NVIDIAは米国時間2026年10月21日、ロボット開発基盤Isaacの拡張を発表しました。ロボット学習用のIsaac Lab 3.0が一般提供を始め、シミュレーション用の素材や人間の活動データも公開されました。一方、研究・開発向けヒューマノイドには提供開始が先のものもあり、評価できるものと調達を待つものを分けて確認する必要があります。
学習基盤とデータを拡充、完全版にはアクセス条件
NVIDIA Isaac Lab 3.0は、AIエージェントに対応したオープンソースのロボット学習フレームワークです。NVIDIAによると、複数のGPUを使い、ロボットがどう動くかを決める「方策」を学習できます。物理現象の計算には、NewtonやNVIDIA PhysXなどの物理エンジンを活用します。
学習・検証に使う素材も増えました。SimReady Central Libraryは、ロボットや工場向けのアセットを2,000点以上収録しています。アセットはシミュレーションで使う素材で、ファナックやUniversal Robotsなどのものを含みます。提供先はHugging Faceです。
Human 1M DatasetもHugging Faceで提供を始めました。人間の活動を同時に3つの視点から収めた動画と、手の動きを3Dで追跡したデータを含みます。ただし、完全版にアクセスできるのはCosmos Coalitionのパートナーです。公開開始という情報だけで、完全版も誰でも使えると判断しないことが重要です。
実行基盤も整備、ヒューマノイドは2027年初頭を予定
NVIDIA Isaac OSは、Holoscanを基盤とするオープンソースのランタイムです。ランタイムはソフトウェアを動かすための基盤を指します。NVIDIAは、AI、センサー、制御、ロボット機器を接続し、シミュレーションから実機まで、決まったタイミングで処理するリアルタイム性能を実現すると説明しています。
ハードウェアでは、Agile Robotsが研究・開発向けヒューマノイド基盤Agile ONE SNを発表しました。NVIDIA Isaac GR00Tを事前構成し、NVIDIA Jetson Thorを搭載します。提供開始は2027年初頭の予定です。NVIDIA Halos安全システムとの統合も計画段階です。
このため、Isaac Lab 3.0の一般提供開始と、Agile ONE SNの提供予定を同じ日程として扱うことはできません。安全システムとの統合についても、実装済みとして社内の評価資料に記載しないようにします。
日本での提供は発表には書かれていません。日本向けの提供時期、日本語対応、価格、利用リージョンも発表には書かれていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Isaacを使ったロボット開発や、Isaac Lab 3.0での学習を検討する会社です。開発担当と情シスで、複数GPUを使う評価の計画や必要な環境を確認する対象になります。
- 影響する: 工場のシミュレーションや、人間の動作データを使う学習を検討する会社です。SimReady Central LibraryとHuman 1M Datasetは、用途とアクセス条件を分けて確認します。
- 影響しない: 今回のロボット開発基盤や関連データを利用・検討しない会社です。一般の業務端末に対する更新要件は、発表には書かれていません。