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IT企業38社の女性管理職・男性育休・男女の賃金差を有価証券報告書で図解

IT企業38社の女性管理職の割合・男性の育児休業取得率・男女の賃金の差異を、各社の最新の有価証券報告書から表と図解にまとめました。数字は提出会社(その会社単体)のもので、育休は計算の方法が2つあります。賃金の差異が同じ仕事の賃金の差ではない理由と、EDINETや厚生労働省のデータベースで調べる手順も解説します。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆
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IT企業38社の女性管理職・男性育休・男女の賃金差を有価証券報告書で図解

この記事のまとめ

  • 女性管理職の割合・男性の育児休業取得率・男女の賃金の差異は、有報の「従業員の状況」の中に載っています
  • 男性の育児休業取得率は計算の方法が2つあります。38社では第1号が25社、第2号が10社、両方が2社でした
  • 賃金の差異は同じ仕事の賃金の差ではなく、役職や勤続年数、雇用の形の違いも入った平均どうしの比です
こんな方に#20代#30代#40代はじめて

女性管理職の割合、男性の育児休業取得率、男女の賃金の差異。この3つは、上場会社の有価証券報告書に載っています。IT企業38社の最新の数字を表と図解にまとめ、読むときの注意と、自分で調べる手順を解説します。

有価証券報告書に載っている3つの数字

有価証券報告書(有報)は、上場会社などが事業年度ごとに出す書類です。金融庁のEDINET(エディネット)で、登録なしで読めます。「従業員の状況」の中に、次の3つの数字の欄があります。

項目 何の数字か もとになる法律
管理職に占める女性労働者の割合 課長級以上(役員を除く)の人のうち、女性の割合 女性活躍推進法
男性労働者の育児休業取得率 配偶者が出産した男性のうち、育児休業などを取った人の割合 育児・介護休業法
労働者の男女の賃金の差異 男性の賃金の平均を100としたときの、女性の賃金の平均 女性活躍推進法

欄の名前は「管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」が基本です。38社のうち30社がこの形でした(細かな表記の違いを含みます)。7社は「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合」で始まります。サイバーエージェントは「多様性に関する指標」です。

3つとも、会社が法律にもとづいて公表している数字です。金融庁は2023年1月の内閣府令の改正で、公表している会社に有報への記載を求めました。この記事の表と図は、「提出会社」の欄の数字です。

読む前に知っておく5つの注意

  1. 数字は「提出会社」(その会社単体)のものです。 子会社で働く人は入りません。連結子会社の数字は、公表している会社の分が同じ欄に載っています。
  2. 男性の育児休業取得率は、計算の方法が2つあります。 育児休業などだけで数える方法と、会社が設けた育児目的の休暇も足す方法です。同じ列では比べられません。
  3. 賃金の差異は、同じ仕事をする男女の賃金の差ではありません。 男性全員の平均と女性全員の平均を比べた割合です。役職、勤続年数、雇用の形、働く時間の違いも入ります。
  4. 決算期と、数えた時点が会社ごとに違います。 38社の決算期は、2025年8月期から2026年6月期まであります。KDDIとソフトバンクは、女性管理職の割合を2026年4月1日時点で数えています。
  5. 数字の大小だけで、会社の優劣は決められません。 計算の対象や方法は、各社の(注)で決まります。
有価証券報告書の女性管理職・男性育休・賃金の差異の読み方をまとめた図。載っている3つの数字は、管理職に占める女性労働者の割合(女性活躍推進法。課長級以上で役員を除く人のうち女性の割合。38社では5.4%〜33.5%)、男性労働者の育児休業取得率(育児・介護休業法。配偶者が出産した男性のうち育児休業などを取った人の割合。38社では第1号25社・第2号10社・両方2社・区分ごと1社)、労働者の男女の賃金の差異(女性活躍推進法。男性の賃金の平均を100としたときの女性の賃金の平均。全労働者は37社で53.1%〜87.8%)。読み方の5つの注意は、1 数字は提出会社(その会社単体)のもの。2 男性の育児休業取得率は計算の方法が2つ(BIPROGYは第1号68.1%・第2号97.1%、電通総研は第1号76.5%・第2号92.6%)。3 育休の数字は100%を超えることがある(オービック101.4%、日鉄ソリューションズ110.0%。どちらも第2号)。4 賃金の差異は同じ仕事をする男女の賃金の差ではない(富士通の注「同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです」)。5 決算期と数えた時点が会社ごとに違う(38社は2025年8月期から2026年6月期。KDDIとソフトバンクの女性管理職の割合は2026年4月1日時点)。育休の2つの計算は、第1号が育児休業などを取った男性、第2号がそれに育児目的の休暇を使った男性を足した合計で、分母はどちらも配偶者が出産した男性。有報の場所は、2026年3月期からは第4 提出会社の状況の「5 従業員の状況等」(38社のうち24社)、それより前は第1 企業の概況の「5 従業員の状況」(14社)
有価証券報告書の女性管理職・男性育休・賃金の差異を読むときの5つの注意作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)、厚生労働省と金融庁の公表資料

