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情シスの相棒
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ワールド子会社に不正アクセス 延べ約120万件、検知は侵入の11日後

ワールドの子会社ティンパンアレイで、会員情報延べ約120万件が流出した可能性があります。土曜の午後の侵入に気づいたのは11日後で、休日の検知と、サイトを止めるときに残すものを考えます。

公開 更新 執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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ワールド子会社に不正アクセス 延べ約120万件、検知は侵入の11日後

この記事のまとめ

  • 侵入と抜き出しは10月17日(土)14時51分ごろ、検知は28日の昼でした。
  • 検知から公表まで2日は、10月の66件の中央値3日より短い日数です。
  • 報道によると、同じ会社の2013年の流出も連休最後の夜の不正アクセスでした。
  • 親会社はサイトを止めても、法定公告と開示の入口は残しています。
こんな方に#30代#40代#50代実務

延べ約120万件の会員情報が、外部に流出した可能性があります。アパレル大手のワールドが10月30日に公表した、連結子会社ティンパンアレイの業務サーバーへの不正アクセスです。侵入とデータを抜き出す操作は土曜の午後で、気づいたのは11日後。気づいてから公表までは2日でした。

発表は侵入の時刻まで書いていて、気づくまでの空白がそのまま読み取れます。情シスが自社に引き寄せて考えたいのも、この空白です。

土曜の午後に抜き出され、気づいたのは11日後

ワールドによると、10月17日(土)14時51分ごろ、外部からティンパンアレイの業務サーバーに不正アクセスがありました。発表の文は「当該サーバーへの侵入およびデータを抽出する操作が行われました」です。抜き出しは、侵入した日の出来事として書かれました。

検知は、10月28日(水)12時08分ごろでした。不正な操作を検知してサーバーを隔離し、同じ日の21時36分までに不正アクセスの経路を遮断。関連する社内業務システムの一部も止めました。翌29日に警察へ相談して個人情報保護委員会へ報告し、30日に公表しました。

2026年10月業務サーバー、延べ約120万件

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  • 17日(土)14時51分ごろ 侵入とデータの抜き出し
  • 18〜27日 気づいていない10日
  • 28日(水)12時08分ごろ 検知と隔離、21時36分までに経路を遮断
  • 29日 警察に相談、委員会に報告
  • 30日 ワールドが公表

2013年5月通販サイトなど4サイト、3万568人(報道による)

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  • 6日(振替休日)23時ごろ〜7日1時59分 不正アクセス
  • 9日 ティンパンアレイが発表。委託先のサーバー管理業者の連絡で判明

日の数え方は編集部。2013年はINTERNET Watchの報道(2013年5月10日)による

時刻まで数えると、侵入から検知まで10日と21時間あまりです。28日に見つけた「不正な操作」が17日と同じ操作なのか、その後に続いた別の操作なのかは、発表からは分かりません。それでも文面どおりに読めば、データを抜き出す操作は初日に行われていたことになります。気づいてからの動きが速かったぶん、気づくまでの長さが目立ちます。

公表の2日は、10月の中央値より短い

検知から公表までは、ほかの会社と比べても速いほうです。当サイトは10月の情報漏えいを、気づいた日から公表まで数えた記事で、66件の中央値を3日と出しました。同じ日を0日とする数え方なら、ワールドは28日から30日の2日です。隔離から9時間半ほどで経路を断ち、翌日に警察と委員会へ動いた順番にも、迷いは見えません。

ただ、あの66件の物差しは気づいた日から公表までで、入られてから気づくまでの日数は数えていません。ワールドは侵入の時刻を分単位で書いたので、11日近い空白が外から見えるようになりました。読む側にとっては、ありがたい書き方です。

情シスの目で見ると、縮めたい日数は公表までの2日より、侵入から検知までの11日近くでしょう。公表を1日早めても、漏れた量は変わりません。でも、気づくのが10日早ければ、止められた操作があったかもしれません。

件数は延べで、対象の会員と件数の詳細は確認中です。同じ会員が重ねて数えられていれば、人数は約120万より少なくなるかもしれません。報告の表の読み方の記事でも、公表の件数に同じ人の重複が残り、人数ではないと説明した例を取り上げました。

13年前の流出も、休みの日の夜だった

ティンパンアレイの不正アクセスは、これが初めてではありません。同社はブランド古着店「RAGTAG(ラグタグ)」を運営する会社で、WWDJAPANの2020年1月の記事によると、2018年4月にワールドの傘下に入りました。その前の2013年5月10日、INTERNET Watchは、同社が9日に通販サイトなどで使う外部サーバーへの不正アクセスで会員の情報が流出したと発表した、と報じています。当時の同社の発表は、編集部では確認できていません。ここからは、この報道によります。

