NTTドコモは2026年10月23日、衛星とスマートフォンが直接つながる「docomo Starlink Direct」の国際ローミングに、ニュージーランドとオーストラリアを加えました。9月1日に始めた米国・フィリピン・カナダと合わせて、5か国になります。ahamoを含む全プランで、申し込みは要らず無料です。
地上の電波が届かない屋外でも、メッセージや位置情報を送れます。ただし、使うにはデータローミングをオンにし、決まったAPN(接続先の設定)を使う必要があります。社用スマホでは、会社の設定のせいでつながらないことがあります。
一般向けの使い方は、TECHNOVAのドコモの衛星とスマホの直接通信、ニュージーランドとオーストラリアでも 海外は5か国ににまとめています。この記事は、会社の端末と設定の点から整理します。
ドコモが10月23日に発表したこと
ドコモの10月23日のトピックス。国際ローミングを5か国に広げた出典: 株式会社NTTドコモ「docomo Starlink Direct」ニュージーランド・オーストラリアでも国際ローミング接続を開始(引用)
| 項目 |
発表の内容 |
| 新しく加わった国 |
ニュージーランド(全土)、オーストラリア(一部の地域を除く) |
| 使える国 |
米国・フィリピン・カナダと合わせて5か国(10月23日から) |
| 対応機種 |
Galaxyシリーズ、iPhone 13シリーズ以降、Google Pixel 9〜11シリーズの48機種(10月23日時点)。11月以降も増やす予定 |
| 対象のプラン |
ahamoを含む全ての料金プラン。LTE上空利用プランは対象外 |
| 料金 |
申し込み不要・無料 |
| 使うための設定 |
最新のソフトウェアに上げ、docomo Starlink Directの利用設定とデータローミングの設定を有効にする |
| 使える場所 |
遮るもののない屋外。現地の地上の電波やWi-Fiにつながる所は除く |
衛星は、現地の通信会社がSpaceXと組んで出しているものにつなぎます。サービスページによると、国ごとの相手は次のとおりです。
| 国 |
使える地域 |
現地の会社 |
開始 |
| 米国 |
本土・ハワイ・アラスカの一部・プエルトリコ |
T-Mobile USA |
9月1日 |
| フィリピン |
全土 |
Globe Telecom |
9月1日 |
| カナダ |
北緯58度より南 |
Rogers Communications |
9月1日 |
| ニュージーランド |
全土 |
One New Zealand |
10月23日 |
| オーストラリア |
一部の地域を除く |
Telstra |
10月23日 |
衛星につながると、画面のネットワーク名が「One NZ SpaceX」「Telstra SpaceX」などに変わります。WORLD WING(ドコモの海外ローミング)を契約している人は、WORLD WINGの対象エリアの中では使えません。
料金と、できること・できないこと
月額は無料で、申し込みは要りません。SMSの送受信は、国内向けと国際のどちらも無料です。データ通信は、料金プランのデータ容量を減らしません。このサービスでSMSを使うと、料金の明細の通信の種類の欄に「衛星SX」と書かれます。
使えるのは、メッセージ(SMS)、位置情報の共有、対応アプリのデータ通信です。音声通話はできません。日本の緊急速報「エリアメール」は国内向けのため、海外では届きません。アプリによっては、海外での利用に制限がある場合があるとしています。
社用スマホで、つながらないことがある設定
社用スマホで海外の衛星通信を使うときに確かめること作成: 編集部 / もとの資料: 株式会社NTTドコモ トピックス(2026年10月23日)・サービスページ「docomo Starlink Direct 海外利用について」
サービスページの条件のうち、会社の端末で引っかかりやすいものを挙げます。
| 条件 |
サービスページの内容 |
社用スマホで確かめること |
| データローミング |
海外では「データローミング」(Androidは「ローミング」)をオンにする |
MDM(端末をまとめて管理する仕組み)でローミングを止めていないか |
| APN |
対応アプリのデータ通信には、APNがspmode.ne.jpかmopera.netに対応したドコモ指定のISPが必要 |
会社の専用のAPNを使う端末では、衛星でのデータ通信を使えない場合がある(当社の見立て) |
| 対応機種 |
国ごとに対応機種が違う。Google Pixel以外のAndroidは、ドコモのモデルだけ |
ドコモ以外で買ったAndroidの端末(Pixelを除く)は対象外 |
| ソフトウェア |
最新に上げる。ニュージーランドとオーストラリアのiPhoneはiOS 27.0以降 |
会社でOSの更新を止めたり遅らせたりしていないか |
| 回線とSIM |
5GかXiの契約が要る。SIMの交換が必要な場合は、無料で交換を支援する |
古いSIMのままの端末がないか |
| あんしんセキュリティ |
「危険サイト対策」がオンだと、対応アプリでも一部が使えない場合がある |
会社で入れている場合は、どの設定か |
法人契約の回線については、発表に書かれていない
今回の発表とサービスページは、対象を「ドコモ回線をご契約中のお客さま」としています。法人契約の回線や、法人向けのプランでの条件は書かれていません。4月2日のサービス開始の発表は、NTTドコモとNTTドコモビジネスの連名でした。会社の回線で使えるかは、契約している法人の窓口に確かめます。
仕事のアプリの対応はこれからです。LINE WORKSの検証は、TECHNOVAのLINE WORKS、衛星直接通信でトークとメールを検証、一般提供時期は未定にあります。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 米国・フィリピン・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアに、社員がドコモの社用スマホを持って出張する会社です。とくに、郊外や山、海の近くの現場に行く仕事です。
- 影響する: MDMで海外のデータローミングを止めている会社です。そのままでは衛星につながりません。
- 影響する: 会社の専用のAPNを使っている会社や、ドコモ以外で買ったAndroidの端末(Pixelを除く)を配っている会社です。対象から外れる場合があります。
- 影響しない: ドコモ以外の通信会社の回線の社用スマホです。今回の発表は、ドコモの回線が対象です。
- 影響しない: 音声通話の手段としては使えません。現地での電話は、今までどおりの手段を用意します。
情シスが今日やること
- 出張先と端末を確かめます。 5か国に出張する社員の社用スマホが、ドコモの回線か、対応機種か、OSが新しいかを一覧にします。
- MDMのローミングの設定を確かめます。 海外でデータローミングを止めているなら、衛星のために外すかを決めます。外す場合は、地上のローミングの料金の扱いも決めます。
- APNを確かめます。 会社の専用のAPNを使っている端末は、衛星でのデータ通信を使えるかを、ドコモの法人の窓口に聞きます。
- 緊急の連絡の決まりに書き足します。 衛星では電話ができないこと、メッセージと位置情報の共有はできることを、海外出張の連絡の決まりに書きます。日本のエリアメールが海外では届かないことも伝えます。
- 出張の前に試してもらいます。 出発の前に、利用設定とデータローミングの設定を確かめ、現地で空の見える屋外でネットワーク名が変わるかを見てもらいます。