PayPay証券は2026年10月13日、外部接続先の障害により、日本株・ETFの全銘柄の取引を停止していると公式のお知らせで発表しました。11時30分ごろに一度再開しましたが、再び停止しています。自社のシステムは動いていても、外部の接続先が止まればサービスは止まります。情シスが自社サービスの依存先を見直すきっかけになる事案です。
何が起きたか(公式のお知らせの時系列)
PayPay証券の公式のお知らせは、更新のたびに上へ積み上がる形で書かれています。内容は次のとおりです。
| 時刻(2026年10月13日) |
公式のお知らせの内容 |
| 10時15分 |
日本株・ETFの全銘柄の取引を停止。当初の説明は「システム障害」 |
| 11時30分ごろ |
注文受付を一時的に再開。公式は「10時15分〜11時37分」を一時停止としたと案内。予約注文の受付と、ミニアプリの12時30分以降の売買も再開と書いた |
| 再開から1時間程度 |
障害の影響で、再度取引を停止 |
| 12時50分の更新 |
原因を「外部接続先の障害」と説明。再停止中と案内 |
| 15時50分の更新 |
停止が続いている。13日の大引け後も、14日扱いの日本株の予約注文の受付を停止 |
PayPay証券のお知らせ「日本株・ETF全銘柄の取引停止について」出典: PayPay証券(引用)
再停止の正確な時刻は、公式のお知らせには書かれていません。再開から1時間程度という書き方です。15時50分の更新では、取引が可能になったら改めて案内するとしています。この記事は、その時点の公式の記載をもとにしています。
影響する人・会社、しない人・会社
- 影響する: PayPay証券アプリ・PCサイトで、日本株・ETFを売買する人。全銘柄が対象です。
- 影響する: 14日(水)扱いの日本株の予約注文を出したい人。13日の大引け後も受付を停止しています。
- 影響する: 従業員向けの福利厚生や、社内の資産形成の案内で、PayPay証券の日本株・ETFの取引を紹介している会社。問い合わせが来るおそれがあります。
- 影響しない: 米国株・米国ETF・投資信託・日本株CFD・10倍CFDの取引。公式は通常どおり取引できると書いています。
- 影響しない: PayPay証券ミニアプリで予約注文を使う予定の人。ミニアプリにはもともと日本株の予約注文機能がありません。
外部接続先が止まると、自社が正常でも止まる
今回の原因は、PayPay証券自身のシステムではなく、外部接続先の障害とされています。どの接続先かは公表されていません。ただ、一般に、金融のサービスは取引所、決済、市場データなど、社外の接続先と常につながって動いています。
これは金融だけの話ではありません。次のような接続先が止まると、自社のサービスも止まります。
| 依存している外部接続先の例 |
止まったときに起きること |
| 決済代行・カード会社 |
EC、会員サイトの支払いができない |
| 認証基盤・SSO |
社員や顧客がログインできない |
| クラウド・CDN |
自社サイトや業務システムが開かない |
| 外部API(地図・配送・与信など) |
画面の一部が動かない、注文が完了しない |
自社に原因がないと分かっても、利用者から見れば自社のサービスが止まっています。障害の原因が外部にあっても、案内は自社の仕事です。
切り分けと案内の難しさ
今回の更新は、情報発信の例としても参考になります。当初の「システム障害」という案内は、12時50分に「外部接続先の障害」と改められました。障害の最初の段階では、原因が自社か外部かを切り分けられないことがよくあります。分かった時点で説明を直し、影響のないサービスを明記したことで、利用者は米国株や投資信託の取引ができると判断できました。
案内の基本は次の3つです。
- 止まっているものと、止まっていないものを分けて書く
- 次の更新の時刻、または「復旧したら案内する」と書く
- 分かっていない原因を、推測で書かない
会社・情シスが今日やること
- 自社サービスの外部接続先を一覧にします。 決済、認証、クラウド、外部API、通信回線を、サービスごとに書き出します。契約書と請求書から拾うと漏れが減ります。
- 接続先ごとに、止まったときの影響と代替手段を決めます。 「決済が止まったら銀行振込の案内に切り替える」のように、一文で書ける形にします。代替がないものは、止まる前提で顧客への案内を用意します。
- 障害時の案内の文面を作っておきます。 「止まっている機能」「使える機能」「次に案内する時刻」の3点を入れた雛形を、サイトとメールの両方で使えるようにします。原因が分かる前は「外部要因の可能性を調べています」と書き、断定しません。
- 接続先の障害情報を見る担当を決めます。 各社の稼働状況ページの通知を受け取る設定をして、障害の第一報を社内で共有する人を決めます。
- 社員への案内が要る会社は、今日の状況を確認します。 福利厚生などでPayPay証券を案内している会社は、公式のお知らせの最新の更新を確かめ、問い合わせ先と案内の文面を用意します。
確認した時点の状況
PayPay証券のお知らせの時刻つきの更新は、報道の内容と一致しています。確認した2026年10月13日夜の時点で、15時50分の更新が最新で、復旧の案内は出ていませんでした。最新の状況は、公式のお知らせで確かめてください。