報道によると、不正アクセスは5月6日23時ごろから7日1時59分まででした。SQLインジェクション攻撃とみられ、通販サイトなど4サイトの会員計3万568人のメールアドレスとパスワード、一部の会員IDが対象です。業務委託先のサーバー管理業者からの連絡で分かったといいます。5月6日は振替休日で、ゴールデンウィークの最後の夜にあたります。

13年で、狙われた場所も規模も変わりました。通販サイトなどの外部サーバーから業務サーバーへ、3万568人から延べ約120万件へ(人数と延べの件数なので、数え方は違います)。情報の中身も、メールアドレスとパスワードから、氏名や住所、生年月日などへ変わりました。

2回とも土曜や振替休日だったことは、偶然かもしれません。それでも問いは同じです。土曜の午後に会員データの抜き出しが始まったら、自社ではだれの画面に何が出るのか。答えが「月曜の朝にログを見るだれか」なら、週末の2日は空白になります。

親会社はサイトを止め、法定公告の入口は残した

11月1日に開くと、ワールドのコーポレートサイトは「コーポレートサイト一時停止のお知らせ」の1枚の画面になっていました。「現在、セキュリティ対策に伴うメンテナンスのため、当サイトを一時停止しております」とあり、いつから止めているか、なぜ親会社のサイトまで止めたのかは書かれていません。

株式会社ワールドのコーポレートサイトの画面。題は「コーポレートサイト一時停止のお知らせ」。赤い字で、セキュリティ対策に伴うメンテナンスのため当サイトを一時停止していると書かれ、必要な対応と安全性の確認が完了し次第公開を再開するとある。その下に法定公告のページへのリンクと、連結子会社における不正アクセスによる個人情報流出の可能性に関するお詫びとお知らせへのリンクが残されている
ワールドのコーポレートサイトの停止の画面(11月1日)出典: 株式会社ワールド「コーポレートサイト一時停止のお知らせ」(引用)

止めた画面には、リンクが2つありました。1つは法定公告のページで、開くと10月16日付の臨時株主総会のための基準日設定公告や、グループ会社の決算公告が載っていました。もう1つは、今回のお知らせのPDFです。

では、ほかの会社はどう止めたでしょうか。当サイトがヤクルト本社のサイト停止を追った記事では、10月28日16時ごろに開くと、トップのほかIR、英語、ニュースのページも同じメンテナンスの画面に転送されていました。ワールドの画面は、サイトを止めても、止められないページへの道を残した形です。

被害の広がりが読めないうちは、サイトごと止める判断も理解できますが、止めてから「公告はどこに出す」「お知らせはどこに置く」を考えるのでは遅いのです。止めるときに残す入口を、止める範囲と一緒に決めておく。ワールドの1枚の画面は、その見本になります。

影響する人と会社、影響しない範囲

影響が出うるのは、ティンパンアレイの会員です。流出した可能性がある情報は氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、メールアドレスで、ワールドは会員への個別のメールと、ホームページでの告知を準備中です。社員の中に会員がいれば、個人として「お詫び」を名乗る連絡に注意が要ります。

クレジットカードなどの決済情報と、顔情報の流出は確認されていません。顔情報をわざわざ挙げているので、同社は顔の情報も扱っているようです。どの業務の情報か、取引先の情報が含まれたかは、発表からは読めません。業績への影響は精査中です。

自社の会員データの持ち方が似ている会社には、他人事ではありません。ティンパンアレイでも、会員の情報は業務サーバーに保管されていました。会員サイトの本番のデータベースとは別に、集計や発送、問い合わせ対応のために業務サーバーへ写しを置いている会社なら、同じ形の入口を抱えているかもしれません。

休日の抜き出しに気づくための手順

  1. 会員データを置くサーバーとデータベースで、決めた量を超える読み出しや外への転送があったとき、どの通知がだれに届くかを書き出します。土日と夜に受ける人がいなければ、そこが空白です。
  2. 本番のデータベースの外にある会員データの写しを洗い出します。集計、発送、問い合わせ対応の業務サーバーや、担当者が書き出したファイルが候補です。
  3. 前の週末のログを月曜の朝に見る時間と人を決めておきます。休日の大きなエクスポートや、ふだん使わないアカウントでのログインが見る対象です。
  4. サイトを止める手順書に、止めても残す入口を書き足します。法定公告、お知らせのPDF、問い合わせの窓口の3つと、そこへのリンクを載せた1枚の画面を、あらかじめ作っておくと慌てません。
  5. グループ会社で起きたとき、親会社がどこまで止め、だれが公表するかを決めておきます。

13年前は、報道によると委託先が見つけて知らせてくれました。今回、28日の昼に不正な操作を見つけたのがだれだったのかは、続報を待つしかありません。自社で同じことが起きたとき、その「だれ」に自分の名前を書けるか。週明けに確かめておきたいのは、そこです。

出典・参考

人が監修しながらAIを活用して執筆しています。公開したあとも、人が内容を確かめています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。何を書くかと中身は人が決めて確かめ、記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負います。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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