厚生労働省も会社向けの資料で、「指標の大小それ自体のみに着目するのではなく、要因及び課題の分析を行い、改善に向けて取り組んでいくことが重要」としています。

女性管理職の割合は5.4%から33.5%まで

IT企業38社の女性管理職の割合の横棒グラフ。SIer・ITサービスは日本ビジネスシステムズ16.9%、日本オラクル16.1%、TIS15.2%、オービック14.6%、BIPROGY13.7%、富士通13.1%、NSD12.7%、大塚商会12.6%、日本電気(NEC)12.1%、野村総合研究所11.7%、日鉄ソリューションズ8.2%、インターネットイニシアティブ(IIJ)8.0%、電通総研6.5%、SHIFT6.1%、TKC6.1%、DTS5.4%。通信・ネット・ゲームは楽天グループ33.5%、サイバーエージェント28.5%、メルカリ25.2%、LINEヤフー18.6%、トレンドマイクロ18.6%、さくらインターネット14.7%、ディー・エヌ・エー12.3%、カプコン11.8%、ソフトバンク10.9%、KDDI10.8%、任天堂5.8%。SaaS・ソフトウェアはサイボウズ28.7%、HENNGE26.6%、マネーフォワード21.8%、フリー21.0%、インフォマート18.8%、プラスアルファ・コンサルティング18.5%、ウイングアーク1st16.4%、Sansan14.2%、ミロク情報サービス14.2%、オービックビジネスコンサルタント6.5%、ラクス5.8%。38社では5.4%〜33.5%で、20%以上が7社、10%以上20%未満が22社、10%未満が9社。KDDIとソフトバンクは2026年4月1日時点の数字、メルカリは子会社への出向者を含む対象の数字(提出会社だけでは26.1%)。提出会社の数字で、並びは会社の優劣の順位ではない
IT企業38社の女性管理職の割合。提出会社の数字を3つの組に分けて並べた作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)

38社の女性管理職の割合は、5.4%から33.5%まで開きがありました。20%以上が7社、10%以上20%未満が22社、10%未満が9社です。

厚生労働省の説明では、管理職は「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」の合計です。社内のどの役職が当たるかは、会社ごとに違います。日本オラクルは、管理職を「グローバル・キャリアレベル『M』の社員」と注記しています。

メルカリは、この期から数える対象を「子会社への出向者を含む株式会社メルカリ雇用」に広げました。25.2%はこの対象の数字で、提出会社だけでは26.1%と注記しています。

