Preferred Networksは2026年10月7日、AI翻訳サービス「PLaMo翻訳」の大型更新版を提供開始しました。翻訳の対応言語を日本語・英語の2言語から53言語に広げ、15言語に対応するオンライン会議翻訳機能も正式提供しました。多言語の文書と会議の両方で、業務に使える範囲が広がります。
文書翻訳は53言語、会議翻訳は15言語
更新版は、文章などを扱う大規模言語モデル(LLM)「PLaMo」の第3世代を基に開発されました。基盤には、PFNとNICTの共同研究で得た事前学習モデル「PLaMo 3 NICT」を使っています。
会議翻訳の対象はZoom、Google Meet、Microsoft Teamsです。PFNによると、会議URLを指定して翻訳ボットを入室させると、話者別の文字起こしと双方向の翻訳をブラウザに即時表示できます。3言語間の会議にも対応します。
固有名詞や専門用語は用語集に登録でき、PFNは聞き間違いを防げるとしています。社名や製品名など、業務固有の言葉を使う会議では、試用時に確認したい機能です。ただし、文書翻訳の53言語と会議翻訳の15言語は別の対応範囲です。必要な言語が会議でも使えるかは、分けて確認する必要があります。
PFNによると、サービス提供に必要なデータ処理は国内で完結します。一方、入力データの保存期間や学習への利用条件は、今回の資料には書かれていません。国内処理という説明だけで、社内の機密情報を入力してよいと判断しないことが重要です。
約14円は利用料金ではなく、モデルの料金換算
PFNは、日本語翻訳精度がGPT-6 Astraなどと同等と説明しています。また、自社ベンチマークを含む評価では、DeepLやGoogle Translateより高精度だったとしています。いずれもPFNによる評価であり、自社の文書でも同じ結果になると確認されたものではありません。
コストについては、同世代モデルのAPI料金に換算すると、原文10万文字あたり約14円としています。APIは、ソフトウェアから機能を呼び出す仕組みです。この数字はPLaMo翻訳のプラン料金ではなく、PLaMo翻訳自体のAPIも公開されていません。システムへの組み込み費用として、そのまま予算に使うことはできません。
大型更新のキャンペーンは2026年11月末までです。Lite個人プランは2か月無料、それ以外のプランは割引価格で提供します。期間中は会議翻訳の利用上限を2倍にし、会議翻訳を無料で試せるトライアルも継続します。通常料金や具体的な割引額、上限の数値は、今回の資料には書かれていません。
第3世代の翻訳LLMは、複数のモデルサイズで展開する予定です。モデルの学習済みの値を公開するオープンウェイトとして、PLaMoコミュニティライセンスで公開する予定ですが、公開日は示されていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: PLaMo翻訳を使っていて、日本語・英語以外の翻訳も必要な会社です。対応範囲が53言語に広がります。
- 影響する: Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsで多言語会議を行う会社です。会議翻訳は15言語対応なので、必要な言語の確認が前提になります。
- 影響しない: PLaMo翻訳を利用せず、今回の会議翻訳も導入しない会社です。この発表による社内サービスの変更はありません。
- 影響しない: 公開APIでPLaMo翻訳を自社システムに組み込もうとしている会社には、今回、公開APIの提供はありません。
情シスが今日やること
- 利用部署に言語を確認する。 翻訳担当者と会議の主催者から、文書で使う言語と会議で使う言語を別々に集めます。試用前に、53言語・15言語のそれぞれの対応範囲と照合してください。
- 会議ボットの入室ルールを確認する。 会議運用担当者と、対象サービスで外部ボットを参加させてよいかを確認します。具体的な管理画面の設定箇所は発表には書かれていないため、導入前に提供元へ確認し、主催者と参加者への案内方法を決めてください。
- 入力できる情報を決めてから試す。 情報管理の担当者に保存期間や学習利用条件の確認を依頼します。条件を確認するまでは機密情報を避け、試用する文書と会議用語を用意してください。
- 契約前に料金と上限を確認する。 調達担当者に、約14円はサービス料金ではないと共有します。キャンペーンを使う場合は2026年11月末までに、対象プラン、無料期間後の料金、会議翻訳の通常上限と期間中の上限を確認してください。