GitHubの脆弱性情報データベースに、MCPのTypeScript SDKに関する脆弱性2件が掲載されています。他者のタスクへのアクセスと、通信の転送先への認証情報の露出に関わる問題で、1.xの修正版は@modelcontextprotocol/sdk 1.32.0以降です。資料に公開日は記載されていません。
タスクの問題は、版だけでなくサーバー設定で判断
CVE-2026-111767は、実験的タスク機能でセッションの確認が不十分な問題です。共有のInMemoryTaskStoreを使う構成では、他者のタスクを一覧表示・閲覧・取消できるとしています。
対象は、@modelcontextprotocol/sdk 1.24.0~1.31.0を使い、McpServerまたはServerにtaskStoreを渡すHTTPサーバーに限られます。2.xパッケージは、この脆弱性の影響を受けません。
修正版では、タスクを作成元のセッションにひも付けます。そのため、新しいセッションから以前のタスクにはアクセスできなくなります。更新時は、セッションをまたいだタスク利用を前提にしていないか確認が必要です。
更新できない場合の対処は、taskStoreを外すか、セッションごとにInMemoryTaskStoreを作ることです。ただし、実験的タスク機能自体が非推奨で、勧告は使用中止を最善策としています。
通信の転送では、独自ヘッダーや本文が露出する恐れ
CVE-2026-111769は、HTTP・OAuth通信で、別オリジンへのリダイレクトを追跡する問題です。オリジンは通信先を区別する単位、リダイレクトは別のURLへの転送を指します。
影響版では、転送先にX-API-Keyなどの独自ヘッダーやmcp-session-idが渡ります。307・308の転送では本文も渡り、refresh_tokenやclient_secretが含まれる場合があります。これらは認証に使う情報です。現行ランタイムのfetchが別オリジンへの転送時にAuthorizationを除去しても、独自ヘッダーや本文の問題は残ります。
対象は@modelcontextprotocol/sdkの1.31.0までの全バージョンと、@modelcontextprotocol/client 2.0.0~2.2.0です。修正版はそれぞれ1.32.0以降、2.3.0以降です。
修正後は同一オリジン内の転送だけを追跡し、ブラウザー環境では転送を一切追跡しません。意図的に別オリジンへ転送している場合は、最終転送先のURLを直接設定することが推奨されています。redirectPolicy: 'follow'を指定すると、従来の動作と情報露出が復活します。
修正版の日本での提供は発表には書かれていません。
影響する会社・しない会社
- 影響する: 対象版のSDKを使い、McpServerまたはServerにtaskStoreを渡すHTTPサーバーを運用する会社は、タスク機能の問題を確認する必要があります。
- 影響する: 対象版でStreamableHTTPClientTransport、SSEClientTransport、auth()などのSDKのOAuthクライアント機能を使う会社は、通信転送の問題の対象です。
- 影響しない: 2.xパッケージはCVE-2026-111767の対象外です。ただし、2.xのクライアントには別途、通信転送の問題の対象版があります。
- 影響しない: stdioクライアントはCVE-2026-111769の対象外です。こちらの条件だけで、タスク機能側の問題まで対象外とは判断しないでください。