日本交通は2026年10月5日、社内システムへの不正アクセスを受けて止めていた電話でのタクシー配車を、10月6日11時に再開すると発表しました。7月11日の発生から約3か月ぶりです。陣痛タクシーのWebフォームからの登録も、同じ日に再開します。
日本交通が10月5日に発表した内容
お知らせによると、外部のセキュリティ専門機関による診断と、再発防止策の検証を重ね、システムの安全性が確かめられたため再開します。
| 項目 |
お知らせの内容 |
| 発表した日 |
2026年10月5日 |
| 再開の日時 |
2026年10月6日(火)11時の予定。復旧の状況により、時間が多少前後する場合がある |
| 再開するもの |
電話でのタクシー配車と、陣痛タクシーのWebフォームからの登録(日本交通(東京23区・武蔵野市・三鷹市)、日本交通立川、日本交通横浜、日本交通埼玉) |
| 再開の理由 |
外部のセキュリティ専門機関によるセキュリティ診断と再発防止策の検証を重ね、システムの安全性が確認された |
| 問い合わせ先 |
日本交通株式会社不正アクセスに関するお問い合わせ窓口 0120-009-098(平日9時から17時) |
日本交通の10月5日のお知らせ。再開の日時と、対象の電話配車・陣痛タクシーの登録が並ぶ出典: 日本交通「一部サービスの復旧について」(引用)
再開の日付は、日本交通のお知らせ(10月5日に確認)の「10月6日(火)」によります。
7月から何が止まっていたか
最初の発表は7月13日です。社内システムが外部から不正アクセス(マルウェア感染)を受け、検知してすぐにシステムを遮断したとしています。マルウェアは、情報を盗んだり壊したりする悪意のあるプログラムです。
| 日付 |
公表の内容 |
| 7月11日(土)未明 |
発生 |
| 7月13日 |
不正アクセス(マルウェア感染)を公表。ハイヤーWEB受注・予約管理システム、電話でのタクシー配車、一部の社内向けシステムが使えない状態になった |
| 7月13日17時 |
陣痛タクシーのWebフォームからの登録を一時停止 |
| 7月22日(第3報) |
流出した疑いのある情報をインターネット上で確認。内容や範囲は調査中 |
| 8月19日(第4報) |
保有していたファイルの一部が外部に流出していることが判明。漏えいが確かめられたら、該当する人に知らせる |
| 10月5日 |
電話配車などの再開を発表 |
7月13日の最初のお知らせ。止まったシステムと、GOなど代わりの手段の案内がある出典: 日本交通「弊社システムへの不正アクセスによるシステム停止に関するお詫びとご報告」(引用)
侵入の経路や、流出したファイルの中身は公表されていません。この記事でも推し量りません。
止めていた間、日本交通はタクシーアプリ「GO」からの注文か、乗り場・流しのタクシーを使うよう案内していました。
タクシーアプリ『GO』では、配車依頼時のタクシー会社指定で「日本交通」をご選択いただくことで日本交通の車両をご注文・ご利用いただけます。
出典: 日本交通「弊社システムへの不正アクセスによるシステム停止に関するお詫びとご報告」
再開のお知らせに入っていないもの
10月5日のお知らせが対象に挙げているのは、電話配車と陣痛タクシーのWeb登録の2つです。次のものには触れていません(10月5日時点)。
- ハイヤーWEB受注・予約管理システム。7月13日に止まったと公表したもので、ハイヤーのサイトの新着情報も8月19日の第4報が最新です
- 一部の社内向けシステム
- 流出したファイルの中身と、対象になる人
影響する人・会社、しない人・会社
- 影響する: 電話で日本交通のタクシーを呼んでいた人・会社。10月6日11時(予定)から電話での配車が戻ります。
- 影響する: 陣痛タクシーにWebで登録したい人。対象は日本交通(東京23区・武蔵野市・三鷹市)、立川、横浜、埼玉の4つです。
- 影響する: ハイヤーをWebで予約していた会社。Webの受注・予約管理システムは、再開の対象に入っていません。
- 影響する: 日本交通と取引のある会社・個人。ファイルの一部の流出が分かっており、中身は調査中です。
- 影響しない: タクシーアプリ「GO」で日本交通を指定して呼ぶ使い方と、乗り場・流しのタクシー。止まっていた間も、日本交通が案内していた手段です。
受付の仕組みが止まったときの続け方
公表から言えること
電話の受付が止まっても、日本交通はアプリと乗り場・流しという別の入口を案内できました。一方で、電話配車の再開までには約3か月かかっています。外部の専門機関の診断と再発防止策の検証が済むまで、止めた仕組みを戻していません。
一般的な備え
ここからは日本交通の公表ではなく、受付や予約の仕組みを持つ会社の一般的な備えです。
- 受付の入口を2つ以上にする(電話・Web・メール・店頭など)。片方が止まったときに案内する先を決めておく
- 予約の一覧を毎日書き出し、システムの外(紙や別の保存先)でも見られるようにする
- 止まったときの案内文を、Webサイト・電話の音声・メールの3か所分用意する
- 感染が疑われるときは、安全を確かめるまで戻さない前提で、手作業で何週間も回す段取りを決める
止まった日数が売上と人件費にどう響くかは、システムが止まったら1日いくら損する?のシミュレーターで試算できます。感染に気づいた直後の動き方は、ランサムウェアに感染したら最初の1時間にまとめています(今回の件がランサムウェアかどうかは公表されていません)。
バックアップと事業継続(BCP)の備えは、次の確認表で点検できます。