情報処理安全確保支援士(略して登録セキスペ)は、サイバーセキュリティの国家資格です。情報処理安全確保支援士試験に合格しただけでは、この名前を名乗れません。登録の申請をして登録されると名乗れるようになり、そのあとは毎年の講習と3年ごとの更新が続きます。就職や転職で資格を見る人、社員の取得を支える情シスのために、IPA(情報処理推進機構)の公式の案内から、流れ、義務、費用を整理しました。
登録から更新までの流れ
登録セキスペの登録から更新までの流れと義務作成: 編集部 / もとの資料: IPA(情報処理推進機構)の情報処理安全確保支援士の案内
| 段階 |
IPAの案内 |
| 登録資格を得る |
情報処理安全確保支援士試験(SC)に合格する。経済産業大臣の認定、試験の全部の免除、IPAの中核人材育成プログラムの修了(1年以内の登録)などでも得られる |
| 登録を申請する |
登録は年2回。4月1日登録は2月15日まで、10月1日登録は8月15日まで(当日消印有効) |
| 登録される |
カード型の登録証が届く。登録者の情報は検索サービスで公開される(公開する項目は申請のときに選べる) |
| 毎年の講習 |
登録日・更新日から1年に1回、オンライン講習を受ける(3年で3回) |
| 3年に1回の講習 |
IPAか民間事業者等が行う実践講習から、1つを選んで受ける |
| 更新 |
登録の有効期限は3年。更新期限の60日前までに、講習をすべて修了して更新を申請する。更新の手数料はかからない |
登録証は、更新の回数に応じて「グリーン」「ブルー」「ゴールド」の3色があります。IPAの実践講習A・B・Cは、主にこの色の順に案内されます。
試験に合格しても、登録の期限はなく、合格が無効になることもありません。ただし、登録していない人が「情報処理安全確保支援士」を名乗ると、30万円以下の罰金になります。名刺や会社の案内に資格名を書くときは、登録しているかを確かめます。
登録セキスペの義務
登録された人には、法律(情報処理の促進に関する法律)で3つの義務があります。
| 義務 |
法律 |
守らなかったとき |
| 信用を傷つける行為をしない |
第21条 |
登録の取り消し、または一定の期間名乗れなくなる。取り消されると2年間は再登録できない |
| 業務で知った秘密を守る(資格がなくなったあとも) |
第22条 |
上に加えて、1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| IPAの講習を受ける |
第23条 |
登録の取り消し、または一定の期間名乗れなくなる |
ほかに、登録セキスペが従う「倫理綱領」も定められています。
費用 登録のときと、3年分の講習
登録セキスペの費用 登録のときと3年分の講習(円)作成: 編集部 / もとの資料: IPA(情報処理推進機構)の情報処理安全確保支援士の案内
| 費用 |
金額(円) |
いつ |
| 登録免許税 |
9,000 |
登録のとき(収入印紙) |
| 登録手数料 |
10,700 |
登録のとき(IPAに振り込み) |
| オンライン講習 |
20,000 |
毎年1回(IPAが運営・非課税) |
| IPAの実践講習A・B・C |
80,000 |
3年に1回(リモートのグループ討議と個人学習・非課税) |
| 業界別サイバーレジリエンス強化演習(CyberREX) |
80,000 |
実践講習として受ける場合(2日間) |
| 制御システム向けサイバーセキュリティ演習(CyberSTIX) |
160,000 |
実践講習として受ける場合(1.5日間) |
| 更新の手数料 |
0 |
3年ごと |
講習の受講料は、3年分をまとめて払う仕組みではなく、受けるたびに払います。民間事業者等が行う実践講習の受講料は、各社が決めます。
IPAの実践講習を選んだ場合、最初の3年は、登録の19,700円、オンライン講習3回の60,000円、実践講習の80,000円で、合わせて159,700円です。更新のあとの3年ごとは、8万円の実践講習を選ぶと140,000円です(どちらも編集部の計算)。
「実務経験者に対する講習制度」の認定を受けた人は、受ける講習がオンライン講習だけになります。
会社が費用を払うとき
IPAは、講習を受ける義務は個人にあるとし、申し込みと支払いは個人が原則としています。会社が費用を負担する場合は、本人が立て替えたあと、社内で精算するのが原則です。登録・更新の時期と講習によっては、団体の手続き(団体コードと支払いの手続き)で、法人名義で払うこともできます。登録手数料は、会社の口座から振り込めます。
社員に取得や更新を勧める会社は、立て替えと精算の手順、講習に充てる時間(実践講習のグループ討議は1日)を、先に決めておくと進めやすくなります(当社の見立て)。
就職・転職で見るときのポイント
今日からできること
資格を取る・持っている人
- 合格したら、登録するかを決める。 登録には期限がありませんが、名乗るには登録が要ります。名乗る予定があるなら、次の締め切り(4月1日登録は2月15日)に合わせて、合格証書など申請の書類をそろえます。合格証書をなくしていると、合格証明書の交付の手続きから要ります。
- 講習の案内のメールを受け取れるようにする。 講習の案内は、登録の申請で決めたメールアドレスに、講習の運営者から届きます。携帯電話会社のメールは、受信の設定で届かないことがあるため、運営者のドメインを受け取れるようにしておきます。
- 3年の予定に入れる。 毎年のオンライン講習と、3年のうち1回の実践講習(グループ討議の日を選ぶ)を、更新期限の60日前より前に終えるよう、予定に入れます。
社員の取得を支える情シス・人事
- 社内で何人が登録しているかを把握する。 名刺や提案書に資格名を書く社員が、登録を続けているかを確かめます。登録していないのに名乗ると罰則の対象です。
- 費用と時間の決まりを作る。 登録の費用、毎年の講習、3年に1回の実践講習を会社が負担するか、立て替えと精算の手順、講習に充てる時間を、社内の決まりにしておきます(当社の見立て)。
今の締め切り(10月22日に確認)
- 次の新規登録の申請の締め切り: 2027年2月15日(4月1日登録分、消印有効)
- 2024年4月1日・2021年4月1日・2018年4月1日に登録した人の更新の申請の締め切り: 2027年1月30日
- 2026年10月1日が更新日で、令和8年熊本地震で災害救助法が適用された自治体に登録の住所がある人は、更新の申請の期限が2026年11月28日まで延びます(経済産業省の告示)
2026年10月22日時点の内容です。金額と日付はIPAの公式の案内のとおりで、変わることがあります。