Microsoft Teams が、チャットのやり取りからフィッシング やソーシャルエンジニアリング(人をだまして操作させる手口)を見つける、AIの検知機能を導入します。文字や添付の見た目だけでなく、会話の「文脈」を手がかりにする点が特徴です。
何が変わるのか
Microsoft 365 のロードマップ(ID 575288)によると、Teamsは会話の文脈を使って、フィッシングやソーシャルエンジニアリングを見つけるAIの検知を導入します。働くのは主に、リスクの高いやり取り、とくに外部の相手との初回のチャットです。地域や状況によっては追加の保護が適用される場合があるとしています。この機能はセキュリティ の保護のためだけに使われ、疑わしい挙動が検知されると、利用者に警告が表示されることがあるとしています。
ロードマップ上の状態は「開発中(In development)」で、一般提供(GA)は2026年11月とされています。対象のプラットフォームはAndroid、デスクトップ、iOS、Mac、Webです。
Microsoft 365ロードマップに掲載された、Teamsのフィッシング検知(ID 575288) 出典: Microsoft(Microsoft 365 Roadmap) (引用)
なぜ「チャットのフィッシング」が狙われるのか
フィッシングというとメールの印象が強いですが、近年はビジネスチャットも狙われています。とくに、外部の相手から初めて届くチャットは、相手が本物かどうか分かりにくく、「取引先を装う」「上司や人事を装う」といった、人をだます手口(ソーシャルエンジニアリング)に使われやすい入り口です。今回の検知は、こうしたやり取りの流れ(文脈)を見て、あやしい兆候に気づこうとするものです。
Teamsでは、メッセージ内の不正なQRコードを検知する機能も、同じ時期に入る予定です。あわせて、Microsoft Teams、メッセージ内の不正なQRコードを検知へ もご覧ください。文字のリンク・QRコード・会話の文脈と、複数の角度からフィッシングを見つける流れになっています。
影響を受けるのはどんな環境か
関係するのは、Microsoft Teamsを使い、とくに社外の相手ともチャットする組織です。検知はサービス側に入るため、利用者が特別な操作をする必要はありません。一方で、AIが会話の文脈を見て判断するため、「どういう場面で、どんな警告が出るのか」を情シスが把握しておくと、利用者からの問い合わせに答えやすくなります。
情シスが今日やること
提供の時期と対象を把握する: この機能は「開発中」で、一般提供は2026年11月とされています。主に外部との初回チャットが対象、という範囲を押さえておきます
警告が出たときの対応を決める: 利用者に警告が表示されたときに、どう行動するか(開かない・リンクを踏まない・情シスに相談する)を、あらかじめ共有しておきます
利用者への注意喚起を続ける: AIの検知は助けになりますが、見抜けないものもあります。外部の相手からの初回のチャットや、急かす・お金や認証情報を求める連絡には注意するよう、引き続き周知します
既存の対策とあわせて確認する: メールやリンクの保護、多要素認証など、既存のフィッシング対策が有効かを確認します。チャットの検知は、これらに加わる一つの層です
ビジネスチャットは、メールと並ぶフィッシングの入り口になりつつあります。Teamsの新しい検知は守りを一段増やしますが、提供は先です。利用者への注意喚起と、既存の対策の土台を保っておくことが、情シスの実務になります。