ヤクルト本社の公式サイトが、10月26日の夜から開けなくなっています。どのページを開いても、「ただいまメンテナンス中です」という画面に切り替わります。画面には、当社ホームページで不正アクセスが認められた、とあります。
ヤクルト本社の公式サイトのメンテナンスの画面(10月28日16時ごろ)出典: 株式会社ヤクルト本社「メンテナンス|ヤクルト本社」(引用)
メンテナンスの画面に書かれていること
画面の日付は、2026年10月26日(月)19時です。ヤクルト本社がこの件で出した公表は、今のところこの画面の文面だけです(10月28日16時の時点で、編集部が確かめた範囲)。
| 項目 |
画面の文面 |
| 起きたこと |
当社ホームページで、不正アクセスが認められた |
| お客さまの情報 |
影響については、現在調査中 |
| これから |
新しい情報が分かり次第、報告する |
| 再開 |
書かれていない |
ITmedia NEWSは、28日11時の時点で、およそ40時間たっても同じ表示が続いていると伝えました。編集部が28日16時ごろに確かめたときも、同じ画面のままでした。
どこまで止まっているか
編集部が10月28日16時ごろに開いたところ、トップのページのほか、IR(投資家向け)、英語、ニュースのページも、同じメンテナンスの画面に転送されました。サイト全体を1枚の画面に切り替えている形です。
サイトの説明文によると、このサイトにはふだん、商品情報、CMの情報、宅配センターの検索、工場見学の案内などが載っています。これらは、今は見られません。ほかのドメインで動くサービスや、宅配の注文に影響があるかどうかは、画面に書かれていません。
公表にまだ書かれていないこと
| 項目 |
10月28日16時の時点 |
| 不正アクセスの入口と手口 |
書かれていない |
| いつからか |
書かれていない。画面の日付は26日19時 |
| お客さまの情報 |
影響は調査中。サイトで預かっていた情報の種類も書かれていない |
| 問い合わせの窓口 |
書かれていない |
| 再開の見通し |
書かれていない |
書かれていないことから、影響の有無は判断できません。第一報の時点で「個人情報のことは書かれていないから大丈夫」と社内に伝えるのは早すぎます。
10月は、不正アクセスやその疑いで、公式サイトや通販を止めたという公表が続いています。ほかの会社の件は、10月22日〜26日の情報漏えい15件の図解などにまとめています。ヤクルト本社の画面は原因に触れておらず、ほかの件との関係も分かりません。
公式サイトを丸ごと止めると、何が見えなくなるか
ヤクルト本社は、サイト全体を1枚の画面に切り替えました。どのページから来た人にも、不正アクセスと調査中であることが伝わります。その一方で、IRのページや、商品の案内、問い合わせ先も一緒に見られなくなります。
自社の公式サイトで同じことが起きたら、何が見えなくなるか。情シスやWebの担当者が、平時に確かめておきたいのはこの点です。
- お知らせを出す場所: サイトを止めても、お詫びと続報を出せる場所があるか。サイトと別の基盤に置いた告知のページ、公式のSNS、上場会社なら適時開示など
- 止められないページ: 製品の安全や回収の案内、問い合わせ先、IRの資料など、止めると困るページの写しを、どこに出すか
- 問い合わせの受け口: 問い合わせのフォームがサイトの中にあれば、止めている間の電話やメールの窓口をどう案内するか
影響する人・会社、しない人・会社
- 影響する: ヤクルト本社の公式サイトを見たい人です。商品の情報、宅配センターの検索、工場見学の案内、IRの資料などは、今は見られません。
- 影響する(可能性): ヤクルト本社のサイトの問い合わせのフォームなどに、会社のメールアドレスで連絡したことがある社員のいる会社です。お客さまの情報への影響は調査中です。
- 影響しない(今の時点): ヤクルト本社のサイトを使っていない人・会社です。ただし、ヤクルトを名乗る偽の連絡は、だれにでも届きえます。
会社・情シスが今日やること
- ヤクルトを名乗る連絡に注意を出します。 「お詫び」「調査の結果」「補償」を名乗るメールやSMSのリンクを開かないよう、社内に知らせます。確かめるときは、ブックマークや検索から公式サイトを開きます。
- 社内で関係する人を把握します。 総務や広報など、ヤクルト本社のサイトから問い合わせや申し込みをしたことのある部署を確かめます。対象の情報が分かったときに、すぐ連絡できるようにしておきます。
- 自社の公式サイトを止めたときの手順を見直します。 お知らせを出す場所、止められないページの写しの置き場所、問い合わせの受け口を、それぞれ担当者つきで決めます。サイトを委託している場合は、委託先の夜間の連絡先も一覧に入れます。
- 自社のサイトの土台を一覧にします。 使っているCMSやサーバーのソフトの版、管理画面に入れる人と場所、委託先を書き出します。古い版や、インターネットから管理画面に入れる状態が見つかったら、直す期限を決めます。
- 続報を公式で追います。 ヤクルト本社のサイトのお知らせで続報を確認し、対象の情報が分かったら社内に知らせ直します。
ヤクルト本社は、新しい情報が分かり次第報告するとしています。対象の情報や再開の日が出たら、この記事も更新します。