前の回線は、契約者の名前が違うだけの場合があります。
回線の予備を持つとき考えること
今回の障害は、単一の回線に業務を頼っていた会社に、日中のほぼ丸一日、影響が出うることを示しています。お知らせは再発防止策としてアクセス集中対策などを挙げていますが、回線が止まる可能性そのものは、利用側で備える必要があります。
ここからは、お知らせの内容ではなく、一般的な備えです。
- 別の事業者の回線を、予備として1本持つ。J:COM MOBILEも今回の対象サービスに入っていたため、同じ会社のモバイルは予備として弱い
- 予備の回線は、業務が回る最低限の通信量で足りるかを、あらかじめ決める
- 切り替えの手順を、だれがやっても同じにする。ルーターの設定や、予備回線の機器の置き場所を紙か社内の手順書に書く
- 在宅勤務の社員向けに、自宅の回線が止まったときの連絡先と、スマホのテザリングを使ってよいかの決まりを知らせる(セキュリティの決まりに沿って)
- 社内のクラウドサービスの管理画面に入れなくなったときの、緊急連絡の方法を決める
DNSの設定を点検するときの考え方
「DNSの設定によって影響に差が出た」という見方が、報道などで出ています。ただしJ:COMのお知らせには、この点は書かれていません。ここでは、一般的な点検の項目として書きます。今回の差の理由とは言い切れません。
- 社内のパソコン、ルーター、社内のDNSサーバ(あれば)が、どこのDNSサーバを見ているかを一覧にする
- 回線事業者のDNSだけを指定している場合は、ほかのDNSを併用する選択肢を検討する。ただし、社内のフィルタリングや、社内の名前を引く設定、セキュリティの決まりを壊さないか、先に確かめる
- 社内にDNSサーバがある会社は、外の問い合わせ先(上流のDNS)を複数持っているかを確かめる
- DNSの名前の引き方を確かめる手順(nslookup などで、障害時に名前だけが引けないのかを切り分ける)を、手順書に入れる
「名前が引けない」と「回線自体がつながらない」の切り分けができると、障害のとき社員への案内が速くなります。
会社・情シスが今日やること
- 事務所・店舗・在宅勤務の社員の回線の事業者を一覧にし、J:COM(北海道・九州を除く提供エリア、一部のケーブルテレビ事業者を含む)の拠点と人を把握する
- 9月23日の8時55分頃から18時頃に、どの拠点・どの社員が、どんな業務で困ったかを聞き取る。次の障害のときの影響の見積りに使う
- 回線の予備(別の事業者の回線や、別の会社のモバイル)があるかを確かめる。無ければ、費用と導入の担当を決める
- パソコンやルーターのDNSの設定を一覧にし、回線事業者のDNSだけを見ていないかを確かめる
- 障害のときの社員への連絡文と、切り分けの手順(名前が引けないのか、回線が切れているのか)を決めておく。いま困っている社員がいる場合は、J:COM機器やルーターの再起動を案内する
社員への連絡文は、次の文例集を書き換えて使えます。
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