無料の圧縮・展開ソフト「7-Zip」は2026年10月21日、新しい版の26.05を出しました。公式の更新の履歴によると、Z形式の圧縮ファイルとMach-O(macOSなどの実行ファイルの形式)の展開の処理を改善し、いくつかのバグと脆弱性を直しました。10月5日の26.04に続き、今月2回目の脆弱性の修正です。
どちらの版も、直した脆弱性の中身やCVEの番号は書かれていません。7-Zipは社内のPCに入っていることが多く、細工した圧縮ファイルを開くだけで問題が起きる種類の脆弱性が今年も続いています。中身が分からなくても、新しい版へ入れ替えておくのが安全です。
7-Zipの公式の更新の履歴。26.05と26.04で脆弱性を直した出典: 7-Zip「HISTORY of the 7-Zip」(引用)
26.05と26.04で変わったこと
| 版 |
公開日 |
公式の履歴に書かれた変更 |
| 26.05 |
10月21日 |
Z形式の圧縮ファイルとMach-Oのファイルの展開の処理を改善。いくつかのバグと脆弱性を直した |
| 26.04 |
10月5日 |
いくつかのバグと脆弱性を直した |
26.05は、Windowsの64ビット(x64)、32ビット(x86)、ARM64向けのインストーラー(exeとmsi)と、Linux向けのコマンドの版が公式のダウンロードのページに並んでいます。告知では、ファイルの置き場所としてGitHubのリリースのページを案内しています。
今年は修正が続いている
7-Zipは今年、圧縮ファイルの形式ごとの処理で、脆弱性の修正が続いています。番号の付いたものの例は次のとおりです。
| 直った版 |
脆弱性 |
中身 |
| 26.01(4月27日) |
CVE-2026-48092など8件 |
SquashFS、NTFS、UEFI、UDF、WIM、Arの処理で、メモリの範囲外の読み書きや中身の漏れ |
| 26.02(6月25日) |
CVE-2026-14266 |
XZの展開でのバッファオーバーフロー。細工したファイルを開くと、コードを実行される恐れ(ZDIの評価でCVSS 7.0) |
| 26.03(9月3日) |
CVE-2026-58052 |
細工したRAR5の圧縮ファイルを展開すると、ネットから入手した印(Mark-of-the-Web)が外れる |
| 26.03より前の版 |
CVE-2026-104086(10月14日に公開) |
SquashFSの処理で、初期化していないメモリの中身が漏れる恐れ |
Mark-of-the-Webは、ネットから入手したファイルにWindowsが付ける印です。この印が外れると、開くときの警告やOfficeの保護ビューが働かなくなります。2025年に見つかった同じ種類の7-Zipの脆弱性(CVE-2025-0411)は、CISAの悪用済みの一覧(KEV)に載りました。
7-Zipの脆弱性の多くは、細工した圧縮ファイルを開いたり展開したりすることで起きます。メールの添付やダウンロードのファイルを日常的に展開するPCほど、古い版を残さないことが大切です。
社内のPCへの入れ方
7-Zipの公式のFAQは、画面を出さずに入れる方法を案内しています。
- exeのインストーラー:
/S を付けて実行する。入れる場所は /D="C:\Program Files\7-Zip" で指定する(大文字と小文字を区別する)
- msiのインストーラー:
/q INSTALLDIR="C:\Program Files\7-Zip" を付けて実行する
資産管理のツールやIntuneなどで配るときは、msiの版が扱いやすい場合があります。7-Zipのフォルダーの中の7z.dllを、別のソフトが同梱していることもあります。ソフトの一覧で見つけにくい場合は、ファイルの版で探すと漏れが減ります。