エス・アンド・アイは2026年10月14日、コンタクトセンターの応対支援サービス「AI Dig」の機能強化版のリリースを発表しました。Genesys Cloudから通話データを直接連携し、クライアントPCを介さず音声認識を処理する新メニューを追加します。同社は、PCへのソフトウエア導入や個別設定、PC更改時の検証・設定作業を減らせるとしています。
音声認識をPC経由からサーバー側へ
新バージョンは、Genesys Cloudの音声ストリーミング機能「AudioHook」に対応します。これは音声を連続して送り出す機能です。新メニューはGenesys Cloudを利用する企業向けで、AudioHookとの連携を前提としています。
同社によると、この連携では従来必要だったコンバージャーが不要になります。Genesys CloudからAI Digへ通話データを直接渡し、サーバー側で音声認識を処理します。オペレーターが音声認識の開始・停止を操作する必要もなくなります。
今回の変更は、音声認識の処理経路と、そのために必要な端末側の作業に関するものです。全てのAI Dig利用企業が自動的に新構成へ切り替わるという発表ではありません。既存契約からの移行条件や料金、具体的な切り替え日程は、提供された発表情報には書かれていません。
応対支援に加え、端末管理の負荷を軽減
AI Digは、コンタクトセンターのオペレーター向けの応対支援サービスです。同社によると、音声認識と生成AIを使い、対話に応じて業務に必要な知識や情報を探す「ナレッジ検索」を支援します。よくある質問と回答をまとめたFAQの下書き作成も支援します。
新メニューについて同社は、従来の提供方式より導入コストや構築・運用負荷を軽減すると説明しています。PCへの依存を抑える構成により、在宅オペレーションへの展開も支援するとしています。
情シスが比較したいのは、導入費用だけではありません。端末ごとのソフトウエア導入、個別設定、PC更改時の検証が、現行構成でどれだけ発生しているかも確認対象です。ただし、削減額や削減時間は発表情報にはありません。自社で減らせる作業は、現行の手順と新メニューの条件を照らし合わせて判断する必要があります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Genesys Cloudを利用し、AI Digの導入や構成変更を検討している会社です。AudioHook連携を前提とする新メニューが検討対象になります。
- 影響する: AI Digの運用でPCへのソフトウエア導入や個別設定を行っている会社です。Genesys Cloudとの連携条件を確認したうえで、端末管理の作業を見直す余地があります。
- 影響しない: Genesys Cloudを利用していない会社は、今回追加されたGenesys Cloud向けメニューの直接の対象ではありません。他の環境で同じ構成を利用できるかは、発表には書かれていません。
- 影響しない: AI Digを導入・利用する予定がない会社に対し、今回の発表で設定変更を求める内容は示されていません。
情シスが今日やること
- 現行の構成を確認します。 コンタクトセンターの運用担当者と、Genesys CloudとAI Digの利用有無、通話データの連携経路を確認してください。構成図や端末のソフトウエア一覧を照合します。確認すべき管理画面の名称や操作箇所は、発表には書かれていません。
- 端末側の作業を洗い出します。 PCの初期設定手順と更改時の検証項目から、AI Digの音声認識に関わる作業を抜き出してください。新構成でも必要な作業かどうかを、導入検討時に確認できる形にまとめます。
- 導入判断の前に提供条件を確認します。 エス・アンド・アイに、既存環境からの移行条件、料金、切り替え日程、必要な設定を問い合わせてください。発表情報だけで、既存構成の廃止や端末ソフトの削除を決めないようにします。
- 運用変更を現場責任者に共有します。 新メニューを採用する場合は、音声認識の開始・停止操作が不要になる点を、コンタクトセンターの責任者と教育担当者に伝えてください。切り替え前に、操作手順書とPC更改手順の変更箇所を確認します。