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PPAPとは?「パスワードは別送します」をやめる理由と代わりの送り方

パスワード付きZIPを送り、パスワードを別のメールで送る「PPAP」。政府が2020年にやめた経緯、盗み見も誤送信も防げずウイルス検査をすり抜ける問題点、共有リンクやファイル転送サービスなど代わりの送り方の比較、取引先にそのまま送れる文面例をまとめました。

公開 情シスのミカタ編集部AIにより執筆
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PPAPとは?「パスワードは別送します」をやめる理由と代わりの送り方

この記事のまとめ

  • PPAPはパスワード付きZIPとパスワードを同じメールの経路で送る方法です。盗み見も誤送信も防げません。
  • 暗号化されたZIPはウイルス検査をすり抜けます。内閣府・内閣官房は2020年にやめ、省庁や企業にも広がりました。
  • 代わりは、相手を指定し期限を付けたクラウドの共有リンクが基本です。取引先には文面例を使って早めに知らせます。
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「添付ファイルのパスワードは、別のメールでお送りします」。PPAP と呼ばれるこの送り方は、2020年に内閣府と内閣官房がやめ、その後は省庁や企業でもやめる動きが広がりました。何が問題なのか、代わりにどう送ればよいか、取引先へのお願いの仕方をまとめます。

PPAPとは パスワード付き ZIP とパスワードを続けて送る方法

PPAP は、パスワード付きの ZIP ファイルをメールに添付して送り、続けて別のメールでパスワードを送る方法です。名前は頭文字です。この問題を論じてきた大泰司章氏(PPAP総研)は、情報処理学会の会誌(2020年6月)で次のように説明しています。

頭文字 意味
P Password つき zip ファイルを送ります
P Password を送ります
A An 号化(暗号化)
P Protocol(手順)

手作業で送る会社もあれば、送信時に自動で ZIP にし、パスワードも自動で送る仕組みを使う会社もあります。

政府や企業がやめた経緯

時期 出来事
2020年11月17日 平井卓也デジタル改革担当大臣(当時)が会見で、政府の意見募集「アイデアボックス」で得票1位だった「暗号化ZIPファイルの廃止」を取り上げ、内閣府・内閣官房で廃止する方向で検討していると表明
2020年11月24日 同大臣が、内閣府・内閣官房で11月26日に廃止する予定と発表。他省庁にも廃止を促す考えを示す
2020年12月1日 freee が、メールに付いたパスワード付きファイルの受信をやめる
2021年12月1日 文部科学省が、2022年1月4日から添付ファイルをクラウドストレージに自動で保存し、相手にダウンロードしてもらう仕組みにすると発表
2022年1月26日 IIJ が、パスワード付き ZIP ファイルを削除し、メール本文だけを受け取る運用を始める
2025年5月13日 金融庁が主要行等との意見交換会で、パスワード付きファイルの送付は「基本的には行うべきではなく」と述べる

PPAPの何が問題なのか

PPAP は「暗号化しているから安全」と思われがちです。実際には、心配していることのほとんどを防げていません。

心配なこと PPAP で防げるか
メールの盗み見 防げない。同じ経路でパスワードも届く
宛先の間違い 防げない。自動で送る仕組みでは、パスワードも同じ宛先へ届く
ウイルス むしろ検査をすり抜ける
相手の手間 増える。2通のメールを突き合わせ、パスワードを入れて開く必要がある

同じ経路で送ると守りにならない

平井大臣は2020年11月24日の会見で、ZIP ファイルと同じ経路でパスワードを自動で送る方式について述べました。「セキュリティ対策の観点からも、受け取る側の利便性の観点からも、適切なものではない」という発言です。

メールが途中で盗み見られるなら、2通目のパスワードも同じように見られます。金融庁も、別送であっても同じ通信経路なら盗聴のリスクがあるとしています。

ウイルス検査をすり抜ける

暗号化された ZIP の中身は、メールの通り道にあるウイルス対策の仕組みでは調べられません。Emotet(エモテット)は、メールで広がるウイルスの一種です。

IPA は2020年9月、パスワード付き ZIP を添付した Emotet の攻撃メールを確認しました。セキュリティ製品の検知をすり抜けて届く確率が高いとして、注意を呼びかけています。