SIer・ITサービスの16社

SIer(エスアイヤー)は、会社や官公庁のシステムを作って動かす会社です。表の「-」は、有報に数字がないことを表します。

会社 決算期 女性管理職の割合 男性育休 第1号(育児休業等) 男性育休 第2号(育児目的休暇を含む) 賃金の差異 全労働者 賃金の差異 正規 賃金の差異 パート・有期 有報
日本ビジネスシステムズ 2025年9月期 16.9% 65.3% - 79.3% 79.5% 67.5% 有報
日本オラクル 2026年5月期 16.1% 65.0% - 72.3% 72.2% 86.8% 有報
TIS 2026年3月期 15.2% - 92.0% 81.1% 81.4% 75.8% 有報
オービック 2026年3月期 14.6% - 101.4% 76.5% 77.1% 73.5% 有報
BIPROGY 2026年3月期 13.7% 68.1% 97.1% 79.3% 77.4% 78.2% 有報
富士通 2026年3月期 13.1% - 94.1% 79.2% 78.2% 81.4% 有報
NSD 2026年3月期 12.7% 75.6% - 85.1% 84.8% 79.0% 有報
大塚商会 2025年12月期 12.6% - 63.5% 61.4% 65.8% 66.5% 有報
日本電気(NEC) 2026年3月期 12.1% 85.6% - 76.2% 75.0% 80.1% 有報
野村総合研究所 2026年3月期 11.7% - 90.9% 73.1% 73.1% - 有報
日鉄ソリューションズ 2026年3月期 8.2% - 110.0% 74.9% 74.9% 61.9% 有報
インターネットイニシアティブ(IIJ) 2026年3月期 8.0% 61.8% - 76.5% 77.6% 38.1% 有報
電通総研 2025年12月期 6.5% 76.5% 92.6% 74.6% 75.8% 63.8% 有報
SHIFT 2025年8月期 6.1% 73.0% - 71.0% 69.7% 102.6% 有報
TKC 2025年9月期 6.1% 71.7% - 71.1% 71.3% 39.1% 有報
DTS 2026年3月期 5.4% - 69.0% 81.3% 80.7% - 有報

16社の女性管理職の割合は5.4%から16.9%、賃金の差異(全労働者)は61.4%から85.1%でした。BIPROGYと電通総研は、育休の数字を2つの方法の両方で書いています。日本オラクルの育休は、「男女別の育児休業取得率」の男性の数字です。

通信・ネット・ゲームの11社

会社 決算期 女性管理職の割合 男性育休 第1号(育児休業等) 男性育休 第2号(育児目的休暇を含む) 賃金の差異 全労働者 賃金の差異 正規 賃金の差異 パート・有期 有報
楽天グループ 2025年12月期 33.5% 73.3% - 78.0% 81.6% 58.9% 有報
サイバーエージェント 2025年9月期 28.5% - 60.7% 75.2% 77.1% 79.5% 有報
メルカリ 2026年6月期 25.2% 86.4% - -(注) -(注) -(注) 有報
LINEヤフー 2026年3月期 18.6% - 100.0% 79.5% 80.4% 79.0% 有報
トレンドマイクロ 2025年12月期 18.6% 58.8% - 72.8% 74.9% 43.6% 有報
さくらインターネット 2026年3月期 14.7% 90.0% - 78.8% 80.9% 32.8% 有報
ディー・エヌ・エー 2026年3月期 12.3% 69.4% - 70.6% 76.5% 118.5% 有報
カプコン 2026年3月期 11.8% 79.7% - 62.6% 81.3% 65.3% 有報
ソフトバンク 2026年3月期 10.9% -(注) -(注) 78.3% 78.4% 84.3% 有報
KDDI 2026年3月期 10.8% 85.9% - 83.3% 81.7% 90.9% 有報
任天堂 2026年3月期 5.8% 82% - 72.7% 73.6% 84.2% 有報

11社の女性管理職の割合は、5.8%から33.5%でした。表の(注)は次の2社です。

  • ソフトバンク: 育休を、総合職・一般職などの区分ごとに書いています。女性活躍推進法にもとづく数字で、総合職は84.7%です。
  • メルカリ: 賃金の欄の書き方がほかの会社と違うので、並べていません(後の章で説明します)。

