メールセキュリティのHENNGEが、自社ドメインを悪用したなりすましメールの検出と対策を支援する新サービス「HENNGE Domain Protection」の提供を開始しました。自社をかたる偽メールを防ぐ中核の仕組みである「DMARC」の、導入と運用を支えるものです。
何を支援するのか
HENNGEの発表によると、HENNGE Domain Protectionは、クラウドサービス「HENNGE One」の機能として、2026年10月9日に提供を開始しました。自社ドメインになりすましたメールの検出・対策と、DMARCの導入・運用を、次の5つのステップで支援します。
- ステップ1 DMARCレコードの生成: 管理画面でドメインを入力すると、自動チェックなどを経てDMARCレコードを発行します
- ステップ2 データの蓄積: DMARCのレポートを集めます
- ステップ3 分析と可視化: 難解なDMARCレポートをダッシュボードで一覧にし、認証の成功率、なりすまし、メールの転送の状況、送信元IPアドレスなどを把握できます
- ステップ4 ポリシーの引き上げ: SPF/DKIMの設定の不備を特定し、DMARCのポリシーを「隔離(quarantine)」「拒否(reject)」へと厳しくする準備を支援します
- ステップ5 継続運用: 運用を続けながら、状況を見守ります
HENNGEは、DMARCへの対応は、企業の公式ロゴをメールの送信者アイコンに表示する「BIMI」導入の第一歩にもなるとしています。
HENNGEが公表した「HENNGE Domain Protection」提供開始のプレスリリース出典: HENNGE株式会社(引用)
関係するのはどんな会社か
関係するのは、自社のドメインでメールを送っている、ほぼすべての会社です。自社をかたるなりすましメールは、取引先や顧客に送られ、フィッシングや詐欺の入り口になります。被害に遭うのは「送られた側」ですが、ドメインの持ち主である自社のブランドや信頼も傷つきます。とくに、DMARCをまだ入れていない、あるいは「none(何もしない)」のまま運用が止まっている会社は、なりすましを拒否できていない状態といえます。
なお、これは特定のサービスがないと対策できない、という話ではありません。DMARC・SPF・DKIMは、自社のDNSやメールの設定で対応できる仕組みです。今回のサービスは、その導入と、負担になりがちな運用を支援する選択肢の一つ、という位置づけです。
情シスが今日やること
- 自社のDMARCの状態を確かめる: 自社ドメインにDMARCが設定されているか、設定されている場合はポリシーが「none」「quarantine」「reject」のどれかを確認します。あわせてSPF・DKIMの設定も見ます
- 「none」で止めていないか見直す: DMARCを入れただけで「none」のまま運用が止まっていると、なりすましを検出できても拒否はできていません。レポートを分析し、少しずつポリシーを厳しくする運用に進めます
- 正当なメールが止まらないか確認する: ポリシーを厳しくすると、設定の不備で自社の正当なメールまで届かなくなるリスクがあります。送信に使っているサービスをすべて洗い出し、SPF/DKIMが正しく設定されているかを確認してから進めます
- 運用を支える手段を検討する: DMARCレポートは量が多く読みにくいため、分析や可視化を支えるサービス(今回のHENNGEのものを含む)を使うかどうかを、自社の体制に合わせて検討します
- BIMIも視野に入れる: DMARCを「拒否」まで運用できると、送信者アイコンに自社ロゴを表示するBIMIにも進めます。なりすまし対策とブランド表示を、あわせて計画します
ドメインのなりすまし対策は、入れて終わりではなく、レポートを見ながらポリシーを育てる運用が肝心です。まず自社の今の状態を確かめ、正当なメールを止めないよう段階を踏んで進めることが、情シスの実務になります。