一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は2026年10月2日、利用していたさくらインターネットの「さくらのレンタルサーバ」で不正アクセスが起き、協会がそこに保存していた個人情報などが、第三者に見られたり取られたりした可能性があると公表しました。対象には、各種ホットラインへの通報や連絡の内容も含まれます。実際に見られたり取られたりしたことは、確認されていません。
元になったのは、さくらインターネットが8月に公表した、レンタルサーバと販売管理システムへの不正アクセスです。同社は9月10日の第三報で、調査が終わったとして、影響の範囲と再発の防止の策を示しました。
協会の10月2日の公表。通報・連絡の内容なども対象出典: セーファーインターネット協会「個人情報の漏えいの可能性に関するお詫びとご案内」(引用)
協会の公表で分かっていること
| 項目 |
内容 |
| 公表 |
2026年10月2日 |
| 何が起きたか |
協会が利用する「さくらのレンタルサーバ」で不正アクセスが起きたと、さくらインターネットから報告を受けた |
| 見られた可能性がある情報 |
氏名、メールアドレス、各種ホットラインへの通報・連絡の内容、問い合わせのフォームから送られた内容、イベントや研修などの申し込み、協会とのメールの送受信の内容 |
| 実際の被害 |
閲覧や取得、不正利用や二次被害は確認されていない |
| 協会の対応 |
さくらインターネットに状況と影響を確かめた。協会が使うサーバーやメールなどの認証情報を変えた。個人情報保護委員会に報告し、連絡先の分かる人にメールで個別に案内している |
協会は、ネットの違法・有害な情報の通報を受け付ける窓口などを運営しています。通報の内容には、通報した人の連絡先や、相談の中身が含まれることがあります(当社の見立て)。
さくらインターネットの調査の結果(9月10日の第三報)
さくらインターネットの第三報。会員情報136万アカウントが対象出典: さくらインターネット「当社システムへの不正アクセスに関する調査結果および再発防止策について(第三報)」(引用)
| 項目 |
内容 |
| 発覚 |
2026年8月9日、レンタルサーバの保守用のサーバーで異常を見つけた |
| レンタルサーバ |
一部のサーバーへの不正アクセスと、マルウェアの設置を確認。見られた可能性があるのは、8月17日の583アカウントに368アカウントを加えた計951アカウント。2025年7月以降とみられる不審な活動の跡もあったが、関連は確かめられなかった |
| 販売管理システム |
契約の情報を管理するシステムのデータベースに不正アクセス。2023年4月から2026年3月までに起きていた。対象は会員情報1,360,563アカウント(レンタルサーバの利用者を含む)。うち30アカウントは、ハッシュ化した会員IDのパスワードも見られた可能性がある |
| 初期パスワード |
販売管理システムには、レンタルサーバの一部の初期のサーバーパスワードと、さくらのVPSの一部の管理者の初期パスワードが、ハッシュ化されないまま入っていた。今も使われていたレンタルサーバのパスワードは同社が変えた |
| 外への持ち出し |
持ち出しを裏付ける明確な事実は無い。ネットやダークウェブでの公開、不正利用、金銭の被害、便乗のフィッシングは確認されていない |
| ほかのサービス |
レンタルサーバを除くサービスの環境に、不正アクセスの兆候は無かった |
| クレジットカード |
同社は持っておらず、漏えいの恐れは無い |
同社は、両方の不正アクセスに関係があることを示す明確な根拠は無いとしています。侵入の経路や技術の詳細は、守りのために公表を控えています。
提供元の事故が、利用者の事故になる
今回の協会の件は、協会のシステムが直接狙われたのではなく、借りていたレンタルサーバの提供元で起きた事故が、協会の情報に及んだ形です。さくらインターネットの第三報から、協会の公表まで約3週間かかっています。提供元からの報告を受けてから、自分たちの保存していた情報を洗い出し、対象者を特定して知らせるまでに時間が要ることが分かります(当社の見立て)。
同じさくらのレンタルサーバを使う会社や団体も、自分たちの領域に何を置いていたかを確かめる立場にあります。