任天堂の育休(82%)は、有報が整数で書いています。さくらインターネットは小数第2位まで書いているので、小数第1位に四捨五入しました。

SaaS・ソフトウェアの11社

SaaS(サース)は、インターネット越しに使うソフトウェアのサービスです。ソフトウェアを作って売る会社も、この組に入れました。

会社 決算期 女性管理職の割合 男性育休 第1号(育児休業等) 男性育休 第2号(育児目的休暇を含む) 賃金の差異 全労働者 賃金の差異 正規 賃金の差異 パート・有期 有報
サイボウズ 2025年12月期 28.7% 83.3% - 79.5% 80.0% 85.2% 有報
HENNGE 2025年9月期 26.6% 92.3% - 73.8% 79.0% 136.1% 有報
マネーフォワード 2025年11月期 21.8% 85.4% - 77.5% 79.2% 106.8% 有報
フリー 2026年6月期 21.0% 78.7% - 75.7% 80.6% 92.0% 有報
インフォマート 2025年12月期 18.8% 75.9% - 86.5% 90.0% 182.6% 有報
プラスアルファ・コンサルティング 2025年9月期 18.5% 50.0% - 87.8% 87.8% - 有報
ウイングアーク1st 2026年2月期 16.4% 100.0% - 78.7% 79.7% 67.7% 有報
Sansan 2026年5月期 14.2% 80.2% - 53.1% 81.1% 52.1% 有報
ミロク情報サービス 2026年3月期 14.2% 56.7% - 81.7% 84.6% 53.9% 有報
オービックビジネスコンサルタント 2026年3月期 6.5% - 89.6% 76.7% 77.2% 59.3% 有報
ラクス 2026年3月期 5.8% 75.8% - 77.6% 78.8% 81.9% 有報

11社の女性管理職の割合は5.8%から28.7%、賃金の差異(全労働者)は53.1%から87.8%でした。

フリーは、育休の注に条文の号を書いていません。「育児休業等の取得割合」とあるので、第1号の列に入れました。オービックビジネスコンサルタントは、条文を挙げていません。育児休業と育児目的休暇を合わせた割合と説明しているので、第2号の列に入れました。

男性の育児休業取得率は計算の方法ごとに見る

IT企業38社の男性の育児休業取得率と男女の賃金の差異の早見表。育休は計算の方法ごとに分け、賃金は全労働者・正規の順に書いてある。第1号(育児休業などを取った男性÷配偶者が出産した男性)で計算した25社は、ウイングアーク1st 育休100.0%・賃金78.7%・79.7%、HENNGE 育休92.3%・賃金73.8%・79.0%、さくらインターネット 育休90.0%・賃金78.8%・80.9%、メルカリ 育休86.4%・賃金は並べていない、KDDI 育休85.9%・賃金83.3%・81.7%、日本電気(NEC) 育休85.6%・賃金76.2%・75.0%、マネーフォワード 育休85.4%・賃金77.5%・79.2%、サイボウズ 育休83.3%・賃金79.5%・80.0%、任天堂 育休82%・賃金72.7%・73.6%、Sansan 育休80.2%・賃金53.1%・81.1%、カプコン 育休79.7%・賃金62.6%・81.3%、フリー 育休78.7%・賃金75.7%・80.6%、インフォマート 育休75.9%・賃金86.5%・90.0%、ラクス 育休75.8%・賃金77.6%・78.8%、NSD 育休75.6%・賃金85.1%・84.8%、楽天グループ 育休73.3%・賃金78.0%・81.6%、SHIFT 育休73.0%・賃金71.0%・69.7%、TKC 育休71.7%・賃金71.1%・71.3%、ディー・エヌ・エー 育休69.4%・賃金70.6%・76.5%、日本ビジネスシステムズ 育休65.3%・賃金79.3%・79.5%、日本オラクル 育休65.0%・賃金72.3%・72.2%、インターネットイニシアティブ(IIJ) 育休61.8%・賃金76.5%・77.6%、トレンドマイクロ 育休58.8%・賃金72.8%・74.9%、ミロク情報サービス 育休56.7%・賃金81.7%・84.6%、プラスアルファ・コンサルティング 育休50.0%・賃金87.8%・87.8%。第2号(育児目的の休暇を使った男性も足す)で計算した10社は、日鉄ソリューションズ 育休110.0%・賃金74.9%・74.9%、オービック 育休101.4%・賃金76.5%・77.1%、LINEヤフー 育休100.0%・賃金79.5%・80.4%、富士通 育休94.1%・賃金79.2%・78.2%、TIS 育休92.0%・賃金81.1%・81.4%、野村総合研究所 育休90.9%・賃金73.1%・73.1%、オービックビジネスコンサルタント 育休89.6%・賃金76.7%・77.2%、DTS 育休69.0%・賃金81.3%・80.7%、大塚商会 育休63.5%・賃金61.4%・65.8%、サイバーエージェント 育休60.7%・賃金75.2%・77.1%。両方を書いた2社は、BIPROGY 第1号68.1%・第2号97.1%・賃金79.3%・77.4%、電通総研 第1号76.5%・第2号92.6%・賃金74.6%・75.8%。区分ごとに書いた1社は、ソフトバンク 総合職84.7%・賃金78.3%・78.4%。賃金の差異(全労働者)は37社で53.1%〜87.8%。メルカリの賃金の数字(全労働者29.26%)は「差」の大きさと読めるため並べていない。任天堂の82%は有報が整数で書いている
男性の育児休業取得率(計算の方法ごと)と男女の賃金の差異の早見表作成: 編集部 / もとの資料: 各社の有価証券報告書(EDINET・金融庁)