メールの画面とフォルダー、Wordの画面を矢印でつないだ図。①メールの添付ファイル(ZIP)をPCへ保存する、②メールに書かれているパスワードでZIPを解凍するとWord文書ファイルが出る、③Word文書ファイルを開く。Wordの上部のセキュリティの警告にある「コンテンツの有効化」ボタンに、クリックすると悪意のあるマクロが動いてウイルスに感染させられてしまう、と注意書きがある
IPAが示した、パスワード付きZIPのメールからEmotetに感染するまでの流れ出典: IPA「相談急増/パスワード付きZIPファイルを使った攻撃の例(2020年9月2日)」(引用)

JPCERT/CC も同じ時期に、パスワードを本文に書いたパスワード付き ZIP の攻撃メールを確認しています。文部科学省も、パスワード付き ZIP で Emotet などが検査をくぐり抜ける事案を、PPAP をやめた理由に挙げました。

受け取りを断る会社がある

freee と IIJ は、メールに付いたパスワード付きファイルを削除し、本文だけを受け取る運用に変えました。どちらも、ウイルス検査をすり抜けることを理由に挙げています。PPAP で送ると、相手にファイルが届かないことがあるということです。

代わりの送り方の比較

方法 向いている場面 気をつける点
クラウドの共有リンク(相手を指定) 取引先とのふだんのやり取り 「リンクを知っている全員」にしない。相手にアカウントが要ることがある
共有リンク+有効期限+ダウンロード禁止 見せるだけの資料、期間限定の資料 一部の設定は法人向けの契約が必要
ファイル転送サービス 大きなファイル、相手がクラウドを使えない 運営会社の信頼性、保存期間、ログインの守り
メールの通信経路の暗号化 メールそのものを守る 自社と相手のメールサーバーの設定による
パスワード付きファイル+別の経路でパスワード 相手の決まりでほかの方法が使えない 電話など本当に別の経路で伝える。ウイルス検査をすり抜ける点は残る

金融庁は、メールの通信経路そのものを暗号化するのが基本だとしています。それができない場合は、安全性の高いオンラインストレージを使うよう求めています。社外とのやり取りの既定を「相手を指定した共有リンクに有効期限を付ける」にしておくと、多くの場面に対応できます。

OneDrive・SharePoint の場合

Microsoft のサポートページでは、共有リンクに次の設定ができると説明しています。

  • 特定のユーザー: 指定した人だけがアクセスできる
  • 有効期限の設定: 期限が来たらリンクが使えなくなる
  • パスワードの設定: パスワードは相手に別に伝える
  • ダウンロードを禁止する: 職場や学校のアカウントで、編集を許可しないときだけ使える

有効期限とパスワードは、Microsoft 365 の契約者だけが使えます。管理者は、誰でも開ける「すべてのユーザー」リンクに有効期限を必須にし、最大の日数を決めることもできます。

「[すべてのユーザー]リンクの有効期限とアクセス許可のオプションを選択します。」の説明の下に、「これらのリンクは指定された日数以内に有効期限が切れる」のチェックボックスと日数の欄、FilesとFoldersに付けるアクセス許可を選ぶ欄(表示と編集、表示・編集・およびアップロード)が並ぶ管理画面
Microsoftのヘルプに載っている「すべてのユーザー」リンクの有効期限の設定欄出典: Microsoft Learn「Microsoft 365 で SharePoint と OneDrive の共有設定を管理する」(引用)

Google ドライブの場合

  • 一般的なアクセスを「制限付き」にすると、追加したユーザーだけが開ける
  • 閲覧者がダウンロード・コピー・印刷できないように制限できる
  • 職場や学校の Google アカウントなら、アクセス権に有効期限(1年以内)を付けられる

ファイル転送サービスを使うとき

2019年1月には、ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」が不正アクセスを受けました。運営会社の最終報告によると、ログイン用のメールアドレスやパスワードを含む481万5,399件の会員情報が漏れました。預かっていたファイルの漏えいはなかったとしています。

選ぶときは、運営会社の実績、ファイルの保存期間、ログインの守り(多要素認証など)を確かめます。会社として使うサービスを1つに決め、社員が個人の判断で無料のサービスを使わないようにします。

