ソニーは10月15日、英国の公式サポートサイトで、2024年発売のスマートフォン「Xperia 10 VI」にAndroid 17への更新を配らないと発表しました。発売時に案内した「3回のOSの更新」に届かないとして、謝罪しています。セキュリティの更新は、これまでどおり発売から4年続けるとしています。
何が変わったのか
ソニーのお知らせによると、くわしい技術的な評価の結果、端末の記憶装置(ストレージ)の構成に関わる制約のため、ソニーが十分と考えるAndroid 17の更新を実現できないと判断しました。そのため、この更新は配りません。記憶装置のどこに問題があるのかは、お知らせには書かれていません。
ソニーは、この問題はXperia 10 VIの仕様に特有のもので、ほかのXperiaには影響しないとしています。
| 項目 |
発売時の案内 |
10月15日のお知らせ |
| OSの大きな更新 |
3回(Android 14で発売、17まで) |
Android 17は配らない(16まで) |
| セキュリティの更新 |
発売から4年 |
変わらず、発売から4年 |
ソニーの英国のサポートサイトに載ったXperia 10 VIのお知らせ出典: Sony Europe(英国のサポートサイト)(引用)
Android 14で発売したことは、ソニーの日本の法人向けのページで確かめられます。3回の更新なら17までの予定でしたが、16で止まることになります。
日本で配られている端末はどうなるか
Xperia 10 VIは、日本では2024年7月上旬から、一部の通信会社とSIMフリーのモデルで売られています(ソニーの2024年5月15日の発表)。今回のお知らせは、英国のサイトに載ったものです。日本のソニーのサイトでは、10月19日の時点で、同じお知らせも、日本向けにAndroid 17を配る予定も確かめられませんでした。
日本のSIMフリーのモデル(XQ-ES44)には、ソニーの更新のページによると、2025年3月11日にAndroid 15、2025年11月26日にAndroid 16が配られています。最新の更新は2026年7月30日で、セキュリティパッチレベル(どの月までの修正が入っているか)は2026年7月です。
同じページを見ると、セキュリティの更新は2024年7月から、おおむね2か月前後おきに配られています。パッチレベルが配信の月より前の月になることもあります。たとえば2026年6月11日の更新は、パッチレベルが2026年5月でした。
日本のXperiaの公式サイトの法人向けのページ(Android Enterprise Recommended)では、Xperia 10 VIのセキュリティの更新の終わりは2028年6月、更新の頻度は90日ごとです。Android Enterprise Recommendedは、会社でスマートフォンを安全に使うためにGoogleが用意した推奨の仕組みで、セキュリティの更新などの要件を満たした機種が選ばれます。
日本の法人向けのページ。10 VIのセキュリティの更新は2028年6月まで出典: ソニーマーケティング(Xperia 公式サイト)(引用)
なぜ情シスが確かめるのか
OSの大きな更新が止まっても、セキュリティの更新が続く間は、すぐに危なくなるわけではありません。ただ、業務のアプリやMDM(会社の端末をまとめて管理する仕組み)は、対応するAndroidの版を後から引き上げることがあります。
また、発売時に示された更新の約束が、あとから変わることがあると分かりました。端末を何年使うかの計画は、約束が変わったときに見直せるようにしておきます。
大きな更新には、別の注意もあります。日本のSIMフリーのモデルでは、2025年11月26日のAndroid 16への更新のあと、FeliCaの電子決済が反応しない場合があり、12月2日から配信が止まりました。12月15日の更新で直っています。
影響する会社・しない会社
- 影響する: Xperia 10 VIを社用スマホとして配っていて、Android 17への更新を計画に入れていた会社です。
- 影響する: 海外の拠点や出張者に、海外向けのXperia 10 VIを持たせている会社です。今回のお知らせを前提に計画を見直します。
- 影響する: MDMで「Androidの最低の版」を決めている会社です。将来17以上を条件にすると、この端末は満たせません。
- 影響しない: ほかのXperiaだけを使っている会社です。ソニーは、ほかの機種には影響しないとしています。
- 影響しない: セキュリティの更新が終わる前に、Xperia 10 VIを入れ替える計画がすでにある会社です。
情シスが今日やること
- 台数と配り先を数える。 MDMの端末の一覧で、Xperia 10 VIの台数と、日本向けか海外向けか、どの通信会社かを確かめます。
- セキュリティパッチレベルを見る。 MDMで端末ごとのパッチの日付を見ます。Microsoft Intuneなら、コンプライアンスポリシーの「最低限のセキュリティ パッチ レベル」で、古いままの端末を非準拠にできます。基準の日付を厳しくしすぎると、配信を待っているだけの端末まで非準拠になります。ソニーが示す頻度(90日ごと)を目安に、余裕を持たせて決めます。
- 入れ替えの期限を決める。 日本向けは、セキュリティの更新が2028年6月までです。その前に入れ替える日程を決め、予算に入れます。
- 調達の条件に更新の期間を書く。 次の機種では、OSの更新の回数と、セキュリティの更新が終わる年月を、見積もりや仕様書に書いてもらいます。約束が変わったときの知らせ方も決めておきます。
- 大きな更新は少数で先に試す。 決済や業務のアプリが動くかを確かめてから、全員に広げます。
MDMの製品ごとの違いは、MDM・UEMの製品の地図 2026年秋 15製品を対応OSと機能で図解にまとめています。発表そのものの内容は、TECHNOVAのソニー、Xperia 10 VIのAndroid 17への更新を取りやめ 海外で約束した「3回」を守れず謝罪、日本向けはもともと最大2回でも紹介しています。