計算の方法は、育児・介護休業法の施行規則(第71条の6)に2つあります。分母はどちらも、その年度に配偶者が出産した男性の数です。

方法 分子 38社では
第1号(育児休業等の取得割合) 育児休業などを取った男性の数 25社
第2号(育児休業等と育児目的休暇の取得割合) 上の数に、会社の育児目的の休暇を使った男性の数を足す 10社

残りは、両方を書いた2社(BIPROGY・電通総研)と、区分ごとに書いたソフトバンクです。第2号は休暇を使った人も足すので、第1号より低くはなりません。BIPROGYは第1号が68.1%、第2号が97.1%でした。電通総研は76.5%と92.6%です。

オービック(101.4%)と日鉄ソリューションズ(110.0%)は、100%を超えています。どちらも第2号の数字です。2社の有報のこの欄に、超えた理由の説明はありませんでした。富士通は、連結子会社の表の注で次のように説明しています。

なお、該当事業年度以前に配偶者が出産した男性労働者で該当事業年度中に休職または育児目的休暇を取得した人も含むため、取得割合は100%を超過する場合があります。

出典: 富士通 有価証券報告書(2026年3月期)

前の年度に子が生まれ、今の年度に休みを取り始めた人は、分子だけに入ります。厚生労働省のリーフレットも、「育児休業を開始した日を含む事業年度の取得として計算します」と説明しています。

100%は「全員が長く休んだ」という意味ではありません。取った日数は、この数字からは分かりません。

男女の賃金の差異で確かめた会社

賃金の差異(全労働者)は、数字を並べた37社で53.1%から87.8%でした。27社が70%台です。

差の理由を(注)で説明する会社もあります。富士通は「同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです」と書いています。任天堂の説明は次のとおりです。

男女の賃金の差異は、勤続年数や平均年齢の違いが主な要因であり、賃金や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。

出典: 任天堂 有価証券報告書(2026年3月期)

メルカリの数字は「差」の大きさ

メルカリの有報は、この欄に29.26%(全労働者)、28.57%(正規)、31.35%(パート・有期)と書いています。同じ有報の別の欄は、「組織内の男性と女性の平均賃金の差のみを示す『男女間の賃金格差』」と説明しています。その欄の正社員の数字は28.6%です。

ほかの会社は「女性の割合」で、大きいほど差が小さくなります。メルカリの数字は「差」の大きさで、小さいほど差が小さいと読めます。割合に直す式は有報に書かれていないので、表には並べていません。

