KDDIは2026年10月14日、LG CNSとの基本合意書締結を発表しました。アジア太平洋地域(APAC)の現地法人や、同地域に進出する日系企業・韓国系企業を対象に、AI、スマートシティ、通信、マネージドサービス・セキュリティーの4分野で協業を検討します。海外拠点のIT調達に関わる発表ですが、具体的なサービスの提供開始ではなく、連携の検討段階です。
インフラからアプリまでの提供体制を目指す
LG CNSは韓国ソウルに本社を置き、法人向けのデジタル化やAI活用に関する事業を展開しています。今回の提携には、LG CNS、KDDIと両社の関係会社を合わせた5社が参画します。
両社が目指すのは、インフラからアプリケーションまで一貫して提供する体制です。運用を外部に任せるマネージドサービスの分野では、アプリケーション運用、システム統合、インフラ運用を組み合わせたサービスを検討します。企業や社会インフラの運用を支えるセキュリティーサービスについても協議します。
通信分野では技術やノウハウを交換し、ネットワーク高度化やAI活用の知見を共有します。将来は、通信事業者や産業・テクノロジーパートナーとの協業も視野に入れています。
ただし、日本での具体的な提供条件、提供時期、日本語対応、価格、利用できるリージョンは発表には書かれていません。今回の合意だけで、既存契約のサービス範囲が変わるとは判断できません。
企業向けAIとロボット統合管理も連携検討
AI分野では、LG CNSの「AgenticWorks」などを活用した企業向けAIサービスの連携を検討します。同社のRXプラットフォーム「PhysicalWorks」も連携検討に含まれます。
製造業、物流業、小売業などに向けては、ロボット統合管理サービスの提供を目指します。これも提供済みのサービスとして発表されたものではありません。導入候補として扱う場合は、実際に提案される機能や提供範囲を別途確認する必要があります。
都市の運営や公共サービスに技術を活用するスマートシティ分野では、地域課題に対応する展開機会を協議します。各分野に共通するのは、協業の方向性を示した段階であることです。情シスにとっては、今すぐシステムを変更する話ではなく、海外拠点で必要な支援と今後の提案内容を照らし合わせる材料になります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: APACに現地法人がある会社や、同地域に進出する日系企業・韓国系企業です。今回示された対象に当たり、今後の調達候補を検討する際に関係します。
- 影響する: 上記の地域・企業条件に当たり、ロボット統合管理を検討する製造業、物流業、小売業などです。両社が提供を目指す分野と自社の要件を照合する価値があります。
- 影響しない: 国内のみで事業を行い、APACへの進出も検討していない会社は、今回示された対象には直接当たりません。国内向けの具体的な提供条件は発表には書かれていません。
- 影響しない: 既存サービスの設定変更や契約変更が必要な会社・プラン・版は、発表には書かれていません。KDDIを利用しているという理由だけで変更対応を始める根拠はありません。
情シスが今日やること
- 今日、社内の拠点一覧と海外進出計画を確認します。APACの現地法人や進出予定があるかを整理し、対象に当たる場合は海外事業担当に今回の合意を共有します。
- 対象拠点がある場合は、契約台帳と委託業務一覧で、通信、アプリケーション運用、インフラ運用、セキュリティーの委託範囲を確認します。次回の調達検討までに、一括で依頼したい業務と分けて依頼したい業務を整理します。
- AIやロボットの導入計画がある場合は、現地の業務責任者に必要な用途と運用上の課題を確認します。「AgenticWorks」「PhysicalWorks」との連携は検討段階であることも伝え、提供が確定した前提で計画を進めないようにします。
- 次回の事業者との打ち合わせ前に、提供国、日本での契約可否、開始時期、日本語での支援、料金、運用・セキュリティーの責任範囲を質問事項にまとめます。発表にない条件は、見積もりや契約の判断前に回答を得る進め方にします。