多くの企業がファイルの保管・共有に使うBoxで、デスクトップアプリ「Box Drive」の同期が遅れる障害が起きました。Boxが公式のステータスページで「重大(Major)」と位置づけて公表したもので、すでに復旧しています。データが消えるような障害ではありませんでしたが、業務で使う人が多いだけに、情シスとしても経緯を押さえておきたい事象です。
何が起きたのか
Boxの公式ステータスによると、障害は、Webアプリ(ブラウザ版のBox)で更新した内容が、デスクトップアプリ「Box Drive」へ同期(反映)されるのが遅れる、というものでした。一部の利用者で、項目の更新の反映が遅れる状態だったとされています。
Boxの公式ステータスに掲載された障害の経緯(復旧済み)出典: Box(引用)
経緯は、公式ステータスの時刻(太平洋時間)で次のとおりです。1時30分に「Webアプリから Box Drive への同期の遅延を調査中」として始まり、2時10分に原因を特定、その後の対応を経て、5時13分に「改善が見られる」として監視に移り、5時41分に「Box Driveのサービスが完全な機能に復旧した」と発表されました。日本時間では、10月15日の夕方から夜にかけての、約4時間ほどの事象でした。ファイルが消えた、開けなくなった、といった内容ではありません。
影響を受けるのはどんな環境か
関係するのは、Box Drive(Boxのファイルをパソコンのフォルダのように扱えるデスクトップアプリ)を使っている組織です。障害の時間帯に、Web側でファイルを更新し、その反映をデスクトップ側で待っていた場合、更新が遅れて見えた可能性があります。業務でBoxを常用している部署では、「保存したはずの最新版が、手元のBox Driveに出てこない」といった形で気づいたかもしれません。
情シスが今日やること
すでに復旧しているため、特別な操作は基本的に不要です。そのうえで、次の点を押さえておくと安心です。
- 編集した内容の一致を確認する: 同期が遅れていた時間帯に重要なファイルを編集した人がいれば、Web版とデスクトップ版で内容が一致しているかを確認します。念のため、同じファイルを同時刻に別々の端末で編集していないかも見ておきます。
- 公式ステータスの場所を共有する: SaaSの障害は、提供元の公式ステータスページで発表されます。Boxなら status.box.com です。「アプリの調子が悪い」という問い合わせが来たとき、まず公式ステータスで既知の障害かを確認できるよう、場所を関係者で共有しておきます。
- 問い合わせ時の切り分けを決めておく: 自社の設定やネットワークの問題か、提供元の障害かを切り分ける手順(公式ステータスの確認、ほかの利用者でも起きているかの確認)を、あらかじめ決めておくと、落ち着いて対応できます。
クラウドのサービスは便利な一方、自社では直せない障害も起こります。大切なのは、障害そのものをなくすことよりも、「起きたと気づけること」「既知の障害かをすぐ確認できること」「利用者に落ち着いて案内できること」です。今回のような事象を、SaaS障害への備えを見直すきっかけにするとよいでしょう。