Microsoftの開発・実行基盤「.NET」のうち、.NET 8(長期サポート=LTS)と.NET 9が、2026年11月10日にサポート終了を迎えます。アプリは動き続けますが、新しいセキュリティ更新が止まるため、.NETで作った業務アプリを使っている会社は、後継への移行を計画する必要があります。今月(10月13日)はOffice 2021やWindows 11の一部も終了しており、更新の節目が続いています。何がいつ終わるのか、どう備えるかを、公式情報から整理します。
何がいつ終わるのか
Microsoftの公式情報によると、サポート終了の日付は次のとおりです。
| 製品 |
サポート終了日 |
種別 |
後継 |
| .NET 8 |
2026年11月10日 |
LTS(長期サポート・36か月) |
.NET 10 |
| .NET 9 |
2026年11月10日 |
STS(標準サポート) |
.NET 10 |
| PowerShell 7.4 |
2026年11月10日 |
LTS |
PowerShell 7.6 |
| PowerShell 7.5 |
2026年11月10日 |
STS |
PowerShell 7.6 |
.NET 8は2023年11月に公開された長期サポートの版で、36か月のサポートがこの日に終わります。後継の.NET 10(LTS)は2025年11月に公開され、2028年11月までサポートされます。運用スクリプトでよく使うPowerShellも、7.4(LTS)と7.5が同じ日に終了し、後継は7.6(LTS)です。
.NET 8・9のサポート終了(11月10日)と移行の要点(編集部作成)作成: 編集部 / もとの資料: 情シスのミカタ編集部
サポート終了は何を意味するか
サポートが終わっても、アプリやスクリプトは引き続き動きます。ここが見落とされやすい点です。止まらないため、更新が切れていることに気づきにくいのです。
変わるのは、新しいセキュリティ更新・不具合の修正・技術サポートが提供されなくなることです。実際、今月もMicrosoftはASP.NET Coreや.NETの脆弱性を複数修正しました(参考: .NETなど開発ツールに多数の脆弱性 業務アプリのランタイム更新も)。サポートが終わった版では、こうした修正が今後は出ません。見つかった脆弱性が、直されないまま残ることになります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: .NET 8や.NET 9で作られた業務アプリ(自社開発・ベンダー納品を問わず)を使っている会社です。ASP.NET CoreのWebアプリ、社内の業務ツール、バッチ処理などが当てはまります。
- 影響する: 運用でPowerShell 7.4や7.5を使っている会社です。自動化のスクリプトの実行環境が対象になります。
- 影響しない(薄い): .NETやPowerShellの新しめの版を使っていない会社、.NETのアプリを使っていない会社です。ただし「使っているか分からない」場合は、まず確認が必要です。
情シスが今日やること
- 対象を棚卸しする: 自社やベンダーが作った.NET製のアプリを洗い出し、それぞれがどの.NETのバージョン(8・9・10など)で動いているかを、開発・運用担当者やベンダーに確認します
- 移行の計画を立てる: .NET 8・9のアプリは、.NET 10(LTS)への移行を計画します。対象フレームワークを「net10.0」に変更し、再ビルドと動作検証を行い、配り直します。参照しているNuGetパッケージの.NET 10対応も確認します
- ベンダーに確認する: ベンダー製のアプリは、.NET 10に対応した版の提供予定と時期を、提供元に問い合わせます
- PowerShellも確認する: 運用スクリプトの実行環境が7.4や7.5なら、7.6(LTS)への更新を計画します
- 早めに着手する: 移行には検証の時間がかかります。11月10日まで約1か月の猶予があるうちに、対象の把握と計画づくりを進めます
今月から来月にかけては、Microsoft製品の更新の節目が続きます。10月13日に終了した製品や、ほかの期限とあわせて確認したい場合は、2026年度下期のIT期限カレンダーも参考になります。アプリが「動いているから大丈夫」ではなく、「サポートされている版で動いているか」を、この機会に確かめてください。