全労働者と正規で大きく違う会社

Sansanは全労働者が53.1%、正規が81.1%です。カプコンは62.6%と81.3%でした。どちらの有報のこの欄にも、違いの理由は書かれていません。

全労働者の数字は、正規と非正規を合わせた全員の平均で比べます。賃金の水準が違う2つの集まりで男女の割合が違うと、全労働者の数字は正規の数字から離れます。カプコンは別の欄で、正社員の数字を2029年3月末までに88%以上にする目標を書いています。

パート・有期の数字は幅が大きい

パート・有期労働者の数字は、32.8%(さくらインターネット)から182.6%(インフォマート)までありました。100%を超えるのは、女性の平均のほうが高いという意味で、5社あります。

TKC(39.1%)は、定年後に再雇用された人とパートタイマーをまとめて数えたためと説明しています。再雇用の人は男性が多く、パートタイマーは女性が多いためです。

今日からできること

志望先や自社の数字は、次の手順で確かめられます。画面は2026年10月7日に確かめました。

  1. EDINETの「書類簡易検索」に会社名か証券コードを入れて検索し、「有価証券報告書」で始まる行を押します。
  2. 左の目次で「従業員の状況」を押し、3つの数字の欄を探します。2026年3月期からの有報は、「第4 提出会社の状況」の「5 従業員の状況等」です。それより前は、「第1 企業の概況」の「5 従業員の状況」にあります。
  3. 「提出会社」の数字を書き写し、(注)で3点を確かめます。育休が第1号か第2号か、賃金や対象者に何を含むか、いつの時点の数字かです。
  4. 厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースで会社名を検索し、「詳細を見る」を押します。「管理職に占める女性労働者の割合」「男女の賃金の差異」など、会社が公表している項目と注釈が読めます。
  5. 気になる点は、説明会や面接で聞きます。たとえば「育児休業は平均で何日くらい取っていますか」「管理職は、どの役職から数えていますか」です。

38社では、24社が新しい場所、14社がこれまでの場所でした。

データベースは、有報を出していない会社も、登録していれば調べられます。トップページには、データを公表している会社が44,562社と表示されています(2026年10月7日時点)。会社のページでは、「データの対象」(単体か連結か)と「データ集計時点」も確かめます。男性の育児休業取得率は、厚生労働省の両立支援のひろばで公表している会社もあります。

人事と話す情シスの方は、自社の数字を同じ手順で見ておくと、集計の相談を受けたときに話が早くなります。対象期間、出向者や休業者の扱い、賃金に含むものを先にそろえます。各社の(注)が、決め方の例になります。

平均年収・平均年齢・勤続年数は、IT企業の平均年収・年齢・勤続年数を有価証券報告書で比べるにまとめています。

数字はすべて、2026年10月7日に各社の有価証券報告書(EDINET)で確かめたものです。

よくある質問

Q男女の賃金の差異が80%なら、同じ仕事でも女性の賃金は2割低いのですか?

Aいいえ。男性全員の平均と女性全員の平均を比べた数字です。役職、勤続年数、雇用の形、働く時間の違いも入ります。同じ役職どうしで比べた数字を(注)に書いている会社もあります。

Q男性の育児休業取得率が100%を超えるのはなぜですか?

A分母はその年度に配偶者が出産した男性、分子はその年度に育児休業などを取り始めた男性です。前の年度に子が生まれた人が今の年度に取ると、分子だけに入るので、100%を超えることがあります。

Q第1号と第2号の数字は、比べられますか?

A比べられません。第2号は、会社が設けた育児目的の休暇を使った人も足します。両方を書いたBIPROGYは、第1号が68.1%、第2号が97.1%でした。

Q上場していない会社の数字は、どこで見られますか?

A厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」で、登録している会社の数字を検索できます。常時雇用する労働者が101人以上の会社は、2026年4月から、男女の賃金の差異と女性管理職の割合の公表が義務になりました。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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