鴨川市は、ふるさと納税業務を任せている事業者が実施したキャンペーンのアンケートで、回答した人が、それ以前に回答した人の個人情報を見られる状態だったと公表しました。対象の回答者は218人です。この記事は、市の公式の発表に書かれていることだけをまとめ、書かれていないことは「書かれていない」と記します。
発表のページの日付は、9月9日の続報のものです。最初に発表を載せた日は、ページには書かれていません。
何が起きたか
鴨川市のふるさと納税業務は、鴨川観光プラットフォーム株式会社が受託しています。この事業者が「ふるさと納税プレゼントキャンペーン」を実施し、それに伴うアンケート調査を行っていました。
市の発表によると、そのアンケートで、回答者が回答を入力したあとに、それ以前に回答した他の人の個人情報を見られる状態になっていました。不正アクセスなどの攻撃には、発表は触れていません。
アンケートに使われたシステムの名前は、書かれていません。この記事でも、どのサービスかは書きません。
市と受託事業者の関係
市がふるさと納税業務を事業者に委託し、事業者がキャンペーンのアンケートを実施した、という関係です。発表の問い合わせ先にも、市の担当係と、受託事業者の両方が並んでいます。
お詫び状を送ったのも、再発防止策を検討するのも、市と受託事業者です。発表は「鴨川市および鴨川観光プラットフォーム株式会社では」と、両者を主語にして書いています。
時系列
鴨川市が公表した、事案の概要・原因・発覚の経緯・対応状況・続報出典: 鴨川市「ふるさと納税業務における個人情報の漏洩について」(引用)
| 日付 |
できごと |
| 2026年8月31日(月)午後0時53分 |
回答者が、前の回答者の個人情報を見られる状態が始まる |
| 9月1日(火)午前6時47分 |
見られる状態が終わる(約17時間54分) |
| 9月1日(火) |
アンケート回答者からの連絡で判明。キャンペーンを中止 |
| 発生後(日付は書かれていない) |
回答者全員にお詫び状を送付 |
| 9月9日(水) |
続報。メールアドレスは対象外と判明 |
見られる状態だった期間は、約18時間です。判明したのも9月1日で、期間が終わった日と同じです。連絡を受けてからの対応の細かい時刻は、発表に書かれていません。
見えていた情報は何か
最初の発表と、続報で、見えていた情報の範囲が変わりました。
| 項目 |
最初の発表 |
9月9日の続報 |
| 住所 |
対象 |
対象 |
| 氏名 |
対象 |
対象 |
| 電話番号 |
対象 |
対象 |
| メールアドレス |
対象 |
対象外 |
続報の文は「調査の結果、メールアドレスは対象外であることが判明いたしました」です。なぜ最初に含めていたのかは、書かれていません。
住所・氏名・電話番号は、そろうと、本人の自宅を特定して連絡できる情報です。
原因は何か
市の発表の原因は、1文です。「アンケート調査に使用したシステムの設定確認が不十分であった」ことです。
どの設定が、どう誤っていたのかは、書かれていません。回答者に、過去の回答が見える仕組みだったのか、別の原因だったのかも、書かれていません。
影響する人・会社、しない人・会社
- 影響する: 2026年8月31日午後0時53分から9月1日午前6時47分までに、アンケートに回答した218人です。住所、氏名、電話番号が、後から回答した人に見られる状態でした。市は、全員にお詫び状を送ったと発表しています。
- 影響しない: キャンペーンのアンケートに回答していない人です。発表は、対象を期間内の回答者218人としています。
- 自社に当てはまる会社: キャンペーン、懸賞、アンケート、セミナー申し込みなどのWebフォームを、自社で作って公開している会社です。
- 自社に当てはまる会社: 同じようなフォームの制作や運用を、外部の事業者や広告会社に任せている会社です。
- 自社に当てはまる会社: 住所や電話番号まで集めているのに、必要性を見直していない会社です。
会社・情シスが今日やること
以下は、今回の公表内容から導いた編集部の確認の手順です。市や公式が示した基準ではありません。
- Webのアンケートや申し込みフォームを公開する前に、回答者の立場で送信して、送信後の画面に何が出るかを確かめる。 管理者の画面だけで確かめず、ログインしていないブラウザで、実際に回答します。回答の集計や、過去の回答を回答者に見せる設定がないかを、送信後の画面で確かめます。これは一般の注意で、今回の原因がその設定だったとは、発表に書かれていません。
- 設定を複数人で確かめ、確かめた記録を残す。 設定した人とは別の人が、設定画面と、回答者から見える画面の両方を見ます。確かめた日付と人を、記録に残します。今回の原因は「設定確認が不十分」でした。
- キャンペーンなど、外部に任せたフォームも、公開前の確認を契約や運用で決める。 制作や運用を任せる相手に、公開前に回答者の立場で確かめること、結果を知らせることを求めます。公開した後の画面の変更も、対象に含めます。
- 回答者から連絡を受けたときに、止める判断と手順を決める。 今回は、9月1日の回答者からの連絡で判明し、キャンペーンは中止されました。誰が受け、誰が止める判断をし、フォームの公開を止める権限が誰にあるかを、先に決めておきます。
- 集める項目を最小にする。 住所や電話番号が、本当にその時点で要るかを見直します。賞品の発送が当選者だけなら、当選後に集めれば、回答者全員の住所を預からずに済みます。
事故が起きたあとの、本人や個人情報保護委員会への報告の進め方は、委託先で個人情報が漏えいしたら?報告3〜5日・30日と本人通知の流れにまとめています。委託先の設定で、利用者のメールアドレスが見える状態になった事故は、練馬区の講座、チャットで受講者71人のメールが見える状態に 報告も届かずでも整理しています。
問い合わせ先と今後
発表に書かれている問い合わせ先は、次のとおりです。受付は平日の午前8時30分から午後5時15分までです。
- 鴨川市 商工観光課 新たな観光まちづくり係 電話 04-7093-7837
- 鴨川観光プラットフォーム株式会社(鴨川市ふるさと納税業務受託会社) 電話 04-7096-7030
市と受託事業者は、原因の詳しい調査と再発防止策の検討を急ぎ、ふるさと納税業務の個人情報の取り扱いの管理を徹底するとしています。この記事の時点(2026年10月10日)で、続報の更新は確認できていません。