情シスが社内で PPAP をやめる手順

順番 やること メモ
1 PPAP を使っている場面を洗い出す 自動で ZIP にする仕組み、手作業の部署、取引先から求められているもの
2 代わりの送り方を決める 既定は「相手を指定した共有リンク+有効期限」
3 社内ルールと手順書を作る 共有リンクの作り方と、やり取りが終わったら共有を止めることまで書く
4 取引先に知らせる 下の文面例を使う。切り替えの1か月前が目安
5 自動で ZIP にする仕組みを止める 止めた日を社内に周知する
6 受信の扱いを決める すぐに削除するか、当面は注意の表示にとどめるか

受信したパスワード付き ZIP をすぐに削除する運用は、取引先への影響が大きくなります。まず送る側をやめ、受信は取引先の切り替えが進んでから決めても遅くありません。

取引先にお願いするときの文面例

○○ の部分を自社に合わせて書き換えてください。

自社の送り方を変えるお知らせ

件名: ファイルの送付方法の変更について(○月○日から)

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

当社では、○年○月○日から、メールでのファイルの送り方を変更いたします。これまでは、パスワード付き ZIP ファイルを添付し、パスワードを別のメールでお送りしていました。今後は、クラウドストレージ(○○)の共有リンクでお送りします。リンクはご担当者さまのメールアドレスでのみ開ける設定とし、有効期限は○日です。

パスワード付き ZIP ファイルは、ウイルス対策の検査をすり抜けるおそれがあります。政府機関でも廃止が進んでいることから、変更を決めました。

リンクが開けない場合や、貴社の決まりで受け取れない場合は、□□までご連絡ください。別の方法をご相談させていただきます。

相手に PPAP をやめてもらうお願い

受信の停止を決めたときに使う文面です。

件名: ファイルのお送り方法についてのお願い

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

当社では情報セキュリティ対策の一環として、○月○日から、パスワード付き ZIP ファイルが添付されたメールを受け取れなくなります。添付ファイルは、自動で削除されます。

お手数をおかけしますが、今後は次のいずれかの方法でお送りいただけますでしょうか。

  1. 貴社のクラウドストレージの共有リンク
  2. 当社がご用意するアップロード用のリンク(ご連絡いただければお送りします)

ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

今日からできること

チェック やること
□ 自社で PPAP を使っている部署・仕組みを書き出す
□ 社外とのファイルのやり取りの既定を「相手を指定した共有リンク+有効期限」に決める
□ 共有リンクの作り方を1枚の手順書にする
□ 管理画面で、誰でも開けるリンクに有効期限を必須にできるか確かめる
□ 取引先へのお知らせを、切り替えの1か月前に送る
□ 自動で ZIP にする仕組みを止める日を決める
□ どうしても必要なときは、パスワードを電話など別の経路で伝えると決める

「暗号化しているから安心」ではなく、「誰が、いつまで開けるか」を決めて送る。この考え方に切り替えるだけで、送る側も受け取る側も楽になります。

この記事で使える無料テンプレ

よくある質問

QPPAPは法律で禁止されているのですか?

APPAPを名指しで禁止する法律はありません。個人情報保護委員会のガイドラインは、ファイルにパスワードを設定することを安全管理の手法の例として挙げています。問題はパスワードを同じメールの経路で送ることで、政府機関や企業が自主的にやめています。

Qパスワードを電話で伝えれば問題ありませんか?

A盗み見への備えとしては、同じメールで送るより適切です。2020年に平井大臣(当時)も、全く別の経路でパスワードを知らせるのがまずは適切な対応だったと述べています。ただし、暗号化したファイルがウイルス検査をすり抜ける点は変わりません。

Q共有リンクにすれば安全ですか?

A設定しだいです。「リンクを知っている全員」ではなく相手を指定し、有効期限を付け、やり取りが終わったら共有を止めます。会社として使うサービスと設定の決まりを先に決めておきます。

出典・参考

この記事は、まだ監修者のチェックを受けていません。

執筆

情シスのミカタ編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の発表・企業の公式発表などの一次情報を調べて、情シス向けの解説・比較・テンプレの記事を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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