Microsoft 365 Copilot とCopilot Chatが、Webの情報を根拠に答えるときに、管理者が「このドメインは使わせない」と決められる設定があります。「Domain Exclusion」という機能で、日本マイクロソフトが2026年10月19日に、日本語の解説(米国の7月28日の発表の抄訳)を出しました。Web検索を全部許すか、全部止めるかの間を選べるようになります。設定の手順と限界を、Microsoft Learnの文書から整理します。
何ができるようになったか
CopilotとCopilot Chatは、回答がよくなると判断したときに、Webの最新の情報を参照して答えます(Webグラウンディング)。Domain Exclusionを使うと、管理者が指定した外部のサイトは、この参照に使われなくなります。
Microsoft LearnのDomain Exclusionの説明。最大1,000件、既定では無効 出典: Microsoft Learn「Domain exclusion for web grounding in Microsoft Copilot」 (引用)
利用者の画面では、回答の情報のヒントに「管理者のポリシーで一部の情報源が制限されることがある」と出ます。
Web検索の許可の設定との関係
Copilotに、そもそもWeb検索を使わせるかどうかは、Microsoft 365のクラウド ポリシー サービスの「Copilotでの Web 検索を許可する」ポリシーで決めます。選べるのは、CopilotとCopilot Chatの両方で有効、両方で無効、Copilotの職場のモードだけ無効、の3つです。
Domain Exclusionは、このポリシーでWeb検索を有効にしたうえで、特定のドメインだけを外すための設定です。Microsoftは、Web検索を幅広く許すことと、完全にオフにすることの中間に、的を絞った制御を加えるものだと説明しています。ブランドを守る決まりや、地域ごとの事情、承認した情報源だけを使う社内の決まりがある会社を、とくに想定しています。
あわせて知っておきたいのは、Web検索のときの情報の扱いです。Learnによると、CopilotがBingに送る検索の問い合わせは、各利用者とMicrosoftの間のサービス規約とプライバシーに関する声明の対象で、Microsoftの製品とサービスのデータ保護に関する補遺(DPA)は適用されません。EUデータ境界も、作られた検索の問い合わせには適用されないとしています。
設定で気をつけること
更新は差し替え : スクリプトの更新(-Update)は、今の設定に足すのではなく、新しいCSVで丸ごと置き換えます。更新の前に、今の設定を書き出して(-Get)、それに足した一覧を読み込ませます。
更新は前の設定を新しいCSVで置き換える、という注記 出典: Microsoft Learn「Domain exclusion for web grounding in Microsoft Copilot」 (引用)
効かない結果がある : いまの除外が効くのは、Webページの検索結果だけです。ニュースなど、ほかの種類の結果からは引用されることがある、とLearnに書かれています。
実行の制限 : Learnは、スクリプトの実行がPowerShellの実行ポリシーで止められたときに、その作業の間だけ(-Scope Process)制限を外す方法を示しています。端末全体の設定を変えずに済む、この方法にとどめます。
影響する会社・しない会社
影響する: Microsoft 365 CopilotやCopilot Chatを社員に使わせ、Web検索も許している会社です。回答の根拠に使わせたくないサイトがあれば、この設定で外せます。
影響する: 社内の決まりで「承認した情報源だけを使う」としている会社や、ブランドや法令の都合で特定のサイトを避けたい会社です。
影響しない(設定は要らない): Copilotを使っていない会社や、「Copilotでの Web 検索を許可する」ポリシーでWeb検索を止めている会社です。
Copilotに限らず、AIの道具を会社で使うときの決まりは、Claude for Google Workspace 管理者が決める許可・禁止とデータの扱い でも整理しています。
情シスが今日やること
今のWeb検索の設定を確かめる 。クラウド ポリシー サービスで「Copilotでの Web 検索を許可する」がどうなっているかを見ます。設定していない場合の扱いもLearnに書かれているので、自社の状態を一度はっきりさせます。
外すドメインの考え方を決める 。たとえば、信頼できない情報源、社内の決まりで使わない媒体、法務やブランドの部署が避けたいサイトなど、選ぶ基準を文書にします。思いつきで足すと、あとで説明できなくなります。
一覧の持ち主を決める 。CSVを誰が持ち、どこに保存し、誰の承認で変えるかを決めます。更新は丸ごと差し替えなので、書き出した最新のCSVを正本にします。
社員に限界を伝える 。除外は、ニュースなどほかの種類の結果には効かない場合があります。「除外したから安全」とは言わず、回答の出典を確かめる習慣を、AIの利用のルールに入れておきます。